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イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

〔トルコ〕クルド組織クルディスタン自由の鷹(TAK)、イスタンブールでの自爆攻撃(声明全文)

◆過激化するTAKの爆弾闘争~市民も巻き添えに 
今月10日にイスタンブールで起きた同時多発爆弾事件で、クルド武装組織「クルディスタン自由のタカ」(TAK)が攻撃を認める声明を出した。事件はサッカチーム「ベシクタシュ」のホームスタジアムのボーダフォン・アリーナ付近で発生し、警官37名を含む47名が死亡、100名を超える負傷者を出した。TAKはクルディスタン労働者党(PKK)から分岐したとされる組織だが、トルコ政府は一体の組織と見なしている。トルコではTAKやPKKによる攻撃が激化しており、今後、民間人も巻き込む爆弾事件がさらに増えることも予想される。以下は声明全文。

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12月10日にイスタンブールで起きた事件は、2回におよぶ同時多発爆弾攻撃。1回目の爆発は、爆弾を積んだ車両によるもので、サッカー試合後のスタジアム周辺での雑踏警備の警察機動隊バスを狙ったものと見られる。2回目の爆発は、マチカ公園での自爆によるもので、ジャケットとリュック姿の不審者が警官に静止された際、自爆したと報じられている。エルドアン大統領は声明で「PKK、ダアシュ(IS)、ギュレン派らのテロ組織は共通の目標を企図している」とした。事件発生から数日のうちにクルド系政党・人民民主党(HDP)の関係者ら200人以上がテロ関連容疑などで拘束されている。写真は事件を伝えるトルコ紙。

クルディスタン自由の鷹(TAK)声明文

報道機関ならびに社会世論へ

2016年12月10日22時30分、イスタンブールボーダフォン・アリーナスタジアムとマチカでの同時作戦が、わが烈士ティレジ報復隊によって遂行された。この作戦で、百数十名の警官、その他を死傷させ、自身を犠牲として捧げた2名の同志が勇敢にも烈士となった。烈士の氏名は後日、明らかにされる。
トルコ市民はTAKの直接的標的ではない。わが烈士ティレジ報復隊は、最大限の注意を払いながらこの作戦を遂行した。しかしながら、指導者アポ(=オジャラン)の拘留が続き、トルコ・AKP(=公正発展党)のファシズムが多くの母親たちを拷問し、クルディスタンで日々、少女の死体がさらされ、子供たちが虐殺される限り、トルコには安堵できる場所などない。トルコ市民は、このファシズムをただちに阻止しようと声を上げるべきである。AKPファシズムこそがこの混乱に一切の責任を負っているからである。
ファシズムはみずから幕引きをするか、さもなくば我々が辛辣なる状況に叩き込むかである。わが同志が流したすべての血は、TAKの自己犠牲戦士にとっての新たな行動のしるべである。

クルド人民に安寧あれ。この苛烈なる戦争の勝利者は我々である!
アポ(オジャラン)指導者万歳!
TAK万歳!

クルド人クルディスタン万歳!
烈士が死することはない!訳注:戦闘で死んだ同志の魂はいつまでも消えることはない)

クルディスタン自由の鷹

2016年12月11日

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イスタンブール連続爆弾事件でTAKが公表した声明。いまイスラム国(IS)との戦闘を戦うシリアのクルド組織・人民防衛隊(YPG)には、アメリカは特殊部隊を送り、武器援助までして支援をしている。トルコ政府はTAK-PKK-YPGは実質的に一体の組織としている。対IS戦でYPGを「テロと戦う自由戦士」と描く欧米メディアもあるなか、その母体となったPKKは、トルコで民間人まで巻き込む闘争を激化させている。これまでにもPKKは政治的好機にあるときに、突然、闘争を過激化させたり、停戦を破棄するなどしてきた。このPKK特有の政治・戦術の手法には穏健なクルド人政治家からも批判が出ている。PKK組織関係図はこちらを参照

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今回の声明では一連の作戦を「烈士ティレジ報復隊」によるものとしている。烈士ティレジとは、11月24日、アダナでの自爆攻撃(死者2名・負傷者30名以上)で死亡したティレジ・デリルの名を指す。この攻撃ではTAKはアダナ県知事を標的としたとしている。ティレジは組織内の名で、本名はマルディン・ヌサイビン出身のムサ・エズデミル(20)とTAKは公表。

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TAKは12月20日、後続声明を出し、12月10日のイスタンブール連続爆弾攻撃実行犯2名の氏名を経歴とともに公表。写真左・組織名シェルヴァン・ショレシュ・デルウィシュ(27・本名カドリ・キリンチ、マルディン出身)と、写真右・組織名アンドク・セルハット(20・本名ブラク・ヤヴズ、ウルファ出身)とし、いずれも「闘争に殉じた烈士」などとしている。TAKはPKKのオジャラン指導者への支持を繰り返し表明している。

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