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イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

動画【アルカイダ声明全文】日本語訳・「9・11事件から15周年に際して」 ザワヒリ司令官

◆各国・各組織声明文 ◆IS以外の武装組織

9・11事件から15年を前に、武装組織アル・カイダザワヒリ司令官はビデオ声明を発表した。9・11事件から始まったアメリカの「テロとの戦い」は、米国史上もっとも長い戦争となっている。日本は今後、米軍の戦略に組み入れられるかたちで、その関与の度合いを深めることになる。いつ終わるか分からない戦争に関わろうとしているのに、アルカイダがどんな思考のもとに何を狙っているのか、を多くが知らない。これが今回、アルカイダが出した声明である。もちろん、こうした思想は一部の過激派の主張であるが、過激事件が各地であいついでるのも事実だ。世界はこの問題とどう対峙すべきか。オバマ大統領の9・11事件から15年に際しての演説も参照を 。 (一部意訳・テキストはザワヒリ声明部分のみで、おもに英語版から訳出。挿入されている詩とかはさすがに難しい。動画はビンラディン、マルコムXの部分も含め翻訳)

【動画】アルカイダザワヒリ司令官「9・11攻撃戦から15周年に際して」(19:48) 【転載禁止】

ビンラディンの死後、後継者としてアルカイダ司令官となったアイマン・ザワヒリは、エジプト人の元医師。米国務省は、2500万ドル(約25億円)の懸賞金をかけている。ISのバグダディ指導者は1000万ドル(約10億円)なので、2.5倍の金額だ。今回のザワヒリ声明動画では、マルコムXのスピーチが挿入されている。これは初めてではなく、2007年と、オバマが大統領に就任する直前(2008年末)にも同様にザワヒリ声明で使われた。白人のために働く黒人を指弾した箇所を挿入しているが、オバマが任期を終えようとするいま、再び使った意図は不明。声明での「アフリカ人」は、米国内のアフリカ系アメリカ人を指す。また、カリフ制についても触れ、「正しく導かれしカリフ制」とする部分は、カリフを独自に名乗るバグダディを「正当ではない」と批判していると読み取れる。13分めでニワトリの鳴き声のような音がかすかに聞こえ、農村地域での潜伏も伺わせる。用語の説明については、以下のテキストの訳註参照。

不正義に挑む者たち
「9・11攻撃戦から15周年に際して」
アイマン・ザワヒリ
アッラーよ、彼を守りたまえ)

アッラーの御名において アッラーにすべての称讃あれ。
アッラーの使徒ムハンマドとそのご家族、ご教友と従者たちに祝福と平安あれ。
各地のムスリム同胞よ、諸君に平安とアッラーの慈悲と祝福のあらんことを。
以下、かくのごとく:

ワシントン、ニューヨーク、ペンシルヴァニアでの祝福されし攻撃戦から15年を迎える。あの一連の祝福されし攻撃戦は、当節の「フバル神」たる軍事司令部に対し、壊滅的な打撃を与えたのである。

訳註:フバル神=イスラム化以前にメッカを含むアラビア半島で信仰されていた「月の神」で、当時のイスラムにおいて偶像崇拝とされ、破壊の対象となってきた)

そしてその最大の経済的象徴を崩壊させ、また、殉教攻撃に臨んだ大鷲たちの編隊の4つめは、ホワイトハウスあるいは議会議事堂の悪逆の兇徒どもに向いつつあったのである。

一連の祝福されし攻撃戦をもって、ジハード戦士はムスリム聖戦のウンマ訳註:イスラム共同体またはその民)と、世俗物質主義に満ちた敵、十字軍との対峙的均衡を回復させたのである。ソ連解体以降、アメリカは、世界を単独支配し、その意志を全世界に、とりわけムスリムに押し付けることを夢想した。

この攻撃戦の一撃は、傲慢なるアメリカの顔面を叩きのめし、あの者どもが置かれた現実を思い知らせた。すなわち、慈悲あまねく宗教を前にして、彼らは悪魔の手に握られた弱々しき道具にすぎないのだということをである。

高貴至極の真実の御方アッラーはこう仰せになった。

【信仰ある人びとは、アッラーの道に勇んで戦い、信なきものどもは邪神の道に戦う。されば悪魔の手先どもに戦いを挑め。まこと悪魔の策略など、ものの数ではないぞ】(婦人章:76節)

この一撃は、ムスリムの民がついに目覚め、ジハードに立ち上がり、屈辱を味わった時代が終わりを告げ、あらゆる犯罪行為はその代償を支払わねばならぬということを、アメリカの悪逆の兇徒たちに思い知らしめることになった。そして、アッラーの恩寵のもと、9月11日で高い代価を支払わせたのだ。その深い傷から吹き出る血はいまだ止まらず、体を打ち震わせているのである。アメリカ、あるいはその同盟国も、これを隠し通したり、軽んじることなどできぬ。彼らが幾代を経ようとも、アッラーの御許のもと、事件の記憶を消し去ることなどできはしない。

この一撃は、ムスリムの民が、攻撃に対しては反撃戦をもって応えることができるのだという潜在性を示し、敵対関係を維持し、悪逆の徒を前に降伏したり、軟弱な姿勢をとることなどないのだと知らしめた。

攻撃は、ムスリムの民が、アッラーに認められたる権能と力を有していることを思い知らせた。それが成したこととは、不正義に立ち向かい、「NO!」と宣言する姿勢であり、圧政者に対し、こう宣告することであった。「お前たちは勝つことなどできぬし、我々の意志を敗北させることはできぬ。我々はお前たちを阻止するために、ひたすら追い詰めつつある」と。

我々は、アッラーの使徒(彼に祝福と平安あれ)の教友たちの末門に続く徒であり、その我らの導師ハサンアッラーよ、彼らすべてを嘉みたまえ)はこうお述べになった。

彼らは、導きと真義の預言者に従った -
彼らが寄せる支持は、遅れなすこともなく、やむこともない

彼らの行軍は怯むことはなかった -
十字架を掲げる者ども、その忠誠を誓いたる者への報復を彼らが遂げるまで

さすれば、戦争で敵意は収まるだろう -
善悪の対決のなかで、悪は悪へと堕ちたゆえに

名誉は、かくたる者にこそある、アッラーの使徒がその指揮官 -
熱望と宗派が隔てられしとき

一連の祝福されし攻撃戦は、物質主義と世俗思想にまみれた西側、すなわち欲望、享楽、権益にまみれた西側に対して、誰が戦いを挑み、ジハードを仕掛けているのかを、はっきりと思い知らせた。

これこそ、ムスリムの民であり、一神教の民なのだ! 多神崇拝の輩徒どもよ!
これこそ、信仰心厚き民なのだ! 利得と享楽に浸る輩どもよ!
これこそ、ジハードと殉教の民なのだ! 傲慢と略奪の輩どもよ!
これこそ、高潔と道徳の民なのだ! 零落と姦淫の輩どもよ!
これこそ、尊厳と栄光の民なのだ! 利潤と見せかけの輩どもよ!
これこそ、叡智至高のコーランの民なのだ! 無神論にまみれ、啓典を歪曲する輩どもよ!

ゆえにアメリカに対する我々のメッセージは、日輪のごとく明確であり、剣の刃先のごとく尖鋭である。9・11事件は、お前たちが我々になした罪の結果なのだ。パレスチナアフガニスタンイラク、シャム(シリア・レバント地域)、マリ、ソマリア、イエメン、イスラムマグリブ(モロッコ・アルジェリア地域)、エジプトでのお前たちのあまたの罪、ムスリムの地の占領、富の略奪、これらの地を統治する腐敗した殺戮者といった犯罪集団への援助の結果なのだ。お前たちの犯罪が続く限り、アッラーの御許のもと、9・11は幾千回も繰り返されるだろう。お前たちが攻撃をやめぬなら、最後の審判の日まで、お前たちを追い込むであろう。

お前たちがいかに自身を欺こうとも、事実はより強く、鮮明に記され、その虚構よりも明白なのである。ここに現れしはジハード戦士たちであり、その力は日ごとに強化されている。ここに現れしはジハードの覚醒であり、アッラーの恩寵のもと、いまその力は、あの祝福されし攻撃戦の何倍もの勢いとなっているのだ。

いまやジハード戦士は西アフリカから東インドネシアにまで広がり、お前たちと戦っている。アッラームスリムの民とジハード戦士たちに全幅の祝福をもって迎え、とりわけアル・カイダを高貴至高の預言者(彼に祝福と平安あれ)のためになす報復の名誉に授かる祝福をお与えになった。そして、フランスとバングラデシュで、預言者の名誉に背いた冒涜者に、その罪を繰り返さないと求めた。彼らが戻るなら、アッラーの恩寵のもと、我々もかくのごとく対処するであろう。

各地のジハード戦士の兄弟同胞たちよ。ムスリムへのアッラーは祝福をもって、教導者、オサマ・ビン・ラディンアッラーよ、彼に慈悲を与えたまえ)と、その同胞が経験を獲得し、ジハード戦士とムスリムがその大道へのお導きに尽力することをお受け入れになった。

1:現代の「フバル神」たるアメリカとその結託者に対しては、その者どもの膝元において、あらゆる手段で戦闘を仕掛ける方途を追及する。アッラーの恩寵のもと、「フバル神」アメリカが、打ち倒されたなら、その追従者もまた打ち倒される。これが今日の武装せるジハード戦の優先事項であり、アッラーはその命運をよくご存知である。

2:イスラム首長国への忠誠をもって、ジハード戦士の隊伍を統一し、また、これをムスリムに呼びかけける。

3:虐げられた民衆の革命を支援し、イスラム統治を求める革命に立ち上がるよう呼びかける。またその指導者や名士を召請し、賢者の評議会の中核を結成する。それは、共同体の民のみがその教導者を選び、それに責任を負い、またその者の任を解く権利を有するからである。

わがムスリムの民については、こう言おう。諸君の統治者は、十字軍同盟とサファウィ世俗集団 - すなわちアメリカと西側に率いられた同盟の手に落ちた道具となり果てたことが、いまや明らかとなった。訳註:「サファウィ」はイラン・シーア派に対する侮蔑的呼称)

これら統治者は教えに背いたのだと宣し、その醜い顔から裏切りの仮面を剥ぎ取るまで、諸君に救済の道はない。

ムスリムの民よ、諸君が見てきたのは、腐敗し、屈服した体制、その信仰と世界の喪失といった妥協の果てに行き着いた末路である。シャリーアイスラム法を排斥した者、そしてその敵どもがいかにそれを棄て去り、獄舎の奥底へと投げ込んできたかを、諸君らは自身の眼で見てきたではないか。

おお、ムスリムの民よ、諸君の救済の道は教宣とジハードである。コーランは導き、剣が支える。

おお、ムスリムの民よ、諸君の真の兵士こそジハード戦士の息子たち。諸君からいかなる報酬も、いや謝意さえも求めぬ者たち。諸君の承認や評議会の取り決めなしに自身を統治者として振舞うことのなき者たち。信仰を支えるために現世と決別した者たち。正しく導かれしカリフ制のもとに諸君に自由な生と名誉を与えんと望む者たち。コーランとスンナ、そしてこれまでの歴代カリフたちアッラーよ、彼らを嘉みたまえ)の正しき道に従いし者たち。ハッジャージ・ブン・ユスフの法や、傲慢なる抑圧者ども、すなわちシャリーアの裁きから逃亡すべく専心し、背信行為にふけり、殺戮し、信仰の禁を犯し、ムスリムの共同体を奪わんとする輩どもを拒否し、戒める者たち。

おお、ムスリムの民よ。アル・カイダは組織である前に、メッセージである。そのメッセージは諸君に発せられた。アッラーの御許のもと、我々は誡告入念であり、逸脱や我欲や信仰の尊厳への攻撃に対しては毅然たり続ける。

おお、イスラムのジハード戦士たちよ。サファウィ-十字軍の結託同盟が仕掛ける世俗攻撃に対しては、統一と不屈あるのみ。これに対峙せぬというなら、我々はいつ団結するというのか?

おお、ムスリムの民よ。アメリカの手先は、諸君がなしたイスラムのための革命への献身を奪いとった。それは、諸君を殺戮へと至らしめ、オオカミの餌食としたのである。なぜなら彼らは、(アメリカの)従者どもにヒツジとして育てられたからである。オオカミに楯突くことなきヒツジだ。だが、オオカミはライオンによって仕留められる。ライオンは背教や裏切り、服従や物乞い、不信仰者の選挙や世俗憲法のもとの体制の懐に生きることはない。ライオンが生きる場所とは、まごうことなき一神教のもとであり、ジハードの塹壕であり、戦場であるのだ。

ゆえに、おお、わが民よ、ライオンのごとく立ち上がれ。息子たちを若きライオンたる素質を備えるべく育て上げよ。手先ども、兵士ども、アメリカの追従者どもよ。我々のお前たちに対する戦いは、長期にわたるものであり、我らはヘビの頭に狙いをしっかりと定め、その照準をはずすことはない。

だが、戦争とはつねにそこに相応しき者を求めるものである。我々が法学者から学んだことは、不信仰者よりも罪重きは背教徒だということだ。シャリーアが我々に教えたことは、この召請はムスリムだけでなく、全人類に向けられたものということである。世界の抑圧された者すべてに言おう。アメリカこそがあらゆる辛苦災禍の根源なのだと。

この地上の悪の頭目であり、すべての民衆の生活の略奪者であり、今日にいたってなおも米国内のアフリカ人訳註:アフリカ系アメリカ人を指す)を侮蔑する者たちである。法律や憲法などをもっていかに改革をとりつくろうとも、それは見せ掛けだ。なぜなら、法律は支配的白人の手にあるのであり、その思いのままに変えられるからだ。アフリカ人は、イスラムによってのみ救済される。

イスラムにおいては白人か、黒人か、褐色か黄色などは関係がない。誰もが御主のシャリーアのもとに従い、人種、肌の色で分けることはない。

おお、イブン・アブドラよ、寛容さは貴方がお作りになりました -
導きかれし宗派の真実をもって
訳註:イブン・アブドラ=預言者ムハンマドを指す)

いざ、貴方の示した統治に続きましょうぞ 
大衆と指導者の隔てなきところ

安息の宗教、そしてカリフ制への忠誠 -
シューラ(評議会)がとりなすその儀と権利

すべての称讃は万有の御主アッラーにある。これが我らの結びの礼り。
我らの師、アッラーの使徒ムハンマド、ご家族、ご教友に平安とアッラーの祝福あれ。

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