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イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

【IS動画・日本語訳】バングラデシュ・ダッカ襲撃事件・イスラム国(IS)戦闘員が襲撃を称賛

◆各国・各組織声明文 ◆IS関連

◆「攻撃は続く」とIS地域のバングラデシュ人戦闘員

7 月6日、武装組織イスラム国(IS)はバングラデシュ・ダッカでの襲撃事件に関する映像を公開した。映像は「ベンガルのカリフ国の騎士たちへ」と題され、IS支配地域にいるとみられるバングラデシュ人戦闘員3人が登場し、襲撃事件を称賛するメッセージを述べている。(カリフ国とはバグダディ師をカリフとするイスラム国を指す)
さらにバングラデシュ政府を「背教者」とし、戦いはこれからも続くと宣言。日本人については触れていない。以下はその映像。(翻訳は意訳しています)

【動画・日本語訳】「ベンガルのカリフ国の騎士たちへ」(ラッカ) (一部意訳・転載禁止)
映像に登場する最初の戦闘員、アブ・イサ・ベンガリについてバングラデシュのメディアは本名タハミド・ラハマン・シャフィではないかと推定している。ダッカBRAC大学で経営学を学び、一時期は携帯電話グラミンフォンで働いていたようだと報じている。また、父親は選挙管理委員だったとも伝えている。映像からIS支配地域に複数のバングラデシュ人戦闘員がいることがあらためて確認されることとなった。ISが「首都」とするシリア・ラッカ県から出されており、戦闘員らはいずれもラッカかその近郊にいると思われる。

映像の冒頭では、IS広報官アブ・ムハンマド・アル・アドナニの声による5・21声明が挿入されている。各国での市民無差別殺傷を呼びかけたこの声明が、フロリダ銃乱射、パリ警官夫婦殺害、そしてバングラデシュ襲撃事件につながったことをISが認めたものとなっている。アドナニ5・21声明リンク>>

シリアとイラクでISは支配地域を失いつつあり、劣勢が伝えられるなか、各国の共鳴組織や個人の「決起」を促し、地元での武装攻撃を激化させる可能性もある。

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ダッカ襲撃事件に加わった5人の青年たちについて伝える地元メディア。死亡した戦闘員のひとり、ニブラス・イスラム(組織名アブ・ムハリブ・アル・ベンガリ)のフェイスブックからは、過激な事件を起こすような雰囲気は感じさせない。

今回の事件では犠牲者の中に日本人7人が含まれていたが、日本人を最初から標的としたというより、外国人が集まる場所に日本人もいたという状況だったのではないか。一方、昨年10月、ラングプールでの星邦男さん殺害は日本人と特定した上で狙っている。

後藤健二さんら日本人人質殺害事件後にISは機関誌ダービクで繰り返し安倍首相を名指しで批判したが、たとえば民主党政権であってもISにとって日本は十字軍同盟国であり、「敵」と見なされる。野党は事件を安倍政権批判の材料にし、他方、政府・与党は将来の自衛隊出動の理由に使おうとする。後藤健二さんの事件のときと同じだ。政治の思惑で事件を利用するのではなく、IS情報をきちんと分析し、冷静に今後の対策を検討することが重要だろう。

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写真は地元メディアが襲撃事件を報じたもの。国籍別の死者は、イタリア人(9)、日本人(7)、バングラデシュ人(5)、インド人(1)、アメリカ人(1)、警官(2)。(死亡した実行犯は除く)

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現場制圧後、警察当局が公表した実行犯5人の遺体。宗教の名の下に市民を殺傷し、「殉教すれば天国に行ける」と若者を死に駆り立てる過激主義にどう向き合うべきか。(一部をぼかしています)

不気味なのは、後藤健二さんら殺害の際に、ISが日本批判の文書で「平和憲法小泉政権自衛隊派遣」などの用語を使い、日本の外交政策を詳述していた点だ。日本について相当の政治知識がないと書けない内容であり、こうした文章を書ける人物がIS内部か、日本人協力者の可能性も含めてブレーンとして存在していることを示している。

彼らから日本攻撃についての規定や指示が出され、それをもとに行動が起こされる事態も想定される。ISは各地での攻撃を呼びかけており、東南アジアなど日系企業が多い場所で駐在員が標的となるかもしれない。
日本人人質殺害事件(2015/02)後の「ダービク誌7号」日本語訳 >>

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