イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

【イギリス・IS声明・日本語訳】イスラム国(IS)ロンドン地下鉄爆発物事件・声明(全文)

◆地下鉄車両内に爆発物設置し市民狙う
9月15日、ロンドンで発生した地下鉄車両での爆発事件で、翌日、イスラム国(IS)は犯行を認める声明を出した。実行犯がISの直接指示を受けていたのか、あるいはネット宣伝に感化された一匹狼的な単独犯行だったかは不明。声明では複数の爆発物があったことを示唆している。以下は声明全文。(一部意訳)

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ロンドン地下鉄爆発物事件の翌日、ISはアラビア語と英語で声明を公表。英内務省アンバー・ラッド大臣は「ISが背後にいたかどうかの証拠は見つかっていない」(9月17日時点)としている。声明では「複数の爆発物のうちのひとつを設置」と、その他にも爆発物があったことをうかがわせる内容となっているものの、確認されていない。ISが直接関与したのか、一匹狼型単独犯行を「組織の成果」として利用して声明を発したのかは不明。また最近ではISと関係のない襲撃事件でも「犯行声明」を出す例が出ている。

ロンドン地下鉄駅での爆発物爆発で30名を負傷せしめる

【イギリス】 1438年ズルヒッジャ月24日(ヒジュラ暦

アッラーのお導きを請い、また全能なる御方(=アッラー)への信のもとに、カリフ国の兵士はロンドンの地下鉄(パーソンズ・グリーン駅)において、十字軍の一群の只中に、複数の爆発物のうちのひとつを設置した。これにより、少なくとも30名を負傷せしめた。アッラーの御意のもと、次にはさらに強力で苛烈なることが起きるだろう。万有の御主、アッラーにすべての称讃あれ。

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爆発物か発火物かは不明だが、メディアは「爆発物の一部が爆発」と伝えている。死者はでなかったものの、熱傷などで約30名の負傷者が出た。写真は乗客が撮影した映像を英メディアが伝えたもの。(ITVニュースから)

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事件が起きたのはロンドン・パーソンズグリーン駅。午前8時20分ごろの通勤時間帯を狙ったものとみられる。イギリスでは今年だけでも、複数のテロ事件が起きている。以下の事件の死者数には現場で死亡した実行犯も含まれる。
3月ウェストミンスター車両暴走・ナイフ殺傷・死者6名)IS系アマーク通信声明
5月マンチェスター(コンサート会場での自爆・死者23名)ISが声明
6月ロンドン橋(車両暴走・ナイフ殺傷・死者11名)IS系アマーク通信声明
6月フィンスベリー・パーク(車両暴走・死者1名)
9月・ロンドン・パーソンズグリーン駅(地下鉄車内爆発物)ISが声明
なおフィンスベリー車両暴走市民殺傷事件については、47歳男性がモスク周辺のイスラム教徒を狙ったものとみられ背景が異なっている。 (写真はITVニュースから)

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事件後、警察は容疑者を逮捕。イラク出身のアハメド・ハサン・モハメド・アリ(18)とされる。ほかにも複数の容疑者が逮捕(一部はのちに釈放)されたが、いずれも現時点では背後関係やISとのつながりはわかっていない。(写真はITVニュースから)

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地下鉄車両内爆発事件を伝える英タブロイド紙。デイリーメール紙(右)は、ネット検索で爆弾が容易に製造できる問題点を取り上げている。(2017年9月16日付)

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IS機関紙アン・ナバアは、ロンドン地下鉄車両内爆発事件について記事で取り上げている。これと同時に記事中にはロンドンでの事件の2日後、「イスラム国兵士がフランス・シャルルドゴール空港ターミナルコンテナに爆発物設置」とある。報道では、この時、同空港に着陸した英国エアバス機に爆発物情報があり警察部隊が出動しターミナルが一時閉鎖されたが、「誤通報」とされた。アン・ナバアは爆発物はターミナルに設置したものの、フランス政府が事実を隠蔽としている。一方、ロンドンでの事件と同じ9月15日には、フランスで2件のナイフ切りつけ事件が起きたが、アン・ナバアでは触れていない。(画像はIS機関紙アン・ナバア第98号紙面)