イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

【写真解説】イスラム国(IS)と無人機ドローン(1)~ISはどのようにドローンを戦闘に使っているのか

イラクやシリアの戦闘現場では、武装組織イスラム国(IS)は小型民生用ドローンを活用、一方でイラク政府軍や米軍は攻撃型ドローンをIS掃討作戦に投入している。戦闘現場でドローンはどのように使われているのだろうか。2回にわたり解説する。
1枚目は【動画】ISドローンによるシリア・コバニ上空からの偵察映像動画

【動画・イスラム国(IS)ドローン】 ISの小型民生用ドローンを前線で積極的に運用している。コバニでは、市内3か所で起きた同時多発自爆攻撃の事前偵察にドロ-ンが使われた。このときはクルド陣地側にある病院の場所まで詳細に偵察して調べた上で、地上で自爆攻撃をかけ、建物を壊滅させている。その後、クルド側は病院を地下施設に移し、頻繁に場所を変えるなどの対策を強いられた。映像に出てくるグレーの四角で囲まれた爆発映像はそれぞれ自爆車両攻撃によるもの。(シリア・コバニ・IS映像)

 

f:id:ronahi:20160129154032j:plain【YPG映像】写真はクルド組織・人民防衛隊(YPG)が、IS側から鹵獲したドローン。写真はYPGが公表したもの。YPG戦闘員が手にするのが、鹵獲したISドロ-ン。機体はDJI社のファントムと見られ、下部にカメラが見える。一つの町で複数のドローンが運用されていたことはYPG側に衝撃を与えた。その後、YPG側も民生用小型ドローンを調達し、対IS戦の前線に投入している。(シリア・コバニ・YPG映像)

f:id:ronahi:20160129154110j:plain【ISドローン】イラク北部・シンジャルでの自爆攻撃作戦でISが使用した民生用ドロ-ンの空撮映像。クルド・ペシュメルガ部隊の陣地を上空から偵察。陣地はクルド側の監視塔や塹壕、防護壁が取り囲んでいる。事前の偵察で敵の部隊配置などを特定し、攻略計画を策定する。(イラク北部・ニナワ・シンジャル・IS映像)

f:id:ronahi:20160129154128j:plain【IS映像】偵察映像をもとに自爆車両を突入させる。写真は爆弾を満載した自爆トラックに乗り込む戦闘員。突入時に撃たれて阻止されないよう、運転席はすべて分厚い鉄板を溶接して覆っている。胸の緑のケーブルは作戦が失敗して拘束された際に、自決するための身体につけた爆発物の起爆線とみられる。「殉教戦士、アブ・モアタサム・アル・シャミ」とあり、名前から判断するとシリア人と思われる。(イラク北部・ニナワ・シンジャル・IS映像)

f:id:ronahi:20160129154146j:plain【IS映像】爆弾を満載した自爆トラック(写真左)。運転席のほか車輪も撃ち抜かれないよう鉄板が溶接してある。トラックは突入して、クルド側陣地を爆破。自爆に続いて、後続部隊が突撃戦を敢行し、陣地を攻略した。この作戦では陣地を防衛していたペシュメルガ兵士多数が戦死している。(イラク北部・ニナワ・シンジャル・IS映像)

f:id:ronahi:20160129154201j:plain【IS映像】ドローン映像は、敵陣への砲撃の着弾地点の設定や測距にも使用される。映像で着弾場所を確認し、さらに精度を上げた砲撃がなされることも多い。(イラク北部・ニナワ・シンジャル・IS映像)

f:id:ronahi:20160129154212j:plain【IS映像】前線にはパソコンが持ち込まれ、無線で指揮隊が各部隊に指示を送る。バイジでの石油施設制圧作戦映像の冒頭ではドローンを飛ばす様子が映る。偵察映像や、直接、戦闘現場中継を伝送するなどして作戦に活用。さらにイラク軍の防護壁を突破する自爆車両も上空からモニターしている。石油施設はISに制圧された。説明文には「IS作戦室で戦闘状況を掌握」とある。(イラク中部・サラハディン・IS映像)

f:id:ronahi:20160129154222j:plain【IS映像】4月に公開されたイエメンでのIS部隊のプロパガンダ映像は映画仕立てで、戦闘員が指導者バグダディ師への忠誠を表明する。空撮ドローン映像が効果的に挿入され、「砂漠のなかから立ち現れるイスラム戦士」のように描かれている。(イエメン・サヌア・IS映像)

f:id:ronahi:20160129154232j:plain【IS映像】シリア・アレッポの空港制圧作戦で小型ドローンで偵察し、映像をタブレットで確認するようす。3つの目標に同時に連続自爆車両を突入させ、続いて部隊が突撃。民生用ドローンが攻撃目標や突入場所の選定に効果的に使われた。(シリア・アレッポ・IS映像)

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