イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

〔イラク〕米特殊部隊SEAL隊員、ISとの戦闘で死亡

イラク北部ペシュメルガ拠点で交戦~IS自作装甲車の不気味

5月3日、イラク北部でクルド地域政府ペシュメルガ部隊を支援していた米海軍特殊部隊SEAL隊員1名が武装組織イスラム国(IS)との戦闘で死亡した。ISは大部隊を投入し、ペシュメルガと対峙していたモスル北部タル・アスクフを急襲。ISの台頭をうけて2014年夏に米軍顧問らをイラクに派遣してから戦闘での死者は3人目となる。この日の戦闘では隊員のほかにペシュメルガ兵10人が死亡。他方、米軍機などの空爆でIS側には50名以上の死者が出たと報じられている。

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死亡したSEALのチャールズ・キーティング隊員(31歳・1等兵曹)。戦闘があったのは、モスルの北約28キロにある町タル・アスクフ。隊員らは町の近郊でペシュメルガ部隊とともに交戦。米軍は戦闘機やドローンでIS拠点を空爆、町は奪還された。

英ガーディアン紙が入手した動画。SEAL隊員がISと交戦している様子が映っている。顔にモザイクがかかっているのが、SEAL隊員と思われる。

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地元クルドテレビ(ルダウ)は、隊員は救援ヘリで病院に運ばれたが死亡と伝えている。

この日の戦闘については、IS側も写真を公開している。おそらく同じ地点での戦闘。鉄板で装甲を施した不気味な車両が多数並んでいるのが分かる。上空の戦闘機に向けて対空射撃している様子も映っている。説明には「モスル北部の背教者ペシュメルガ基地に向けて進撃するカリフ国兵士」とある。(以下の写真はIS側が公表したもの)

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車体番号には「1004」。別の映像で同様の車両が確認されているが、「ニナワ県・殉教者小隊」とあるのでその部隊の車両ではないだろうか。フロントガラスはハンヴィーからとりはずした防弾ガラスと思われる。フロントのフェンスは対戦車ロケット砲対策だろう。タイヤ部分をすっぽり覆う装甲になっている。ニナワでは「攻略大隊」が同様の車両を使っているので、モスルに量産化工場があると推測される。

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こちらの車体番号は「502」。

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車体はハンヴィーに見えるが、ボンネット部分やドアが「魔改造」された装甲になっているようだ。何台も同様の車両が並び、量産化されていることが伺える。

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この日の戦闘では、SEAL隊員が交戦し死亡したこともあり、緊急支援が要請された。米軍は戦闘機のほかに爆撃機やドローンで30地点以上を爆撃。戦闘は早朝に始まり、夜遅くまで続いたと地元メディアは伝えている。

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