イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

【声明+動画・日本語訳】自由シリア軍(FSA)米国のシリア政府軍基地へのミサイル攻撃支持(全文)

◆「国際社会が正しき方向へ向かう第一歩」と米国による攻撃を歓迎
シリアの反体制勢力自由シリア軍(FSA)は、4月6日のアメリカによるシリア政府軍シャイラート航空基地へのミサイル攻撃を歓迎するとの声明を出した。(4月7日付)。声明では、「今回の(アメリカの)攻撃は、国際社会が正しき方向へ向かう第一歩」と評価し、さらなる作戦継続を求めている。以下、声明全文。一部意訳。

f:id:ronahi:20170414161749j:plain

自由シリア軍が4月7日付で発表した、アメリカのシリア政府軍基地攻撃を歓迎するとする声明。化学兵器攻撃はアサド政権によるもでありシャイラート軍事空港から出撃した戦闘機が化学兵器攻撃を行なったとしている。一方、アサド政権側は化学兵器の使用を否定している。

シリア・アラブ共和国 自由シリア軍(FSA)
米国のシリア軍航空基地への攻撃に関する声明

慈悲あまねく 慈愛深きアッラーの御名において 

自由シリア軍ならびにシリア革命勢力各派は、アメリカがシャイラート軍事空港に対して行なった軍事作戦を歓迎する。この空港はアサド政権の戦闘機が、その結託勢力の支援と援護を受け、出撃した場所である。それはハーンシェイフンで忌まわしき化学兵器虐殺を遂行するためであり、数百の無辜の市民を死傷させたのである。 

体制側の首謀者ならびに戦争犯罪人バシャール・アサドが2011年以来、シリア国民に対し遂行している虐殺戦争において、その行為が罪に問われることなく、アメリカの前政権の非積極性と国際社会の失敗を利用してきたなか、今回の(アメリカの)攻撃は、国際社会が道義的、法的責任のもとシリア市民を守り、救うための正しき方向へ向かう第一歩となるとも我々はとらえている。 

シリア革命勢力各派は、この(アメリカの)攻撃は、(アサド政権の犯罪行為の)免罪からの転換点であり、テロに対する国際的な戦争の一部となると認識している。バシャール・アサドとそれに結託する宗派民兵のテロに対抗することは、テロとの戦争の勝利のためのカギとなる一歩である。 

今回の攻撃は、テロと暴力、犯罪性に立ち向かう正しき出発点となるものであり、またシリア人にとって正義に基づく、納得のいく政治的解決を見出すものと我々はとらえる。我々はまた、アメリカが担う責任は大きく、この作戦が止むことなく継続されると信ずるものである。

自由シリア軍は、犯罪者アサド政権とその結託者が市民に対して向ける報復の脅威を強く訴える。ゆえに我々はシリア人の友人たるアメリカならびにすべての国々に、シリア政府の戦争犯罪に明確に立ち向かい、その犯罪行為を終結させ、シリア人とすべての人道に対して向けられた彼らの犯罪を裁きを受けさせるよう呼びかける。これは、シリア人の苦悩を終わらせる目的のもとに、政治的圧力とともに軍事的圧力を通じてのみ達成されうるのである。 

かくして、空港や国際的に禁止された兵器をシリア人に対して使用するのを阻止する形で、政府軍に対する軍事作戦は継続されるべきであると我々は考える。また、シリアの反体制勢力が、政権とテロリスト民兵勢力による抑圧と犯罪性に対決し、その犯罪行為と攻撃に終止符を打てるよう、政治的かつ軍事的に支援することが必要と考える。

自由シリア軍たる我々は、バシャール・アサドこそがシリア国家、国民、社会を壊滅させ、(シリアを)犯罪政権が引き連れてきた民兵集団や外国雇い兵だらけの場にしてしまった張本人だと断じるものである。 

自由とシリア国家の主権の回復、そしてシリア国民の一体性、尊厳、自由の回復が求めるものは、あらゆる戦争犯罪と人道への罪を実行してきた、この犯罪政権の打倒と訴追である。

シリア、自由、名誉万歳 

2017年4月7日
自由シリア軍

【動画・日本語訳】自由シリア軍・南部戦線「米国のミサイル攻撃支持」(2017/04/07)

自由シリア軍・南部戦線・報道官イーサム・レイス少佐は、「米国がシリア政府軍基地をミサイル攻撃したことを支持し、歓迎する」とのビデオ声明を発表。(4月7日付)

f:id:ronahi:20170414162355j:plain

自由シリア軍系メディアが公表したホムス県シャイラート軍事空港のファクトシート。シリア政府軍・第675飛行隊(ミグ23)、第677飛行隊(スホーイ20+22)、第685飛行隊(スホーイ22)などが配置され、ホムス近郊部、ハマ県北部、イドリブ県南部近郊が管轄空域としている。(FSAプラットホームより)

f:id:ronahi:20170414162401j:plain

同じく自由シリア軍系メディアが「流出情報」として公表した、アメリカの巡航ミサイル攻撃によるシャイラート軍事空港での犠牲者リスト。7名死亡、18名負傷としている。(FSAプラットホームより)

f:id:ronahi:20170414162411j:plain

ハーンシェイフンでの化学兵器使用を受けて、自由シリア軍系の各部隊はイドリブやアレッポなどで「報復」として政府軍陣地に砲撃を行なった。写真はアレッポ北部での砲撃を伝えている。今回、自由シリア軍はアサド政権に対してのアメリカの攻撃支持としたが、一方で、アメリカはISとの戦いでクルド勢力・人民防衛隊(YPG)を支援している。アレッポ北西部では自由シリア軍諸派がトルコの軍事支援を受け、YPGと対峙するといった複雑な構図もある。

f:id:ronahi:20170414165851j:plain

化学兵器攻撃をめぐっては様々な情報が飛び交っている。アサド政権派の議員のツイッター投稿では、アメリカのミサイル攻撃翌日に現場を視察した参謀司令部のアユーブ司令官(右)と会う基地のハスーリ准将(左)を名前を明記して写真を紹介し、彼がハーンシェイフンでのアルカイダ兵器施設を破壊した、としている。(議員はのちにこの投稿を削除)アサド政権が化学兵器を使用したなら彼も現場責任を負っていたことになる。ところが、この直後、一部外国メディアが「ハスーリ准将が路肩爆弾または車輌に仕掛けられた爆弾で死亡」と報じた。死亡自体もまだ不明ななか、怪しい情報も入り混じって、「アサド政権による口封じ・隠蔽工作説」や陰謀論まで出るなどしている。

◆IS・イラク・シリア・クルド情勢の
新着記事はツイッターで案内しています>>