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イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

【IS声明】トルコ・イスタンブール・ナイトクラブ襲撃事件・イスラム国(IS)声明(全文)

◆トルコを明確に「攻撃対象」と規定
1月1日、トルコ・イスタンブールで、ナイトクラブを狙った武装襲撃事件が発生し、39名が死亡、70名以上が負傷した。事件後、武装組織イスラム国(IS)は攻撃を認める声明を公表。事件は「バグダディ指導者の呼びかけに応えたもの」などとした。以下、声明全文。(一部意訳)

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声明は、1月2日付で出されている。トルコではIS関連とされる襲撃事件があいついでいるが、ISが明確にこの声明文の書式を使って「公式声明」として攻撃を認めたのは、これが初めてではないだろうか。(記憶違いだったらすみません) 米オーランドやドイツ・ベルリンでの事件ではISは襲撃への関与は認めたものの、こうした「公式声明」が出ていない。一方、パリベルギーでの襲撃事件では組織としての声明が出ており、同等の位置づけをしているとも推測される。画像はアラビア語の声明文。

イスタンブールのナイトクラブにおいて
偶像崇拝キリスト教祝祭で150名を殺傷

トルコ:1438年ラビゥラヒール月3日ヒジュラ暦 

十字架の守護者、トルコに対してイスラム国による祝福されし作戦が継続するなか、カリフ国の英雄的戦士のひとりが、キリスト教徒がその偶像崇拝祝祭を祝う最も有名なナイトクラブのひとつを攻撃し、手榴弾自動小銃によって150名を死傷させ、彼らの喜びを、悲嘆へと変えた。

作戦は全能のアッラーの宗教による報復としてなされたものであり、十字架の下僕たるトルコへの攻撃を呼びかけた信徒の長訳註:アブ・バクル・バグダディを指す)に応えてなされたものである。成功と恩寵をなしたアッラーに称讃あれ。

戦闘機と砲弾の爆撃によって流されるムスリムの血は、その故国(=トルコ)の心臓部を、アッラーの御許のもとに焼き尽くすものとなるのだと、トルコ背教政府に知らしめよ。 

アッラーはご自分の思うところに十分な力をお持ちになられる。だが人びとの多くはこれを知らない。訳註:コーラン:ユースフ章:21節)

万有の御主、アッラーに称讃あれ。

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これはトルコ語の声明文。これまでトルコではアンカラ・クルド系デモを狙った自爆攻撃(2015年10月・死者100名以上)やイスタンブール・アタチュルク空港襲撃(2016年6月・死者48名・実行犯含む)など、今回の事件よりも多くの犠牲者が出る事件が起きている。トルコ政府はISによるものと見ているが、IS側は沈黙してきた。今回、イスタンブール襲撃事件で明確に犯行声明を出し、トルコを攻撃対象と宣言としたことは、ひとつの転換点でもあるといえる。今後、トルコや関連機関を狙った攻撃が国内外でさらに増えることも懸念される。

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襲撃事件があったのは、イスタンブールボスポラス海峡に面する富裕層の多い地域。ここで新年を祝うためにクラブに集まっていた客が狙われた。襲撃で犠牲となったのは、トルコ人12人のほか、サウジ7人、イラクレバノン3人や、モロッコ、インド、ヨルダンなど様々な国籍に及んだ。高級クラブが多数ある場所で、事前に目標を選定していたことが伺える。画像は事件を伝えるトルコ紙が掲載したクラブ・レイナ。

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地元メディアが報じた実行犯の写真。入り口で警官を殺害し、建物内で客らに次々と発砲した。AK-47自動小銃から180発を発砲して逃走したと報じられているので、予備弾倉も複数準備した上で襲撃している。現場で銃を乱射したのは単独とされるが、武器の準備、実行から逃亡・潜伏先の確保など複数の協力者がいたのではないか。

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事件後、地元警察は容疑者とされる男の写真を公開。キルギス人、またはウズベク人、またはこれらの国籍を保有するウイグル人の可能性などメディア情報は錯綜。一斉捜索で十数人が事件関連容疑で拘束された。警察当局は1月9日、ウズベキスタン国籍のアブドルガディル・マシャリポフと特定。

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ISはこれまでにも機関誌や宣伝映像を通じてトルコやエルドアン政権を繰り返して批判してきた。だが、襲撃事件はあいついだものの、事件で「公式声明」は出されなかった。画像はISがトルコ語で発行してきた機関誌コンスタンティニイェ。現在は、各言語で出される機関誌ルミーヤ(Rumiyah)のトルコ語版に統一されたようで、コンスタンティニイェ誌は第7号(2016年8月発行)までで休止している。(画像はコンスタンティニイェ誌・第4号と第5号) ISによるトルコとエルドアン政権への批判については過去記事のIS動画参照>>

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今回のイスタンブール襲撃声明で言及された「信徒の長、バグダディの呼びかけ」は、昨年11月に出されたバグダディ声明と思われる。声明ではエルドアン大統領を写真入りで掲載、トルコ攻撃を呼びかけた。バグダディ声明・日本語訳全文>> 

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