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イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

〔イラク〕イスラム国(IS)が完成間近だった競技場を爆破

◆IS関連

日本では新国立競技場の建設費が問題となっているが、イラクからは、完成間近だった競技場が武装組織イスラム国(IS)に爆破されたという悲しいニュースが入ってきた。

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f:id:ronahi:20160202145520j:plainISは声明でスタジアムを「サファウィ軍の基地」とし、爆破の「意義」を説明。サファウィとはサファビー朝ペルシアのことを指し、ISは「イラクシーア派政権はイランの傀儡」と規定、イラク軍をサファウィ軍と蔑称で呼ぶ。スタジアムの建物内部と周囲全体に爆薬を仕掛けた上で、遠隔操作で爆破し、完全に破壊、と地元メディアは報道。爆薬も相当な量にのぼると思われる。(ISが公表した映像)

写真は、19日、イラク西部アンバル県ラマディ西方アルブジリブのアンバル・オリンピック・スタジアムを爆破するようすとして、ISが公開したものだ。アンバル全域ではイラク治安部隊とISの激しい戦闘が続いている。地元メディアは、治安部隊がスタジアムを前線司令拠点として使用していたが、ISの攻勢をうけ数日前に撤退した、と伝えている。
爆破されたアンバル・オリンピック・スタジアムはイラク・青少年スポーツ省の主導のもと、観客3万人収容規模の競技場として2013年初頭に着工。当時の発表では総工費約120億円で、地方スタジアムとしてはかなり大きな工事だったといえる。

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f:id:ronahi:20160202145532j:plainアンバル・オリンピック・スタジアムはほぼ完成していたが、アンバルでISとイラク治安部隊の戦闘が拡大し、昨年5月頃から工事はストップしていたもようだ。イラクでオリンピックの開催予定はないものの、この競技場は、サッカー場としてはFIFAの基準を満たすレベルを目標に工事が進められていたという。(写真上は完成予想図。下は2014年3月のもの。いずれもアンバル・スタジアムのフェイスブックより)

ISは5月に制圧したシリア中部パルミラ遺跡の円形劇場に地元住民を集め、シリア政府軍兵士25人の集団処刑を少年戦闘員に行なわせた。アンバル・スタジアムはこうした公開処刑の場として利用するよりも、建物ごと爆破して宣伝に使うことを選択したようだ。

アンバルのラマディ近郊ではイラク軍とISの攻防戦が続いており、再びイラク軍の拠点となることを阻止するため爆破した可能性もある。 イラクでいちばん人気のあるスポーツはサッカーだ。地元市民が心待ちにしていたアンバル競技場でのサッカーの試合も、かなわぬ夢となってしまったかと思うと悲しいばかりだ。

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