イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

【IS声明・日本語訳】イスラム国(IS)アブ・ムハンマド・アドナニ声明(全文)【2】後編

◆欧米での攻撃呼びかけ~「市民を標的に」とも
前回に続き、武装組織イスラム国(IS)が公開した音声声明の後編。タイトルの「生き長らえる者も明証によって生き長らえさせるためである」はコーランの一節から。ISはコーランの文言を都合よく抜き出して、戦いに宗教的意義と権威を与えている。一般のイスラム教徒にとっては、市民殺戮を呼びかけるこうした過激な声明は信仰とは無縁のものである。声明の結びにアッラーへの嘆願のような文章が繰り返されるのは、対IS包囲網がせばめられつつあることを意識しているとも受けとめられる。市民殺傷に関する箇所は、こちらで赤い文字で示したした部分。【英語版をもとに翻訳。一部意訳。難解すぎて微妙なニュアンスは訳せてないところもあると思います(坂本)】 【声明前編(1)】はこちら >>

前回(1)からの続き

ムスリムたちよ、【死ぬ者に明証(を見せた)あとに死なせ、生き長らえる者も明証によって生き長らえさせるためである】(戦利品章:42節)

邪悪なる法学者たち、ドルやディナール守銭奴たち、魔術使いどもの評議会、偽信者、請負手先人、さらにはこの者らが偽るファトワ(宗教令)の数々。これらはすべてはっきりと明らかになった。アッラーの御意のもと、あの者たちが認める疑念の正体は明白になり、もうこれからは、あの者たちはその主人たちに利益をもたらすこともないのである。いかに必死になって動き回ろうとも、あらの者たちは敗北するであろう。だれもがあの者たちの現実を知っている。あの者どもの主人たちが力を獲得し、民への締め付けを強めるとき、彼らはファトワを発し、自身に従うことを強い、他方で、その不服従とジハードの戦いに立つことを禁じるのだ。あの者たちがいかに不信仰、専制、誤り、腐敗の蔓延の極みに陥ろうともである。ジハード戦士がいくつかの町で拠点を獲得し、アッラーによって明示されたごとく、そこで統治をおこなったとき、あの者どもは血を逆流させるほどに怒りを炸裂させ、汚物を吐き出しながら、ファトワを発した。それはジハード戦士に従わさせず、戦わさせるためであり、追放するためであり、根絶させるためであるのだ。ムスリムの血がどれだけ流れようとも、破壊がもたらされようともである。ましてや不信仰者から支援を求めつつ、一連の行為を推奨してさえしている。

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アドナニは本名タハ・スブヒ・ファラーハ。2005年にイラクで駐留軍にアンバル県で逮捕されたが、2010年に釈放されたと報じられている。写真下は、拘束されて黄色い拘置服を着ているもの。米国務省はアドナニを「特定テロリスト」に指定し、500万ドル(=約5億3千万円)と高額な懸賞金をかけている。1月に空爆で死亡と伝えられたが、ISは認めていない。今回の声明が5月に出されたものならば、アドナニの健在を示すものとなる。

不信仰者がムスリムに対し、殺戮、拷問、破壊、土地からの追放をなそうとも、これら法学者は、耳目をふさぎ、沈黙を決め込んでいる。ファトワも、非難も、 批判も出されることはない。他方、ジハード戦士が遠くの地で不信仰者を殺し、戒律的な罪を犯したなどとみなせば、無知蒙昧なる驢馬ロバどもは騒ぎ立て、恥も外聞もなく、群れをなして一斉に非難、批判を始め、(犠牲者に)哀悼を表し、悲嘆の嗚咽を見せて回るのである。圧政の支配者が、ムスリムの地を蹂躙し、イスラムを根絶やしにしたとき、これら邪悪なる法学者どもは、それを遂行する側に回れども、これを防衛するためのいかなる「明証」すら残さなかった。そして、ただその意味を書き換え、誤魔化しで塗り固め、ひたすら収奪の側に回った。ジハード戦士が信仰規範を実践し、スン二を再興させ、統治を導入し、ハッド刑訳註:コーランが規定する身体罰を含む刑罰)を確立したのは、巨塔に鎮座するイスラム法学者が人びとをアッラーの道から遠ざけておくために、(ジハード戦士に対し)誤謬を説き、口汚く非難し、批判し、疑念を拡散させたゆえなのだ。

邪悪なる法学者よ、お前たちに災厄あれ。審判の日、その隠しごとが審問に付される日、お前たちにいかなる弁明も与えられぬ。お前たちに災厄あれ! お前たちは(コーランの)真理の言葉の意味を書き換え、虚偽で上書きした。お前たちは、イスラムの慈悲の意味を、不信仰者、圧政者、多神教徒を同盟者として取り込むものと据え換えたのだ! お前たちは、ムスリムの地の懐にある軍事基地に対する攻撃を、ズィンマー訳註:イスラム政権下における非ムスリムの庇護民)の民と難民を作り出すことに置き換えたのだ! お前たちは、不信仰と民主主義の多神崇拝を、正統なるシューラ訳註:イスラムにおける協議)の形体などとしたのだ! お前たちは、真実を前に否定することを恐れて、その真実に沈黙し、虚偽を受け入れさせ、称賛に値する忍耐だなどとしたのだ!

お前たちは、背教支配者を結託盟友として抑圧者に委ねることを、英知、辛抱、正しき分別の形体だなどと置き換えたのだ! お前たちは、背教専制支配者に対し真実を告げることを、これら権力にある者に対する反乱行為だなどとすり替えたのだ! お前たちはアッラーが明示したことを覆い隠し、ジハードを禁じ、ジハードの決起召請を、暴乱と同義のものへと落としこめたのだ! お前たちは、敵たる不信仰者を殺すことを、(ジハード戦士の)尊き流血を容認するものへと同義にさせたのだ! お前たちは、正義によって立つジハード戦士を、ハワリージュ派の背教行為などとしたのだ! 無神論の世俗派、民族主義者、民主主義者、アメリカの手先、そして彼らの飼い犬どもよ。お前たちの行為の帰結として、ジハード戦士が登場したである! 圧政を信じぬことを、深刻なフィトナ訳註:イスラムにおける内部対立や迫害)へと変質させ、ワラーゥ・バラ訳註:信仰忠誠と、その敵に対すること)を犯罪にし、専制、背教者、無神論支配者を、教導者や正義の権威者、ムスリムの統治者であるなどとしたのがお前たちなのだ! アッラーの啓典を後ろに隠し、コーランに書かれたアッラーのお言葉を、はした金で売り払い、アッラーの啓示とその信仰を棄て去ったのだ。背教者よ、お前たちが装うのは、犬のごときそれであり、驢馬ロバが本を携えているごとくのものである。お前たちは、お導きを、誤った道へと導きへ、お赦しを罰へと売り払った。お前たちの上には、アッラーと天使と全人類からの呪いがある。

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「債務の日」の債権者のもとへと我らは向かう
訴訟の者がアッラーの御元に集まる
知るだろう、我らが明日、会った時、御主の前に
誰が責められるべきか

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ムスリムよ!まこと、我々は領土を守るため、あるいは領土を解放するため、その地を統制するためにジハードを始めたのではない。権力や過渡的なちっぽけな位置を獲得するために戦っているのではないし、また散らばる瓦礫のなかに失われつつある世界のためでもない。もし我らの到達点が積み上げられた瓦礫の先にあるのだとするなら、我々はあらゆる宗派、教義、人びとをもってこの世界と戦ってはいなかっただろう。もし我々を相手に戦う者を1人でも変えさせることができるなら、我ら自身を問題から救うために、そうしていたであろう。だが、我らのコーランは、全世界と戦うことを求めているのだ。そこにいっさいの例外はない。我らは、御主の法統治の確立以外のことは何をなしてもいない。もしそれが選択の問題ならば、我らは変わったであろう。もし我々が従っていたのが少数の意見で、そのために戦っていたのだとしたら、我々は、それを取りやめていただろう。これらが思いつき程度だったならば、我々は別のものに振り替えていただろう。もしそれが政体であったならば、我々はそれに適合させたであろう。もしそれが何らかの運であったならば、議論したであろう。もしそれが命運であったならば、甘んじて受け入れたであろう。だが、これが、コーランと我らの預言者(祝福と平安あれ)のお導きによるものであるならば【それで御主からの明証の上にいる者と、自分の悪行を立派なものと考え、私欲に従う者とが同じであろうか】ムハンマド章:14節)

我が御主がこう仰せになったことが、我々をここへと突き動かした。【戦いがあなたがたに規定される】(雌牛章:216節) 【あなたがたは奮起して、軽く、あるいは重く(備えて)出動せよ】(悔悟章:41節) アッラーと使徒の呼びかけに応えなさい。アッラーが(使徒を通じて)あなたがたを(現世と来世で)生かすために呼びかけたときは】(戦利品章:24節) 【あなたがたはどうして、アッラーの道のために戦わないのか】(婦人章:75節) 【あなたがたが奮起して出動しないならば、彼は痛ましい懲罰をもって懲らしめ】 (悔悟章:39節)  【決して彼らに背を向けてはならない】(戦利品章:15節) 多神教徒が皆であなたがたと戦うように、(あなたがたも)皆で戦え】(悔悟章:36節) 【あなたがたは彼らを恐れるのか。いや、信者ならば、アッラーをこそ、もっとも畏れるべきである】(悔悟章:13節) 【彼らと戦え。アッラーはあなたがたの手によって、彼らを罰する】(悔悟章:14節) 【アッラーも終末の日も信じぬ者たちと戦え。またアッラーと使徒から、禁じられたことを守らず、啓典を受けていながら真理の教えを認めない者たちには、彼らが進んでジズヤ(税)を納め、屈服するまで戦え】 (悔悟章:29節) 【あなたがたが不信仰者と(戦場で)まみえる時は、(彼らの)首を打ち切れ】ムハンマド章:4節) 【だから、迫害と奸計がなくなるまで、また(彼らの)教えがすべてアッラーを示すまで、彼らと戦え】(戦利品章:39節)

我々は、教えがすべてがアッラーを示すまで戦い、そして戦い、また戦う。我々は、人びとがアッラーの教えやアッラーシャリーア訳註:イスラム法を受け入れるよう請うたりはしないだろう。その者が受け入れることのできるもの、それがアッラーシャリーアである。それを嫌う者、受け入れぬ者、拒否する者があれども、我々は続けるだけである。これがアッラーの教えである。無神論者は不信仰の輩であり、彼らのいっさいを否定せよと我々は告げるだろう。我々は、背教徒と多神教徒を敵とみなし、憎悪する。【イブラヒムや彼とともにいた者たちのことで、あなたがたのために本当に良い模範がある。彼らが自分の人びとに言ったときを思い起こせ。「本当にわたしたちは、あなたがたとあなたがたがアッラーを差し置いて崇拝するものとは、何のかかわりもない、あなたがたとは絶縁する。私たちとあなたがたの間には、あなたがたがアッラーだけを信じるようになるまで、永遠の敵意と憎悪があるばかりである」】(試問される章:4節)

国民軍事評議会、民主勢力、世俗派勢力などの背教徒や無神論者どもと我々が同盟を交わすなどできないし、またイスラムの名を騙る背教集団がこれまで成してきたような、後支えもできぬ。アッラーは仰せになった。【あなたがたのなか、誰でも、彼らを仲間とする者は、彼らの同類である】(食卓章:51節) 【啓典のなかで、あなたがたに確かに訓戒した。もしアッラーの印が拒否され、または嘲笑されるのをあなたがたが耳にするならば、彼らが外の話に移るまで彼らと同席してはならない。あなたがたが(同席)したならば、彼らと同類になる。本当にアッラーは偽信者と不信仰の者を、すべて地獄の業火の中に集められる】(婦人章:141節)(訳註:141節となっているが、140節の引用の誤表記と思われる)

我々はこの者たちに媚びへつらったり、見過ごすことはできぬ。だからこそ、シリアのアルカイダ組織である脱落一派「棄教戦線」訳註:ヌスラ戦線に対する蔑称)がなしてきたごとくに、多神崇拝を拒否せず、敵対規定を宣さず、憎まず、同胞意識や愛や忠義にまみれるようなことを我々はしないのだ。もし我々が不信仰者に敵対意識や憎しみを示さないのであれば、その信仰におけるワラーゥ・バラァ(イスラムへの忠誠と、その敵に対すること)は失われることになるだろう。そして、不信仰者が信仰者訳註:ムスリムのこと)にまみえることになるであろう。
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信仰とは口先だけのこと、礼拝と戦闘は誰とでもともに、
お前たちはかくのごとく思っている。
信仰を憎む者どもと「平和を成し交われ」などというのか?
邪の道に至った罪人たちの言う、
愛、憎しみ、信仰忠誠と敵対が果たして何たるかを知れ
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【信じない者たちも互いに守護しあっている。あなたがたがそうしないならば、地上の治安は乱れて大変な退廃が起こるだろう】(戦利品章:73節) 

もし正しき先人のなかに、大衆の支持があると主張したり、建物の破壊や流血を防ぐためとして、あるいはその他の利害を持ち出して、不信仰者に土地の一部を差し出した者がいたならば、我々は愚鈍なるアルカイダが自身のいわゆる自称ウンマイスラム共同体)で成したのと同じことをしていたかもしれない。だが、これは名誉ある高貴なるコーランであり、純然たるスンニであり、正義の方途であり、一神教の教えであり、いっさいの妥協も修正も受け入れられるものではないのだ。たたとえ農作物がダメージを受け、家屋建物が破壊されようとも、名誉が汚されようとも、住民が殺され、血が流れようとも、我々は死ぬまで戦うであろう。

我々にあるのは、崇高なる主人を戴く信仰の力のもとに生きるか、名誉のために死するかである。イスラム国の兵士たちよ!隠しだてなく明白となりしは、十字軍アメリカと結託同盟者は、そのすべての不信仰者の国々の後ろ盾のもと、諸君らの地の背教徒を全面に押し出しながら、諸君らに敵対し、脅威となるべく参集し、動員されたということである。イスラム国の終焉は近づいている、と連日、あの者たちは言い、その宣伝を大いなる一撃とせんとしている。あの者どもは諸君らを恐怖せしめ脅かそうとしている。だがアッラーはこう仰せになっている。【アッラーはその下僕にとって万全(な守護者)ではないか。だが彼らは彼以外(の神々)をもって、あなたを脅かそうとする。アッラーが迷うに任せた(このような)者には導きはありえない。アッラーが導く者を、迷わせる者は誰もいない。アッラーは(その御意志を実現なされる)偉力ならびなき御方であり、応報の主である】(集団章:36-37節)

まったくその通り!アッラーのもとには下僕が満ちている。アッラーこそ偉力ならびなき御方であり、応報の主である!いっさいの大権はアッラーにある。もし諸君らがアッラーの信仰者であり、そのために奮闘する者たるならば、それが何であろうとも、アッラーをおいて何ら恐れるべきものはない。アッラーの他には、いかなるものも、諸君らの下に置かれている。アッラーの他には、あらゆるものは、消え往く力であり、弱きものであり、脆きものであるのだ。我らがイスラム国の建国を布告したときから、背教者、十字軍の輩徒、無神論者どもは、(イスラム国を)たちまちにして破壊できると思ってきた。そして幾多の策略を張り巡らせながら、たび重なる戦争を仕掛けてきた。だが、その攻撃のたびに反撃が加えられ、彼らは消耗の淵で敗北を続けた。そのたびに、アッラーはあの者どもを不名誉にまみれさせた。ゆえに、あの者どもの脅迫は何ら目新しいものではなく、あの者どもの不名誉は遠きにあるものではない。さらに、状況が日々刻々と変わるなか、戦争は続いているのだ。我々がわずかの領土や権力を守るために戦っていると思っている者、ゆえにそれが勝利の基準だなどと思うものは、真実からかけ離れた迷える者である。

我らはアッラーに従いて戦い、アッラーの近き御元に歩み寄らんとする者である。ゆえに勝利とは、我らの信仰の偉力のもとに生きるか、その途上で死するかである。アッラーが我らに確固たる祝福をお与えになるか、我らがむき出しの広大な砂漠へと追われて移るか。これらには何の違いもない。我らの1人が獄舎に連れて行かれるか、あるいは、家族とともに安穏に暮らすかに何の違いもない。我らが傷を追うことなく無事でいて、戦利品を手にするか、傷を負って殺されるか、そこに何の違いもない。勝利とは ― 我らからすれば ― ジハード戦士として生きるか、圧政を信じぬか、ワラーゥ・バラァ(イスラムへの忠誠と、その敵に対すること)を成就させるか、信仰を確固として立ち現すかということである。これがもし成されるのであれば、我々はいかなる状況であってもすでに勝利を手にしているのだ。これこそアッラーの御意の厳然たる事実であり、ただの口先のスローガンなどではない。イスラム国と指導者たちへの忠義に満ちた兵士たちは、このスローガンを、自らの血をもって書き刻んできたのである。これと異なる考えを持つ者は、たとえその者が我が隊伍にあったとしても、それは我々の者ではない。そのような者は必ず、いずれ放逐され、去ることになる。

【だから来世のために、現世の生活を捨てる者に、アッラーの道のために戦わせなさい。アッラーの道のために戦った者には、殺害された者でも、また勝利を得た者でも、我は必ず大いなる報奨を与えるであろう】(婦人章:74節)

アブドッラー・ビン・アムル(アッラーよ、彼を嘉したまえ)はこう伝えている。アッラーの使徒(祝福と平安あれ)はこう申された。「(アッラーの道のために)遠征する軍隊の大小を問わず、それに参加し戦利品を得て無事帰還すれば、彼らは既に報酬の3分の2をあらかじめ得てしまったことになる。また遠征する軍隊の大小を問わずそれに参加し、戦利品もなく苦闘し傷ついて帰る者たちには(後世にて)完全な報酬が与えられるであろう」】(言行録:サヒーフ・ムスリム

ゆえにイスラム国の兵士たちよ、自らを振り返り、意志を固めよ!思想に立ち返れ!そして、アッラーの下に、まこと明確なるお導きを授かり、欺かれてはこなかったことに諸君らが支持を得ているという報せにいざ喜べ! 我々は欺かれてはこなかったのだ。アル・サルールども訳注:サウジアラビアサウード家に対する蔑称)に、アッラーの御意のもと、まもなく危害が振りかかかると報せてやれ。アッラーがお望みなら、あの者どもこそ、まず最初に打ち倒されるべき者。

ナーフィウ・ビン・ウトバ(アッラーよ、彼を嘉したまえ)はこう伝えている。アッラーの使徒(祝福と平安あれ)がこうお話しになっているのを聞いた。「あなたたちがアラビア半島の地を攻撃すれば、アッラーはその征服を可能になさる。 その後、ペルシアを攻めれば、アッラーはそれを可能となさる。 その後、さらにローマを攻めれば、アッラーはそれの征服も可能となさる。 そして、その後になってダッジャールを攻撃すれば、アッラーは彼を征服することを可能ならしめてくださる】(言行録:サヒーフ・ムスリム

アラビア半島の征服の意味については、そのフィクフ訳註:イスラム法学)において過去、見解が異なってきたが、今日、それはまったくにして明瞭なものとなった!我らの預言者(祝福と平安あれ)は、誠実であられ、嘘をつくことはなかった。決意せよ!いざ、決意せよ!諸君は、このウンマイスラム共同体)を代表し、すべての国々を相手に戦っている。諸君らが断固たる決意であれば、必ずや勝利するであろう。もし尻込みするならば、諸君らは負け、敗北するだろう。諸君らの前に待ち受けるは、幾多の戦闘である。それは破綻者や臆病者どもにとってなすすべなきものであり、戦闘と戦争こそが物資を得る源である。自らを整え、準備せよ。アッラーからの報酬を求め、これに浴するべく、各自がアッラーの道で戦うことを願え。アッラーの御意のもと、あらゆる地で不信仰者にとって苦難の月とせよ。我らはこれをとりわけヨーロッパとアメリカの、カリフ国訳註:イスラム国のこと)の兵士とその支持者に向けて発するものである。

アッラーの下僕たちよ、唯一神信仰者たちよ!もし圧政者どもが、諸君らの目前で(イスラム国地域への)移住の道を閉ざすならば、圧政者どもの懐においてジハードへの道を開くのだ。諸君らが成すものを、圧政者の後悔の源とせよ。まこと、あの者どもの地において諸君らが成すものは小さきことであろうと、我らがこの地で成すこと大いなること以上のものであり、より歓迎されることである。我らにとっては、効果以上の効果をもたらし、あの者どもに損失以上の損失を与えるものとなる。もし諸君らがイスラム国の地に至りたいと願う思いがあるなら、我々が諸君らに望むのは、諸君らの地で、十字軍どもが昼夜問わず、自分の隣人が互いに信じれなくなるまでに怯えさせ、恐怖とテロの中へと叩き込むような例を作り出すことである。もし諸君らの中でそれらをできない者がいたとしても、十字軍どもの地で石を投げることを重んじるべきであり、いかなる営為も過小に評価してはならぬ。その結果はジハード戦士たちにとっては大いなるものであり、その効果は不信仰者にとって深刻な害を与えるものとなるのだ。

軍事的標的に達成できる能力がないだとか、あるいは、いわゆる「市民」を狙うことを誤りと捉え、危害を加えることに躊躇し、それが許されるべきかどうかに疑念を抱き、行動に移さない者がいると、我々は聞き知っている。交戦国たる十字軍どもの地の内部においては、流血から逃れられるいかなる聖域もなく、「無辜の市民」など存在しないということを知るべきである。数々の証拠が示すとおり、武装、非武装の隔てなく、男女の区別なく、戦闘機が(攻撃を)我らに仕掛けてきた。ならば我々も彼らに対して、それ相応に立ち向かうべきである。いわゆる「市民」と呼ばれる者を諸君らが狙うことをこそ我々は歓迎し、それこそ効果的なのである。それはあの者どもに、より多大な損害と苦痛を与え、大いなる抑止力となるからである。あらゆる地の唯一神信仰者たちよ、前進せよ!諸君こそ、(アッラーの)大いなる報奨を授かる者となるのであり、断食月ラマダン)の期間に、殉教する誉れに浴する者となるかも知れぬのだ。

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ひたすらアッラーの御元へと駆け勇む
タクワ(訳註:アッラーを意識し畏れ、またその下に自己を自覚すること)を除き
来世のために献身し、ジハードに際したるはアッラーの忍従の徒とならん
タクワ、義務、正しきお導きをおいて
その空乏を規定するものはない

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おお、アッラーよ!我らを断食月へと至らしめよ。あなたの服従のもとにある我らを助けたまえ。我らを確固たる揺るぎなきものに。おお、アッラーよ!あなた以外に我らが畏れるものはない。我らはあなたのお赦しとご満悦のみを請い求める。おお、アッラーよ!全世界が結託し、我らに立ち向かってきました、アッラーよ!我らが御主こそアッラーと言ったがために、あの者どもは我らに敵対したのです!ゆえにあの者どもから我らをお守りください、アッラーよ!あなたのみにこそ庇護を請い求めます。アッラーよ、我らをお守りください!あなたをおいて助けを請う御方はおりませぬ。おお、アッラーよ!アメリカとユダヤ人、十字軍ども、ラフィダ訳註:シーア派に対する蔑称)無神論者、各勢力、諸戦線、背教一派の結託同盟者たち、そしてヌサイリ(アサド政権)とその一味 ー あなたに立ち向かうすべての敵に対し、我らをお支えください。あなたへの信仰を超えるものはありませぬ。あなたをこそ讃えん。まこと我らは抑圧者のなかに置かれてきました。アッラーよ、預言者ムハンマドと、ご家族、ご教友の御元に礼拝者を遣わしたまえ。万有の御主、アッラーにこそすべての称讃あれ。

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アドナニ声明をパソコンで再生して戦闘員らが聞く様子を伝えるIS広報写真。場所は、イラクのジャヌーブ県となっている。「ジャヌーブ県」とはISが勝手に命名して作った県である。ジャヌーブは南部をさすが、シーア派が占める南部にISの主要な支配地域はなく、バグダッド南西またはアンバル南部のごく一部がISのとってのジャヌーブ県となっている。(IS写真)

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アドナニ声明が印刷されパンフでも配布されたことを紹介するIS広報写真。声明が難解なのは、宗教的権威を持たせるためにコーランの引用を織り込んでいるためだろう。かつて左翼セクトが出版物で、マルクスの文献や難解な政治用語を使っていたような感じといったところである。(IS写真)

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中央にいるのは先日死亡が伝えられたアブ・ワヒブ司令官。その右に立つのはアブ・ムハンマド・アドナニとされる。米国務省の機関が「特定テロリスト」に指定し、懸賞金500万ドル(約5億5千万円)をかけて追ってきた。

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