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イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

【動画】歌から読み解くシリア・イラクでの戦争(13) イスラム国(IS) ウイグル語ナシード~過激映像織り込み「カリフ国の正統性」歌う

◆IS関連 ◆歌から読み解く戦争

◆残虐映像も増加
歌というのはプロパガンダにとって本当に効果的な道具だ。くりかえされる節回し、刻まれるリズムそのままに、メッセージが頭の中に入り込んでくる。ゆえに、それが過激組織の宣伝に使われていると、恐怖の旋律が心に刻まれることになる。この歌もそのひとつと言えるだろう。

〔動画〕「唯一神信仰者よ、唱和せよ」(ウイグル語)【転載禁止】
(残酷映像部分にボカシを入れていますが一部過激映像も含まれます)

歌詞は英語字幕から訳出。テンポが速いのでかなり意訳をしたが、抑圧されたムスリムアッラーの為のジハードに立ち上がり、圧政に立ち向かい、ついに預言者の道に従うカリフ制を再興させたのだという、今の「イスラム国」にいたるすべてのメッセージが歌詞と映像にすべて込められている。そして最後は「このカリフ国に移住をなそう」と結ばれる。(「唱和せよ」とは、アッラーは偉大なり、と唱えること)

f:id:ronahi:20160408230006j:plainシリア内戦に加わっているウイグル人はかなりいると思われる。なかでもアルカイダ系のトルキスタン・イスラム党(TiP)はヌスラ戦線などと関係を作り連携してきた。ウイグル・コミュニティからの志願者に加え、子どもも含めた家族でのシリア入りもなされた。写真は「シリアのトルキスタン・イスラム党」のもので、多数の子どもがいるのがわかる。(Islam Awaziより)

f:id:ronahi:20160408230111j:plainこちらはIS支配地域にいるウイグル人。ISが急拡大したのは2013年頃で、ウイグル人ムスリムの「取り込み」には出遅れた感がある。だが「カリフ国建設」という明確な目標を掲げてヒジュラとして「支配地域への移住」に宗教的意義を持たせて家族移住受け入れを進めたことで、ウイグル人の獲得に成功したと見られる。写真はシリア・アレッポ県下でマンビジにいると思われるウイグル人の子ども。トルキスタンからやって来たと話す。(シリア・アレッポ県・IS映像)

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支配地域への移住を促すISは各国からの家族を受け入れているため、女児も多数いる。写真はウイグル人を含む様々な地域からの子どもたちが学ぶ学校。アラビア語のほか、コーランなどの授業も行なわれているようだ。ISを壊滅したとしても、こうした子どもたちを含む家族を母国がどう受け入れ、ケアしてゆくのか、将来、大きな課題となるだろう。(シリア・アレッポ県・IS映像)

今月、イスラム国(IS)が公開したウイグル語によるナシード(宗教歌)を訳出してみた。元の映像は3分だが、こちらで半分の長さにまとめた。短いながら、歌と映像でたくさんのメッセージが入っている。

以前、ウイグル語ナシード「来たれ友よ」を取り上げたが、そこではシリア・イラクに建設されたカリフ国(イスラム国)に移住をなした各国からの戦闘員や子どもたちの笑顔あふれる姿が映し出されていた。今回は、殺戮や斬首映像がかなり入っていて、編集でカットしたが後藤健二さんの映像もあった。

これまでISのプロパガンダの斬首映像では、首を切り落とす瞬間だけは黒い画面にして見せないようにしたものが見受けられたのだが、昨年暮れあたりから、首を切り落として血が噴き出すような光景も意図的に映像に盛り込むものが増えている。

もちろん斬首映像を公開するというだけでも残酷で尋常ではない。ところが最近はそれに加えて切り落とす瞬間や嗚咽の様子まで見せ付けるようにしている。それはISが軍事的に追い込まれつつあることの裏返しなのかもしれない。暴走した過激主義がどこへ向かうのか。

これまでも繰り返して書いてきたが、ナシードとはアッラーや自然への賛美も織り込んだイスラム聖歌であり、ISのような殺戮行為を称える歌ではない。また中国で弾圧されるウイグル人がISに参加することで今度はシリアで異教徒や住民を抑圧する側に立っていることや、主要な亡命ウイグル人組織がISの過激主義とウイグル人の人権運動とは別ものとしている点も押さえておくべきだろう。
この「ナシード」は非常に重苦しい気持ちにさせられた。

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