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イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イラク・シリアに飛んでいるオスプレイ~イスラム国(IS)との戦いにも投入

イラクでは米軍が2007年から運用、IS壊滅作戦にも
日本で何かと取りざたされる米軍の垂直離陸輸送機オスプレイイスラム国(IS)との戦いの現場でも投入され、イラクだけでなく、シリアでも飛んでいる。

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イラクで米軍がオスプレイを運用するようになったのは2007年、海兵隊の任務に使われたのが最初と記録されている。イラクでの運用が始まってもう10年になる。当時から米軍による武装勢力掃討作戦は続いていた。写真は2007年、バグダッド空港での米軍オスプレイ。(米軍公表写真)

シリア北部では、ISとの戦いを進めるクルド・人民防衛隊(YPG)、シリア民主軍(SDF)が展開する地域に派遣された米軍特殊部隊がオスプレイを運用している。イラクでのオスプレイ映像はけっこうあるが、シリアでの飛行についてはほとんど公表されていない。

【動画】シリア北部を飛んでいると思われる米軍オスプレイ(2016)
昨年9月頃、ネット上にアップされた動画。個人がシリア・クルド地域で撮影したものと見られる。クルド語で「あれ、なんだ?」と話す声が聞こえる。シリアのクルマンジ方言なので、イラクではなくシリア領内と推測される。(YouTubeより)

実際にシリアでオスプレイを自分で見たわけではないので、これまでネット情報だけでは確証は持てなかった。そこで先日、シリア北部にいるSDFの戦闘員にメッセージを送り、写真も見てもらったところ、「ヘリコプターみたいな飛行機のことだろ。だいぶ前から飛んでるよ」という返答だったので、米軍がシリアで運用しているのはまず間違いないだろう。

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シリアでオスプレイが飛んでいるという話は昨年夏ごろSNS上でも出ていた。これは2016年6月撮影の衛星写真。ウォッチャーのあいだでは、駐機中の各種機体を図のように推測、そのSNS情報をもとに図を再現してみた。この場所はコバニ郊外にあった元セメント工場で、一時、ISの支配下にあったが、のちにクルド勢力が奪取。セメント運搬トレーラー用の車輌置き場が発着場として米軍に提供されたようだ。ここからISの「首都」ラッカまでは直線で75キロ。現地に派遣されている米軍特殊部隊が運用し、SDFへの武器支援も行なっているものとみられる。どこからシリアまで飛んでくるかというと、基本的にはイラクにある基地といわれる。

オスプレイがシリアで作戦に投入されたと最初に報じられたのは、2015年5月。東部デリゾールで、米軍特殊部隊が初めてシリア領内で遂行した地上でのIS幹部の殺害作戦に、ブラックホーク・ヘリとともにオスプレイV-22が使われた。当時は一時的な作戦任務だったが、現在はシリア北部の発着場で米軍特殊部隊の移送や武器運搬として常時運用されるまでになっている。

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シリアのYPG・SDFとともにIS壊滅作戦を進める米軍部隊。派遣された人数は明らかにされていないが数百人規模といわれる。トランプ政権は、IS掃討をさらに強化すると表明しており、人員はさらに増派される見込みだ。映像は昨年クルド系メディアが報じたもの。派遣されているのは海兵隊特殊部隊と見られる。(クルディスタン24映像より)

オスプレイを始めとしたさまざまな兵器・武器の作戦投入によって、実戦データも蓄積されるだろう。どこの国でも軍隊は、最新兵器を欲しがるものである。軍需産業はたくさんの「顧客」の要望に応えるべく兵器開発を続ける。実戦での実証データがあるほど、兵器は洗練され、売りやすくもなる。ゆえに、戦争はいつの世もなくならないだろうし、それを利用しようとする大国の政治家や企業も消えることはない。第2次世界大戦以降、最大の難民を生んでいるこの21世紀の戦争はまた、実戦データを集める格好の場であり、最新兵器の見本市ともなっている。

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米軍主導の有志連合軍によるIS壊滅を目指す戦い「生来の決意作戦」に投入されているF-22ラプター。実戦での運用を重ねるほど、戦闘での実証データは集まり、改良や新兵器開発にもつながっている。イラク・シリアがその現場となっている。(有志連合軍・CJTF-OIR写真)

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トランプ大統領は1月21日、米中央情報局(CIA)本部でスピーチ。「(アメリカが)イラクに行くことに私は反対だったが、その後、イラクに入ってしまったのなら、そのあとが失敗だった。石油を我々が押さえておくべきだった。だからISが石油を奪ってしまった」と述べた。その石油はイラク政府のものではないかと思うのだが…。アメリカのイラク侵攻の建前は一応、大量破壊兵器の脅威だったのに、「石油は押さえておくべき」との本音トーク。あのときアメリカの建前に従って米軍のイラク攻撃を支持した日本の立場はどうなるのか。(ホワイトハウス公表映像より)

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2月21日、トランプ政権になって初めてイラクを訪問したマティス国防長官。先月のトランプ大統領のCIA本部での「石油発言」について記者に問われ、「石油を押さえるためにイラクに来たのではない」と弁明する羽目に。大統領の暴走トークのフォローをさせられるほうも大変である。写真はIS壊滅作戦を進める有志連合軍作戦司令部を訪れたマティス長官。(国防総省公表写真より)

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