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イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

〔トルコ〕クルド組織クルディスタン自由の鷹(TAK)、ディヤルバクル警察施設への自爆攻撃 (声明全文)

◆各国・各組織声明文 ◆クルド関連 ◆IS関連

◆警官含む多数の市民が死傷
11月4日、トルコ南東部ディヤルバクルで警察施設への自爆車両攻撃が発生、警官を含む9人が死亡した。この事件では、イスラム国(IS)系メディア・アマーク通信が「ISによる攻撃」と報じたが、11月6日、クルド武装組織「クルディスタン自由のタカ」(TAK)が犯行を認める声明を公表、「トルコ政府、エルドアン政権に対する攻撃」などとした。以下は声明全文。

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11月4日に起きたディヤルバクルでの爆弾車両による爆破攻撃。一般市民まで巻き込んだ自爆攻撃には、クルド人からも批判的な意見があいついでいるが、TAKは「攻撃の原因を生んでいるのはトルコ政府・エルドアン政権である」などとし、過激な闘争を正当化している。(地元メディア写真)

クルディスタン自由の鷹(TAK)声明文

報道機関ならびに社会世論へ
クルディスタン自由の鷹(TAK)による2016年11月4日夜08:00時にアメッド(ディヤルバクル)・バウラール地区での作戦遂行

ケマル・ハッカリ同志は、2016年11月4日、アメッド(ディヤルバクル)・バウラール地区での警察・特殊部隊施設に対し、自己犠牲作戦を敢行した。

この作戦において、多数の警官が死亡した。作戦は、ファシスト・トルコ国家とその支配政党AKP(公正発展党)犯罪集団によるクルディスタンでの占領、破壊、虐殺という一連の政策と、トルコの民主、左派、社会勢力に対する強硬な弾圧と攻撃に対してなされたものである。

わがTAK戦士ケマル・ハッカリの自己犠牲作戦によってファシストAKP犯罪集団、十数人が死亡した。トルコ国家とその報道機関は、この作戦の戦果をあらゆる手立てで大衆から隠さんとした。ファシスト警察集団に人質として囚われていたDBP(民主地域党)チュンギュシュ地区レジャイ・アルタイ共同代表が、この作戦において亡くなった。

レジャイ・アルタイを狙ったものではなく、彼があの場所に拘留されることになっていたことを我々は知ることができなかったとここに周知するものであり、彼の死については遺憾とするところである。

我々はTAKとして、ファシスト・殺戮国家トルコとその関連機関に対し、あらゆる場所で多様な手法をもって反撃するであろう。

アポ(オジャラン)指導者万歳
TAK人民報復部隊万歳

ファシスト・トルコ国家とAKP政府打倒
クルディスタン自由の鷹
2016年11月6日

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TAKがサイト上で公開した声明(11月6日付)。右上がオジャランPKK指導者。PKKと同様に、自爆攻撃を「自己犠牲作戦」と呼んでいる。TAKの攻撃と声明公表の手法としては、まず犯行を認める声明を出し、期間をおいて、自爆攻撃を敢行した戦闘員を「烈士」として氏名を公表するスタイルがとられている。その烈士の名をさらに次の自爆攻撃の作戦名に冠するという「流れ」がある。TAKはクルディスタン労働者党(PKK)から分岐した組織とされるが、トルコ政府はPKKと一体とみている。

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今回の事件では爆弾車両にバンが使われた。現場は一般住宅が近く、多数の市民が死傷した。写真は自爆攻撃で殉職した警官の葬儀。流血の事態は深刻化する一方だ。(ディヤルバクル県公表写真)

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この事件では、直後にIS系メディアのアマーク通信が「ディヤルバクルでの警察署爆破はイスラム国戦闘員によるもの」と報じたものの、TAKが今回の声明を出した。当局は、「事件直前の通信傍受などから分離主義テロ組織によるもの」とし、TAK-PKKの犯行と見ているが、ISがなぜ犯行を主張したかは不明。ISがTAKの攻撃を自分たちの「戦果」と扱うのは、攻撃を取り違えた組織内の情報の混乱か、あるいは宣伝戦術か。ISは、トルコがシリア北部に越境し、ISと交戦していることをめぐって「トルコを攻撃せよ」と機関誌などで呼びかけている。写真上はアマーク通信がトルコ語で配信した「速報」。下はディヤルバクル爆弾事件後にネット上に出回った宣伝画像。「アッラーの助けを請い、トルコを攻撃し混乱に陥れよ」などとある。

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