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イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

【シリア民主軍声明・全文】イスラム国(IS)壊滅へ向けたラッカ攻略作戦・第2段階へ

◆「ユーフラテスの憤怒作戦」第2段階はラッカ西方攻略目指す
イスラム国(IS)の事実上の「首都」ラッカの攻略をめざすシリア民主軍(SDF)とそれを構成する合同部隊は、12月10日、ラッカ解放へ向けた「ユーフラテスの憤怒作戦」が第2段階に入ったとする声明を公表した。解放作戦の第1段階は11月6日に開始され、これまでに多数の村や町がISから解放されたとしている。以下は声明全文。(一部意訳)

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シリア民主軍(SDF)のもとに編成される合同部隊。クルド・人民防衛隊(YPG)が主導しているが、解放作戦はアラブ人を含むラッカ出身者が担うことを強調。ISに代わってクルド勢力がラッカを統治するのではないことを印象付けようとしている。写真中央の女性はクルド人のジハン・シェイク・エヘメド作戦室報道官。(SDF写真)

シリア民主軍(SDF)声明(2016/12/10)

【ユーフラテスの憤怒作戦・第2段階開始に関する声明】

ユーフラテスの憤怒作戦の第1段階は、成功裏に遂行された。700平方キロにわたる地域の村、町、戦略的幹道をこれまでに解放し、ラッカ北部近郊部のテロ組織ダアシュ(=IS)の防衛ラインは打ち破られた。 

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SDFには各派が合流。アラブ人、クルド人トルクメンのほかにキリスト教徒なども加わっているが、主導するのはYPGである。(SDF写真)

わが部隊は、安全道を確保し、多数の住民が解放地域に向かう保護避難路を設置した。

このたびSDF軍事評議会の作戦会議において、本作戦を第2段階へと移行することが決定された。この第2段階の目標は、ラッカ西方地域の解放と包囲である。ここに広く伝えるべきことは、ユーフラテスの憤怒作戦はさらに強化されるということである。これにはデリゾール軍事評議会、「シリアの明日運動」の部隊、ならびにラッカ革命旅団指揮下のもとに新たに編成された戦闘部隊が加わり、国際有志連合軍による訓練を受けたラッカ出身の1500人が合流する。

国際有志連合と我々の連携はひきつづき継続され、成果をもたらすものとなることを強調する。本作戦の第2段階においては、テロの壊滅へ向けて、さらに強力な連携のもとに進められる。

ユーフラテスの憤怒作戦においてラッカの解放と近郊地域の防衛の主体となるのはラッカの者たちであり、ラッカ解放以降においては、(社会のすべての構成機関が加わる)市民行政機構が行政を担うこととなる。

ラッカとその近郊の住民に対しては、わが部隊が到着するまで、ダアシュが展開する地域から遠ざかるよう呼びかける。

本作戦の第1段階においてラッカの住民と諸部族が示した協力と歓迎に、我々は心から感謝の意を表明する。

テロ組織ダアシュから、ラッカとその近郊地域の完全な解放を勝ち取るため、わが部隊へのさらなる協力と支援、そしてわが戦列に加わることを求めるものである。

シリア民主軍(SDF) 総司令部
「ユーフラテスの憤怒」作戦室
2016年12月10日

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2106年12月上旬頃のラッカ近郊の状況。SDFはラッカまで約40~50キロまで迫っている。ユーフラテスの憤怒作戦・第2段階では、ラッカ西部から展開し、村や町を解放しながらIS掃討を進めるとしている。(地図はSDF・YPGなどの情報をもとに作成)

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ユーフラテスの憤怒作戦でラッカに向けて進撃するSDF部隊。クルド勢力は、ラッカからISを駆逐したあとにアラブ人を追い出してクルド化させようとはしているわけではない。だが、この地域に強い影響力を行使することで、シリア情勢、さらにはトルコに対し、また国際社会で政治的存在感を高めたいという思惑がある。軍事と政治を計算しながら動いているのは、米露、シリア、トルコなども同様である。(SDF写真)

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ラッカ攻略へ向けた作戦は、近郊の村や町からの住民の避難路を作る形で進められてきた。有志連合の空爆支援を受けながらの合同作戦だが、一方で爆撃の巻き添えとなる住民も出ている。ISは「ムスリム住民を殺す十字軍の非道」と宣伝に利用。戦闘のはざまで逃れることのできない住民も少なくない。写真は脱出住民に水や食料を配るYPG戦闘員。(YPG写真)

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肩を組み踊って出撃前の志気を高める戦闘員たち。(SDF写真)

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ISが広大な地域の支配を短期間に固めたのは、地方部族を押さえたことが大きかった。地元部族がどちらにつくかは戦局を左右する。写真はSDFのラッカ攻略作戦に協力を表明した部族代表。部族にとっては、どんな組織が領地にやってこようと、軍事力のある強者に従うしかない現実がある。(SDF写真)

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ユーフラテスの憤怒作戦・第2段階に入り、前線に展開するSDF部隊。(SDF写真)

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