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イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

【イスラム国(IS)声明・日本語訳】「アドナニ広報官の殉教」

◆「アドナニ広報官がアレッポ県で死亡」とIS声明
イスラム国(IS)は8月30日付で声明を出し、同組織の最高幹部の一人、アブ・ムハンマド・ アル・アドナニ広報官が死亡したことを伝えた。声明では、軍事作戦視察中の「殉教」とするだけで、詳細は記述されていない。通常、IS幹部が死亡した場合 は、そうした情報が米軍などから出されてもしばらく伏せられることも多く、今回、IS側から突然、「速報」として死亡が発表されたことには異例とも言える。以下はIS声明全文。(英語版から訳出・一部意訳・コーランの引用は岩波版から)

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アドナニ広報官の死を伝えるIS機関誌アン・ナバア(第45号)。IS最高幹部のひとり、アブ・ムハンマド・アドナニ広報官の死を「殉教」として伝えている。アレッポ県(シリア)で軍事作戦視察中に死亡としている。声明発行の日付「ヒジュラ歴1437年ズーアル・カアダ月26日」は、2016年8月30日を指す。IS関連の公報物では、アドナニ広報官の顔の多くがぼかしを入れられたものだったが、今回、はっきりとした顔写真を掲載している。2014年にIS映像に顔をぼかして登場したときの動画(サイクス・ピコ・国境の解体)>>

イスラム国 報道官、ジハード戦士
アブ・ムハンマド・アル・アドナニ師の殉教
<速報・アレッポ県>

1437年ズーアル・カアダ月26日

慈悲あまねく 慈愛深きアッラーの御名において

万有の御主、アッラーに称讃あれ。預言者ムハンマドとそのご家族、ご教友たちに祝福と平安あれ。

アッラーはこう仰せになった: 【汝らが傷を受けるなら、相手も同等の傷を受けておる。こんなふうに勝つ日、負ける日をアッラーはかわるがわる人々の間におつかわしになる。それで本当の信仰をもった者は誰々かということもおわかりになり、また汝らの中から証人をお作りにもなられるというわけだ。アッラーは不義なす者どもを好み給わぬぞ。またこの方法でアッラーは信者たちを磨き上げ、信仰なき者どもを払拭し給う。汝ら、誰が一生懸命に戦い、誰がよく苦境にも堪えたかいうことをアッラーが御存知ないうちに、天国に入れるとでも思っているのか】(イムラーン家章:140 – 142節)

長きにわたる旅路と、不信仰の徒党たちとの戦いののち、勇敢なる騎士、アブ・ムハンマド・アル・アドナニ・アッ・シャーミーは、殉教した指導者らの隊列に加わるために、その馬から降りることとなった。その隊列とは、ジハードに立ち上がり、アッラーの大道で耐え、アッラーの敵どもに立ち向かった勇敢なる男たちの隊列、イスラムの前線を守り、死が彼らを待ち受けるなか、その真実を宣した隊列である。 師は、アレッポ県で軍事作戦を視察中に、その馬から降りることとなった。

我らが帰依し、立ち帰りしアッラーへ。フサイニ・クライシ・シェイクをアッラーがお受入れになり、天国の高き位階にお迎え入れになり、秀でたる盟伴たち、すなわち預言者たち、誠実なる者たち、殉教者たち、正しき者たちのおそばでともに住まわされになるよう請い願う。アッラーが、 我らのためにこの辛苦をやわらげていただき、彼よりもさらに秀でたる者を置き換えになられ、彼(師)が自らそれをお望みだったごとく、殉教者の間に師を お迎え入れになり、大いなる報奨を彼にお授けになり、彼の家族と兄弟たちをお癒しになって、師をお受入れになるよう請い願う。

不信仰の宗教と十字架の保持者たる薄汚き臆病者どもに、この者どもの夜を打ち砕く報せを我々は届けよう。それはイスラム国において、威力と不屈のもと、屈辱を受け入れぬ世代が出でつつあるという報せである。

彼らは生きることより、死ぬことを愛する者たちである。この現世と決別し、来世にアッラーがお約束になったものを願いし者たちである。彼らの指導者たちの血は、ジハードの大道における不屈さを強めさせ、そして敵どもへの復讐と、その者どもに打ち降りかかることを厳として求める決意を強めさせるのみである。

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IS公式声明は、アル・ナバの紙面と同じ内容となっている。アレッポ県のアル・バブで死亡したのではないかとされているが、アル・バブは先日陥落したマンビジのすぐ近くの町だ。なぜ最高幹部のひとりであるアドナニがそこにいたのか、声明が異例の速さで出たのかなど、まだ不明な部分も多い。IS内部のアドナニに反対する勢力が、意図的に彼の所在情報が米軍に流れるように仕向け、空爆の標的となったのではないかとまで推測してしまう。

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国防総省は、有志連合軍が8月30日、シリア北部のアル・バブで、アドナニ報道官を標的とした空爆をしたことを明らかにしている。もし事前に位置を特定した上で空爆したなら、地上に情報要員がいたか、IS無線を傍受するなどして空爆を遂行とたとも考えられる。

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