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イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

【動画・日本語訳】エルドアン・トルコ大統領 2016新年メッセージ

◆各国・各組織声明文

【動画・日本語訳】エルドアン・トルコ大統領 2016新年メッセージ
(2015/12/31 トルコ大統領府)

トルコのエルドアン大統領の新年メッセージ2016。(一部意訳)
本来は大使館とかが翻訳動画を公開してくれたりしたら、日本の多くの人がトルコの立場を知ることができると思うと残念なところ。

トルコは、2015年、大国民議会(国会)の総選挙を2回やった。選挙というのは民主主義では民意を問うものながら、1回目の結果を「なかったこと」にしてしまうところがエルドアンのすごさである。とはいえ、大阪・維新の大阪都構想住民投票で「ノー」がでたのに、半年後に府知事・市長のダブル選挙をやって維新が勝利するということが日本でも起きているわけで、「民主主義」とはなかなか難しい。

トルコでは2回目のやりなおし総選挙までの間に、イスラム国(IS)がトルコ国内で爆弾事件を引き起こしたり、シリアから銃撃してトルコ兵が死亡するなど、国民に愛国的気運が高まった経緯があった。当然、エルドアンが直接的、間接的に関与しているとする「陰謀論」も飛び交った。さらに反エルドアン勢力や極右民族派、軍部も激しい駆け引きをする。「なんでも起きるところ、ブラス・トゥルキエ」(ここはトルコなんだぜ)というラップ曲が以前、トルコで流行ったが、その通り、そうしたことが起きるのもトルコの一面である。

悲しいのは、一連の状況の中で軍の兵士たち、一般市民に多数の犠牲が出てきたし、今も出ているという現実だ。 今回の「新年メッセージ」のほとんどはシリア情勢とトルコの立場、そして「分離主義テロ問題」、つまりクルド・PKK問題についてになっている。雇用問題、経済情勢などは出てこない。そこがトルコが現在直面する情勢の緊迫感でもある。

個人的に注目したのは、ロシア戦闘機撃墜事件で、「国籍不明」としながらも、ロシア軍機が爆撃で狙っていたバユルブジャク・トルクメンの名が新年メッセージに明確に出ているところだ。バユルブジャク・トルクメン住民は、シリア北西部イドリブとラタキア近郊に暮らすトルコ系住民で、トルコは官民を通じてこの住民と地元組織を支援してきた。そこにはトルクメン武装組織も含まれる。ロシア軍戦闘機撃墜はそうした中で起きた。ゆえにトルコがバユルブジャク住民保護やPKK・YPG対策を口実としてシリアに軍事介入する可能性も感じられる演説内容だ。

2016年が不穏な年とならないことを願いたい。そして内戦終結に向けて各国、各勢力が少しでも動いてほしい。

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