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イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

【IS動画・日本語訳】イスラム国(IS) ドイツ・ヴュルツブルクでのナイフ襲撃事件

◆IS関連 ◆各国・各組織声明文

◆17歳の難民少年がISに「忠誠」
7月18日、ドイツ・バイエルン州ヴュルツブルクで難民少年による襲撃事件が起きた。列車内でナイフと斧で市民を次々に襲い、5人に重軽傷を負わせたのはアフガニスタン出身の難民少年だった。少年は警察部隊によって射殺された。事件後、武装組織イスラム国(IS)系のアマーク通信は、本人とみられる映像メッセージを公開した。映像では、容疑者と見られる少年がIS指導者バグダディ師への忠誠を表明している。ISの組織的関与というよりも、ネットなどで感化された「単独型襲撃」と見られる。

【動画・日本語訳】ドイツ・ヴュルツブルクでの刃物による襲撃事件(一部意訳)
未成年の少年であるが、あえて字幕動画にする。少年は2015年、単身でドイツにやってきたアフガンからの難民だった。17歳といえば、日本では高校生だ。数年前までISの名前すら知らなかっただろう。ネットを通してしか見たことのないカリフを名乗るバグダディに「忠誠」を表明し、ドイツで市民を標的にした。難民の少年までも感化させ、憎悪へと駆り立てるIS。世界はこの過激主義とどう向き合うべきか。

少年は17歳と報じられている。だとするとアメリカがアフガニスタンに戦争を開始した2001年、彼はおそらく2歳だったはずだ。9・11事件で始まった「テロとの戦い」は、15年に及び、いまも続いている。アメリカ建国史上、もっとも長いこの戦争は、いま世界に広がった。オバマはアフガンとイラクでの戦争を終結させる出口戦略を掲げたが、結局、その「出口」なきまま、任期を終える。ブッシュの戦争は、オバマを経て、次の大統領に引き継がれることになる。なんでもアメリカが悪い、とすれば簡単だし、そういう「答え」を望む人もいるのだろうが、そういう問題ではなくなっている。様々な国の思惑がからみあい、戦争は終わらぬまま市民の犠牲と難民だけが増える結果となった。日本は一連の戦争にどういう立場だったか、そして今後、どう向き合うのか。あらためて考えさせられる。

f:id:ronahi:20160728170017j:plain少年は、ナイフと斧を持ち、列車内で乗客をあいついで襲撃。重軽傷を負ったのはおもに香港からの観光客だった。少年は警察によって射殺された。(地元メディア映像)

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一部の過激な事例をもって全体化すべきではないだろうし、難民を何万も受け入れて、過激な事件が起きていない国もある。難民として庇護を受けて助かったたくさんの命もある。だが今回のような事件が繰り返されれば、ドイツだけでなくヨーロッパの難民受け入れをめぐる議論に影響を与えるだろう。ドイツ連邦移民・難民局(BAMF)は、移民や難民が過激主義に感化されるのを防ぐため、家族や友人らが変化に気付いたらすぐに相談できる専門機関を案内している。また多言語によるパンフレットも配布。宗教上の信仰と、過激主義をきちんと見極めることや、過激思想に傾倒した青年らを救った実例をあげて解説している。英語PDFはこちら(連邦移民・難民局) >>>

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写真はタリバン政権崩壊後にアフガニスタン・カブールに派遣されたドイツ連邦軍。当時、アフガン人は、ようやく内戦が終わり、貧困や戦乱に苦しまない暮らしができる、と期待していた。タリバン政権は崩壊し、新政権が成立したものの、その後、組織としてのタリバンは存続し、それに加えていまISがアフガンでも登場し、自爆攻撃などを繰り返している。(2002年・カブール・撮影:坂本)

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