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イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

【動画・日本語訳】プーチン大統領「エジプトでのロシア旅客機墜落について」

10月31日に起きたエジプトでのロシア旅客機墜落事件では武装組織イスラム国(IS)が犯行声明を出した。当初はIS犯行説への確証は不明だったものの、のちにISがパリ事件後に出した機関誌上で、ロシア機爆破に使った小型爆発物の写真を公開したことからISの犯行とする見方が強まった。

【動画】プーチン大統領・エジプトでのロシア旅客機墜落について 一部意訳
ボルトニコフ連邦保安庁長官・フラトコフ対外情報庁長官・ゲラシモフ参謀総長・ラブロフ外務大臣ほか
(クレムリン・大統領府・2015/11/17)
プーチン大統領が国防・治安最高責任者との会合で見せた威圧感。ときに沈黙する話し方が不気味ですらある。映像を通じて、ロシアの強い姿勢を内外に示す意図があると見られる。ISが機関誌で「機体の爆破に使用した爆発物」とする写真を公表したのは、この会議の翌日のことである。

ロシア旅客機爆破事件から2週間後に発生したフランス・パリ襲撃事件では130人が犠牲となった。世界から追悼メッセージが送られ、「連帯」の表明として各国で三色旗のイルミネーションが灯された。224人が死亡したエジプトでのロシア旅客機爆破でどれだけ世界に連帯や追悼の輪が広がっただろう。ウクライナでのマレーシア旅客機撃墜の暗い影がロシアにつきまとうとしても、世界の対応の違いに違和感を感じるところでもある。

f:id:ronahi:20160331214433j:plain10月31日に発生したコガリムアビア航空(メトロジェット)9268便の墜落事件。子ども25人を含む乗員乗客224人全員が死亡した。

フランスもロシアも、事件の報復としてIS拠点への空爆作戦を強化したが、そこに巻き込まれているのは市民だ。IS戦闘員への攻撃は軍事的措置としても、市民を犠牲にする空爆のあり方を問う声が高まることはない。ISが台頭し非道の限りを尽くす、今の状況にいたるこの混乱の種を蒔いたのはだれなのかも問われることもない。大国の思惑と武装組織各派の暴力の中で、市民の犠牲だけが増えている。
そしてシリア、イラクではその何倍もの人びとが、毎日のように爆弾事件で死んでいる。彼らを追悼するイルミネーションは世界にどれほど灯っただろうか。

f:id:ronahi:20160331210653j:plainエジプトでのロシア機墜落についての犯行を認めるISの声明:
「カリフ国の兵士はロシアの十字軍国民220人以上を乗せたロシア航空機をシナイ県で墜落させた。ムスリムの地とその空域においてロシアとその同盟国にはいかなる安全圏もないことを示すものであり、またシリアで連日多数を殺戮する空爆作戦に対する結果である」ヒジュラ暦1437年ムハラム月17日】(2015/10/31) 

f:id:ronahi:20160331210737j:plainISは機関誌ダービク(第12号)で、パリ襲撃事件とあわせてロシア旅客機についても言及。写真右のアルミ缶容器を使った小型爆発物で旅客機を墜落させたと主張した。この規模の小型爆発物で墜落に至るかどうかは不明だが、機体の破片が飛行中に広範囲に散乱していることから爆発物によるものとする見方が強い。プーチン大統領はこの墜落が「テロによるもの」としている。

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