読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

【動画】歌から読み解くシリア・イラクでの戦争(4) イスラム国(IS) 欧米での殺戮を連呼

武装組織イスラム国(IS)の戦闘員でドイツ国籍のアブ・タルハ・アルマニについては以前取り上げた。 彼は、元ラップ歌手の「特技」を活かして、シリア国内に潜伏しながら、IS賛美の歌を作り続けている。最近公開された、ナシードとラップを融合させたような曲では、ドイツ語で「殺せ、殺せ」とダイレクトな表現が繰り返される。 前回の「シリアへの移住を」と勧誘するフランス語の歌「手を差し出し忠誠を」と異なり、アブ・タルハの映像は、欧米諸国での具体的な「テロ実行」をイメージさせるものとなっている。

〔動画〕アッラーのために」(ドイツ語)【転載禁止】
(残酷映像部分はボカシ処理をしました)

◆自爆攻撃・無差別殺戮を賛美
映像は、フランスのシャルリー・エブド襲撃事件を讃え、それに続けと、ドイツ、イギリス、アメリカなど欧米キリスト教諸国での自爆攻撃や暗殺、無差別殺戮を呼びかける。シリアで撮影されたと思われる映像は、ドイツやフランスの移民の姿を再現し、欧米のイスラム教徒の若者に「テロを実行せよ」と訴える。

一般に「テロ」という用語は武装闘争や過激主義を非難する側が使うが、アブ・タルハは、自分たちの行為をテロと高らかに宣言する。あらゆる手段で相手を恐怖に陥れることが目的だからだ。

f:id:ronahi:20170222081506j:plain

ドイツ国籍のアブ・タルハ・アルマニ(本名デニス・クスペルト・39才)。IS映像では、ベルリンでのラップ歌手時代を「無意味な人生」と回顧する。過激主義に感化されシリア入り。大量殺戮を賛美する歌を作り続けている。腹部に巻いているのは自爆ベルトと思われる。

イラクシーア派政権の弾圧と迫害にさらされた地元のスンニ派青年が、その反発から銃をとったのならまだ政治的な解決の道もありえたかもしれない。しかし外国人戦闘員が合流したことで、過激主義に歯止めがかからなくなっている。イスラム教徒の普通の住民は、誰もこんな過激主義を支持していない。

この映像は、2月にアブ・タルハがアメリカ国務省から「テロリスト指定」を受けたのちに公開されている。「殺せ」と繰り返す彼の声がアメリカをあざ笑うかのようで、いっそう不気味さを感じさせる。

(歌には日本語の翻訳をつけましたが、わかりやすいように意訳した箇所もあります。特定の勢力の宣伝に荷担することを意図するものではなく、いま起きている戦争のひとつの側面を歌から読み解くという趣旨で掲載しています)

<< 前へ (3) イスラム国(IS) フランス語で「移住」呼びかけ

次 >> (5) イスラム国(IS)幹部も歌う・イラクTVはパロディで対抗

◆IS・イラク・シリア・クルド情勢の
新着記事はツイッターで案内しています>>

広告を非表示にする