イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

【IS動画・日本語訳】イスラム国(IS)少年戦闘員を養成し、「褒美」としてスパイ処刑を強要

 ◆子どもに処刑強要、拉致したヤズディ少年にも殺害させる
ISの残虐行為のひとつを伝えるために、昨年11月に公開された映像に字幕を付けた。コーランの読誦大会や格闘競技をさせて、優秀な成績を収めた子どもたちを選び、その「ご褒美」としてスパイを殺させるというものだ。

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〔動画〕少年戦闘員養成と処刑強要 14分24秒 (シリア・デリゾール近郊・転載禁止)
(残酷映像にはボカシを入れていますが一部過激なシーンも含まれます)
タイトルに「ユダヤの息子(子孫)どもへ」とあるのは、この残虐映像はユダヤへの警告だ、という意味。出てくるのは、まだ幼い少年たち5人で、シリア政府軍協力者された男たちを次々と処刑していく残酷な映像だ。この過激組織がどれほど残虐なことをしているかを知っておいてほしい。

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「スパイ処刑」をさせられる子どもたちは、各国からIS地域に親とともに「移住」してきたと見られる。モロッコ、エジプト、タジキスタントルキスタンウイグル)などだ。メッセージの言語もそれぞれ母国語だ。こうした子どもたちもISの被害者であり、ISを壊滅に追い込んだとしても、子どもの救出・保護や母国への帰還も課題となるだろう。(IS映像))

映像を見て「こんな野蛮な集団は空爆で殺してしまえ」とする主張も出るだろう。だが、爆弾を落とす先にはこうして捕らわれている子どもたちもいる。彼らもISの被害者である。さらにISは空爆されないよう民家の近くに分散して拠点を置いたりする。そして空爆で住民に犠牲が出ると、「アメリカがやった」と宣伝する。IS壊滅の難しさはここにある。
ISはこれまで取材してきたどんな組織とも違う。宣伝動画に感化されてシリア入りして、後悔した欧米の青年も少なくない。だが気づいた時にはもう遅い。

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映像が撮影されたのはシリア東部デリゾール近郊で、迷路ゲームのように殺人をさせられる場所は、13世紀のマムルーク朝時代に建てられたラハバ城と思われる。宣伝映像のために複数のカメラを城内に設置し、さらにドローンで空撮までして子どもによる「処刑シーン」を最大限に演出している。(写真はwikipediaより)

ヨーロッパからシリアに入り、ISに参加したが、組織実態に幻滅したり、IS治安部門にスパイと疑われて拷問され死んだ者も少なくない。
ISはいまもSNSに様々な仕掛けをして、リクルート活動をしている。IS入りしようとした日本人がいたが、興味本位やネタであっても、ツイッターフェイスブックでメッセージを送ったりすることも含めて、彼らには近づこうとしないでほしい。

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最後に登場するサルマン・シンジャーリと名乗る少年はイラク・シンジャルで拉致されたヤズディ教徒である。彼だけわざわざ「解放奴隷」とつけられているのは、「異教徒奴隷だったがISが改宗させて救ってあげた」という意味で強調したと見られる。母親やきょうだいも連行されている可能性がある。これまでIS地域から脱出できたヤズディ少年の話を総合すると、女性は奴隷・強制結婚させられ、少年は戦闘員訓練施設に入れられている。施設では命令を聞かなければ家族・兄弟を殺すと脅され、殺人訓練を強いられている。この映像では彼は最も凄惨なナイフによる斬首をさせられている。生きるために人間の首を切り落さなければならなかったヤズディ少年はどれだけ辛かったことか。(IS映像)

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少年を集めて銃を渡す戦闘員(写真左)は、のちに同性愛行為が発覚して処罰されたとクルド・メディアは伝えている。サウジアラビア出身のアブ・ザイド・アル・ジャジラウィという名で、「軽微な性行為」と伝えられているので、どこまでのレベルか不明であるが、行為を受けた15歳の少年はデリゾ-ルで病院の屋上から突き落とされて処刑されたと言われる。一方、この戦闘員は処刑はされなかったものの、鞭打ち罰を与えられたのち、「イラクの最前線送り」となったと報じられている。(IS映像)