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イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イラク・シリアに飛んでいるオスプレイ~イスラム国(IS)との戦いにも投入

◆IS関連 ◆クルド関連

イラクでは米軍が2007年から運用、IS壊滅作戦にも
日本で何かと取りざたされる米軍の垂直離陸輸送機オスプレイイスラム国(IS)との戦いの現場でも投入され、イラクだけでなく、シリアでも飛んでいる。

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イラクで米軍がオスプレイを運用するようになったのは2007年、海兵隊の任務に使われたのが最初と記録されている。イラクでの運用が始まってもう10年になる。当時から米軍による武装勢力掃討作戦は続いていた。写真は2007年、バグダッド空港での米軍オスプレイ。(米軍公表写真)

シリア北部では、ISとの戦いを進めるクルド・人民防衛隊(YPG)、シリア民主軍(SDF)が展開する地域に派遣された米軍特殊部隊がオスプレイを運用している。イラクでのオスプレイ映像はけっこうあるが、シリアでの飛行についてはほとんど公表されていない。

【動画】シリア北部を飛んでいると思われる米軍オスプレイ(2016)
昨年9月頃、ネット上にアップされた動画。個人がシリア・クルド地域で撮影したものと見られる。クルド語で「あれ、なんだ」と話す声が聞こえる。シリアのクルマンジ方言なので、イラクではなくシリア領内と推測される。(YouTubeより)

実際にシリアでオスプレイを自分で見たわけではないので、これまでネット情報だけでは確証は持てなかった。そこで先日、シリア北部にいるSDFの戦闘員に個人的にメッセージを送り、写真も見てもらったところ、「ヘリコプターみたいな飛行機のことだろ。だいぶ前から飛んでるよ」という返答だったので、米軍がシリアで運用しているのはまず間違いないだろう。

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シリアでオスプレイが飛んでいるという話は昨年夏ごろSNS上でも出ていた。これは2016年6月撮影の衛星写真。ウォッチャーのあいだでは、駐機中の各種機体を図のように推測、そのSNS情報をもとに図を作ってみた。この場所はコバニ郊外にあった元セメント工場で、一時、ISの支配下にあったが、のちにクルド勢力が奪取。セメント運搬トレーラー用の車輌置き場が発着場として米軍に提供されたようだ。ここからISの「首都」ラッカまでは直線で75キロ。現地に派遣されている米軍特殊部隊が運用し、SDFへの武器支援も行なっているものとみられる。

オスプレイがシリアで作戦に投入されたと最初に報じられたのは、2015年5月。東部デリゾールで、米軍特殊部隊が初めてシリア領内で遂行した地上でのIS幹部の殺害作戦に、ブラックホーク・ヘリとともにオスプレイV-22が使われた。当時は一時的な作戦任務だったが、現在はシリア北部の発着場で米軍特殊部隊の移送や武器運搬として常時運用されるまでになっている。

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シリアのYPG・SDFとともにIS壊滅作戦を進める米軍部隊。派遣された人数は明らかにされていない。トランプ政権は、IS掃討をさらに強化すると表明しており、さらに人員は増派される見込みだ。映像は昨年クルド系メディアが報じたもの。派遣されているのは海兵隊特殊部隊と見られる。(クルディスタン24映像より)

オスプレイを始めとしたさまざまな兵器・武器の作戦投入によって、実戦データも蓄積されるだろう。どこの国でも軍隊は、最新兵器を欲しがるものである。軍需産業はたくさんの「顧客」の要望に応えるべく兵器開発を続ける。実戦での実証データがあるほど、兵器は洗練され、売りやすくもなる。ゆえに、戦争はいつの世もなくならないだろうし、それを利用しようとする政治家や企業も消えることはない。どれだけ「世界平和の理念」があろうとも、そうやってこの世界が動いている現実がある。第2次世界大戦以降、最大の難民を生んでいるこの21世紀の戦争はまた、実戦データを集める格好の場であり、最新兵器の見本市ともなっている。

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米軍主導の有志連合軍によるIS壊滅を目指す戦い「生来の決意作戦」に投入されているF-22ラプター。実戦での運用を重ねるほど、戦闘での実証データは集まり、改良や新兵器開発にもつながっている。イラク・シリアがその現場となっている。(有志連合軍・CJTF-OIR写真)

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トランプ大統領は1月21日、米中央情報局(CIA)本部でスピーチし、「(アメリカが)イラクに行くことに私は反対だったが、その後、イラクに入ってしまったのなら、そのあとが失敗だった。石油を我々が押さえておくべきだった。だからISが石油を奪ってしまった」と述べた。その石油はイラクの資源ではないかと思うのだが…。アメリカのイラク侵攻の建前は一応、大量破壊兵器の脅威だったのに、「だから石油は押さえておくべき」との本音トーク。あのときアメリカの建前に従って米軍のイラク攻撃を支持した日本の立場はどうなるのか。(ホワイトハウス公表映像より)

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2月21日、トランプ政権になって初めてイラクを訪問したマティス国防長官。先月のトランプ大統領のCIA本部での「石油発言」について記者に問われ、「石油を押さえるためにイラクに来たのではない」と弁明する羽目に。大統領の暴走トークのフォローをさせられるほうも大変である。写真はIS壊滅作戦を進める有志連合軍作戦司令部を訪れたマティス長官。(国防総省公表写真より)

◆IS・イラク・シリア・クルド情勢の
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【動画・シリア民主軍SDF声明・全文】イスラム国(IS)「首都」ラッカ攻略の第3段階・第2ステップへ~東部戦線からの包囲進撃めざす

◆各国・各組織声明文 ◆IS関連 ◆クルド関連 ◆IS以外の武装組織

◆デリゾール軍事評議会も展開~東部戦線ラッカ10キロ圏内へ
イスラム国(IS)の拠点都市、ラッカの攻略へ向けた「ユーフラテスの憤怒作戦」を進めるシリア民主軍(SDF)は、2月17日、作戦の「第3段階・第2ステップ開始」を宣言する声明を発表した。ラッカ東部近郊への進撃にはデリゾール軍事評議会が合同して展開し、ラッカとデリゾールを結ぶ要衝を分断しラッカ包囲を目指す作戦目標を掲げている。将来的なデリゾールからのIS排除も視野に入りはじめた。ラッカ東部戦線の進撃速度は速く、一部の東方の前線ではラッカ中心部まで10キロ圏内に迫ったとも伝えられている。以下、声明全文。(一部意訳)

【動画1】ユーフラテスの憤怒作戦・作戦室声明(2017/02/17) 一部意訳
IS「首都」ラッカ攻略作戦「第3段階・第2ステップ開始」声明を読み上げるジハン・シェイク・エヘメド作戦室広報官(中央)。左は、デリゾール軍事評議会ハメド・アブ・ハウラ議長。右はSDF作戦部隊ディジワル・セレカニエ司令官。

シリア民主軍(SDF)声明・ラッカ解放作戦
第3段階・第2ステップ
(2017/02/17)

【ユーフラテスの憤怒作戦・作戦司令室声明】

ユーフラテスの憤怒作戦・作戦室は、ユーフラテスの憤怒作戦の第3段階における第2ステップ開始をここに宣言する。我々はラッカ東部近郊地域を解放する第1ステップの進展をうけ、このたび新たなステップを開始する。

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左はシリア民主軍(SDF)、右はデリゾール軍事評議会の旗。デリゾールの名所、ユーフラテス川にかかる吊り橋(ジスル・アル・ムアラク)が描かれている。

 

 

この第2ステップでは、ラッカ近郊の東部地域に展開し、また(ラッカを)デリゾールから隔離包囲することを目指す。この進撃は、わが軍の地上における勝利的展開と、テロに対抗する国際有志連合軍の上空からの支援のもとになされる。ラッカの隔離と周辺のテロリストの包囲は重要なステップとなろう。

この地域一帯はデリゾールと近接しているため、デリゾール軍事評議会が東部方面から有志連合軍の支援を受けながら効果的に進攻する。我々はラッカだけでなく、デリゾールの民衆に向けても、勝利は間近に到来し、テロ集団が敗北するという吉報を届けることとなろう。

地域の住民からのわが軍への支援に、あらためて感謝を表明する。また、作戦を有効に遂行するために、ダアシュ(IS)・テロリストの集合拠点から離れるよう、住民に呼びかける。

テロ集団とその支持者に恥辱を!
シリア民主軍とシリア全人民に勝利を!

シリア民主軍(SDF) 総司令部
「ユーフラテスの憤怒」作戦室

2017年2月17日

【動画2】有志連合軍によるラッカ近郊のIS自動車爆弾工場空爆
(2017/01/30・音声なし・24秒)
ラッカ近郊のISの自動車爆弾製造工場を有志連合軍機が空爆で破壊。上空から標的を選定して爆弾を投下しているということは、IS地域内に情報要員がいることを意味する。密かに通信手段を用いてSDFに標的を教え、有志連合軍の司令部に伝えている。SDF声明で毎回、「ISの集合地点からできるだけ離れよ」と住民に呼びかけがなされるのは、ISの軍事施設や車輌基地、武器庫などへの空爆による近隣住民の被害リスクを下げるためである。とはいえ住民がいても軍事的に破壊すべき標的と判断されれば、住民犠牲が予想されても爆撃が遂行されることもある。(CJTF-OIR公表映像)

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2月中旬頃の状況。現地情報と照合しながら地図を作っているのだが、進撃は速く、前線位置は刻々と移動している。SDFの東部戦線では、一部地域でラッカ近郊まで10キロ圏内に迫ったと報じられている。SDFは今回、ラッカの東部戦域でデリゾールをつなぐ要衝を攻略し、ラッカを包囲することを目標にするとしている。ただ、一気に攻め込むと、ISは住民を巻き添えに「総玉砕戦」に転じる可能性もある。ラッカとデリゾールの中間にあるマアダン近郊にはISに反発してきた地方部族もあり、これらの部族がSDF側につけば戦局はさらに動くだろう。

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SDFを主導するのはクルド組織・人民防衛隊(YPG)。それにアラブ人やトルクメン人らの合同部隊が参加している。写真はラッカ近郊の前線に展開するYPGの装甲車輌。(SDF映像)

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今回、SDF声明の映像に登場したデリゾール軍事評議会ハメド・アブ・ハウラ議長。昨年8月にISを排除したマンビジでは、軍事評議会が暫定統治機関となった。SDFはこの軍事評議会をラッカやデリゾールでも、攻略勢力の一部とし、ISを駆逐したのちには、軍事評議会が暫定統治機構に関与することになるとみられる。ただ、デリゾールはシリア政府軍が町の一部を死守しているため、ラッカ解放後にデリゾールに進撃するなら、なんらかの調整がなされることもと予想される。カミシュリやアレッポではYPG-SDF主体の勢力とアサド政権が分割統治しており、状況次第ではこうした形になるのではないか。(SDF映像)

【動画3】 ISと交戦するSDF部隊(2017/02/10)
前線でISと交戦するSDF部隊。デリゾールもラッカもアラブ人が趨勢の町で、住民の多くはIS支配に苦しみ壊滅を願う一方、IS以後にクルド勢力の意向を受けた評議会が実質統治をすることに不安を抱く者も一部にいる。またトルコは、YPGがラッカ解放の主体となることを懸念し、YPGを支援するアメリカに対して繰り返し懸念を表明している。(SDF映像)

◆IS・イラク・シリア・クルド情勢の
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【動画+写真30枚】イスラム国(IS)戦術分析(18)◆戦闘員養成5・各地に広がる軍事キャンプの脅威(イエメン・リビア編)

◆IS戦術分析 ◆IS関連

◆各地に拡散したIS軍事キャンプ【動画+写真30枚】
2014年にはシリア・イラクにまたがって広大な地域を支配下に置いたイスラム国(IS)。その後、イラク政府軍やシリアのクルド組織・人民防衛隊(YPG)の攻勢を受け、現在、ISは後退局面にある。一方で、ISはイエメン、リビアアフガニスタンといった政権基盤が弱いイスラム圏で、権力の真空状況に付け入る形で拠点作りを進めてきた。シリア・イラクでISが壊滅したとしても、別の地域でISが活動を続ける可能性もある。今回はイエメン・リビアに広がる脅威を軍事キャンプから考察。

【IS動画・日本語訳】イエメン軍事キャンプ(2015) 一部意訳・転載禁止
シリアから遠く離れた場所ながら、イエメンでも軍事教練の基本メニューは共通しているようだ。前回のアフガニスタン軍事キャンプ同様、専門の軍事教官が派遣されていることが伺える。この映像は2015年4月公開で、ドローンが空撮に使われている。砂漠の射撃訓練という単調な映像だが、低空飛行による空撮やアングルを変えて撮ったりと工夫が凝らされている。ワイヤレスマイクも使い、V字型に整列した戦闘員がひとりづつメッセージをつないでいく演出まで計算している。

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ISが最も勢いがあった2014年夏頃は、シリア・イラクで掌握していた地域の面積をあわせると、日本の半分近くに及ぶほどだった。さらに、エジプト、イエメン、リビアアフガニスタン、西アフリカ、北コーカサスチェチェン・ダゲスタンなど)に地下拠点を作り、その一部を「県」(ウィラーヤ)として宣伝してきた。ほかにもバングラデシュ、インドネシア、フィリピンなどにも浸透を図ろうとしている。シリア・イラクでISを叩けば壊滅するのではない。政情不安や混乱が続く「権力の真空地帯」にISが入り込めば、あらたな拠点となる可能性がある。(地名など細かいところが間違っていたらすみません)

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【イエメン・サナア】 冒頭で紹介した動画が公表されたのは、2015年4月。イエメンでは政府軍とフーシ派勢力が衝突し、サナアを占拠、大統領の辞任など政権が崩壊するなか、アルカイダ勢力も加わって騒乱が続き、フーシ派が「政権掌握」を宣言した時期である。さらにサウジアラビアも軍事介入している。そうした混乱状況のなかでISも拠点作りを進めていた。アルカイダ勢力に比べると規模は小さいが、プロパガンダ映像のレベルはアルカイダをしのぎ、宣伝効果は高い。(2015年・IS映像)

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【イエメン・アダン】 写真はアデン地域のシェイヒン軍事キャンプ。イエメンはアルカイダ勢力基盤だった。現在もアルカイダはイエメンでの存在感は優位にあるものの、シリア・イラクでの台頭をうけてISがイエメンでも浸透をはかってきた。ISは治安機関に対する襲撃や自爆攻撃も繰り返し、メディア部門を通じて「戦果」を報じている。(2015年・IS写真)

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【イエメン・アダン】 シェイヒン軍事キャンプ。ISがクオリティの高い動画や写真報告で軍事キャンプの映像を数多く公表し、スンニ派に結集を呼びかけた意味は大きい。(2015年・IS写真)

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【イエメン・アダン】 ISに使われる車。がっつりTOYOTAの文字。悲しい。日本車の間違った使い方である。(2015年・IS写真)

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【イエメン・ハドラマウト ISに使われるカメラ。がっつりSONYの文字。やはり悲しい。日本製ビデオカメラの間違った使い方である。(2015年・IS写真)

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【イエメン・ハドラマウト】 2015年10月のイエメンのメディア活動を特集した写真。「メディア班の講習」とあり、ワークショップでチームが撮影を学んでいる。ISがメディア戦略を重視しているのがわかる。イエメンにありながらこうしたことを組織できる能力や、戦略性にも注目すべきだろう。また、捕らえた敵兵をカメラの前で斬首するISの「手法」も、共通して用いられている。(2015年・IS写真)

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【イエメン・ハドラマウト イエメン・ハドラマウトにあるシェイク・アナス・アル・ナシュワン軍事キャンプ。(2015年・IS写真)

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【イエメン・ハドラマウト サナアの軍事キャンプ同様、ここも共通した教練メニューがあるようだ。指導者バグダディを頂点とするIS組織の軍事部門が、運営・統制していることが伺われる。(2015年・IS写真)

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【イエメン・ハドラマウト これはハルワラと呼ばれるアラブ式駆け足のひとつ。上半身は動かさず、膝を交互に高く上げて、ジャンプするように走る。(2015年・IS写真)

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【イエメン・ハドラマウト】 RPG-7ロケット砲を撃つ訓練。(2015年・IS写真)

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【イエメン・ハドラマウト ロシア製のPK機銃。ISでは、ベー・カーとかビー・ケー・シーと呼ぶ。(2015年・IS写真)

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【イエメン・ハドラマウト 銃を携えるときに、引き金に人差し指をかけず、伸ばして添えている。銃の扱いの基本だが、訓練を受けていない場合はこれができていなかったりする。こうしたところにもISの教練指導が徹底されていることがわかる。(2015年・IS写真)

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【イエメン・バイダ】 これは別のキャンプ。2016年12月に公開された写真。同年8月にシリアで空爆によって死亡したIS広報官、アブ・ムハンマド・アドナニの名前を冠したバイダの軍事キャンプ。早くもアドナニをキャンプ名にするプロパガンダの戦略性を感じさせる。(2016年・IS写真)

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【イエメン・バイダ】 これもアブ・ムハンマド・アドナニ軍事キャンプ。戦闘服一式が真新しくみえるので、撮影用に支給されたものではないだろうか。(2016年・IS写真)

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【イエメン・バイダ】 アドナニ軍事キャンプ。指導教官が至近距離で実弾を撃ち込んでいく。(2016年・IS写真)

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【イエメン・バイダ】 背面匍匐前進でも、実弾が撃ち込まれる。鬼教官である。(2016年・IS写真)

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【イエメン・バイダ】 タイヤを引っ張る匍匐前進。目の前に実弾。教官、鬼すぎる。(2016年・IS写真)

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【イエメン・バイダ】 対人格闘訓練。説明の文字には「イングマスィ課程」とある。イングマスィは以前も紹介したが、いわゆる突撃決死隊のことで、写真では突撃決死戦士の訓練をしていることを伝えようとしている。実際に突撃精鋭部隊を養成しているのか、一般戦闘員の教練でもあえてこうした表現にしているのかは不明。(2016年・IS写真)

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【イエメン・バイダ】 ナイフ格闘訓練。(2016年・IS写真)

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【イエメン・バイダ】 最後はバグダディへの忠誠(バヤア)を表明して、連帯感を強める。(2016年・IS写真)

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リビア・バルカ】 ここからはリビアリビア東部「バルカ県」(=キレナイカ)のシェイク・アブ・アル・カハターニ軍事キャンプ。カハターニとは、おそらくISのリビアでの幹部だったアブ・ナビル・アンバリのことと思われる。2015年11月、リビア・ダルナの米軍の空爆で死亡している。軍事キャンプの名前は、高名な指導者や指揮官の名前を冠することが多い。(2016年・IS写真)

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リビア・バルカ】 有刺鉄線をくぐる訓練。これはIS以外にも武装各派や、イラク軍もやっているので、IS独特というわけではない。(2016年・IS写真)

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リビア・バルカ】 リビアの混乱に乗じて支配地域を獲得したISだが、一部地域では、リビアの統一政府勢力がISを駆逐しつつある。また米軍が空爆作戦を進めるなか、拠点を失うなどしているが、いまも攻防戦が続いている。(2016年・IS写真)

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リビア・バルカ】 カラシニコフ銃など各種武器の分解整備。(2016年・IS写真)

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リビア・バルカ】 「理論学習部門」とある。RPG-7ロケット砲の砲弾の種類を教えている。破片榴弾対戦車榴弾、サーモバリック弾、タンデム榴弾などの違いを学んでいるようだ。こうした映像教材を作って、プロジェクターで上映するといった体系的なメニューが軍事キャンプの教練課程に取り入れられているのがわかる。(2016年・IS写真)

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リビア・バルカ】 学習では、軍事講習のほかに、信仰・教義、シャリーアイスラム法)が徹底的に教え込まれる。(2016年・IS写真)

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リビア・バルカ】 建物の突入制圧訓練。このような急襲突撃にあたる戦闘員はムカタハミーンと呼ばれる。(2016年・IS写真)

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リビア・バルカ】 「救急救命措置の講習」とある。(2016年・IS写真)

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リビア・バルカ】 これは足の負傷時の措置と思われる。地域を越えて体系立った訓練メニューや教練課程が存在することの意味は大きい。一つの拠点を壊滅させても、いつでも各地に伝播し、すぐに戦闘員が養成される可能性がある。(2016年・IS写真)

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リビア・バルカ】 基本教練の課程を修了すると、右手を差し出して忠誠を誓う儀式がおこなわれる。ISはこれをバヤアと呼ぶ。いわゆる各国の軍隊の宣誓式にあたる。ISは何に忠誠を表明するかというと、バグダディ指導者である。彼のために喜んで命を差し出すことをともに宣言する。作戦前に志気を高める時も円陣を組んで忠誠の言葉を唱和する。イラク・シリアから遠く離れたリビアの地でもバグダディへの忠誠がなされる。(2016年・IS写真)

IS軍事キャンプ戦闘員養成シリーズまだ続ける予定です

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【シリア民主軍SDF声明・全文】イスラム国(IS)拠点、ラッカ攻略・第3段階を宣言~ユーフラテスの憤怒作戦

◆各国・各組織声明文 ◆IS関連 ◆クルド関連 ◆IS以外の武装組織

◆ラッカ西部・北部に続き東部戦線から進撃
シリア民主軍(SDF)が進めるラッカ攻略のための「ユーフラテスの憤怒作戦」の進展状況について、同司令部・作戦室は、2月4日、作戦が第3段階に入ったと宣言した。ラッカはイスラム国(IS)の「首都」とされる最大拠点のひとつ。イラク・モスルではイラク政府軍が奪還戦を進めるなか、シリア・ラッカのIS「本陣」にはSDFが迫りつつある。昨年11月にラッカ攻略作戦が開始されて以降、1ヵ月ごとに段階が進み、今回は3段階となった。これまでのラッカ西部・北部に加え、今回は東部方面からの進攻を作戦の目標に掲げている。以下、声明全文。(一部意訳)

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戦闘状況は2月上旬のもの。あらたに始まった東部戦線からの進撃は速度を早めている。ほぼ1か月ごとに作戦の段階が進み、ラッカ包囲網が狭まっている。ラッカ住民の懸念のひとつが、ISを追い込みすぎるとタブカ・ダムをISが爆破し、地域一帯に洪水を起こして住民ごと殺戮するのではないかということだった。SDFの攻略部隊もISの要衝を分析ながら前線に展開している。

シリア民主軍(SDF)声明・ラッカ解放作戦第3段階開始(2017/02/04)

【ユーフラテスの憤怒作戦・作戦司令室声明】

ダアシュ(IS)がいまもって支配する地域を解放するためのラッカ西方の地方部で軍事作戦が継続されるなか、ラッカ近郊部ならびに都市部を解放する作戦の第3段階を開始したことを我々はここに宣言する。

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ラッカ攻略作戦・第3段階を宣言するジハン・シェイク・エヘメド作戦室広報官。(SDF映像)


第3段階においては、ラッカ東部方面の地方部ならびに都市部の解放や、ダアシュ・テロリストが自らの終焉の近づくなかで激化させている蛮行から、民衆を救うことを目的とする。とりわけ我々は、各層からなる誇りある民衆の支持に加え、国際有志連合軍のさらなる支援を大いに受けながら作戦を進めている。有志連合はわが軍の進撃を上空空域から援護をはかり、地上においては(有志連合軍の)特殊部隊の支援も受けている。

これらはいずれも地元の部族長諸氏や有力人士によって歓迎されている。軍事作戦の完遂は我々の主要事項であり、ここにいま、この(第3)段階を迎えるに至った。

ユーフラテスの憤怒作戦の今回の段階は、これまで作戦に参加したすべての軍事組織諸勢力とともに継続される。さらにこれには本作戦室が主導する戦闘の過程で最近解放された地域の多数の青年たちや、このたび編成された地元民からなる軍事組織諸勢力がダアシュと戦う国際有志連合軍の訓練・武器の支援を経て加わることとなる。

ラッカでの決戦とその近郊地域の解放において、テロリストが集まる拠点等から距離をおいて離れるよう住民に呼びかける。またわが軍が各自の地域に到達した際の支援を求めるものである。

これに加え、わが部隊の進攻に際して、住民はわが方が統制する安全地域に一時退避することを求め、さらにはラッカの意志ある男女諸氏がそれぞれの地域の解放を果たせるよう、わが軍に参加することをここに呼びかける。

シリア民主軍(SDF) 総司令部
「ユーフラテスの憤怒」作戦室

2017年2月4日

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2月4日、ユーフラテスの憤怒作戦・第3段階の開始を宣言するSDFの合同部隊。クルド組織・人民防衛隊(YPG)とその女性部門(YPJ)が主導的役割を果たしている。(SDF映像)
ユーフラテスの憤怒作戦のこれまでのおもな声明
第1段階・開始声明 (2016/11/06)
第2段階・開始声明 (2016/12/10)
第2段階・戦果報告 (2017/01/16)

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前線ではSDF部隊とISの激しい戦闘が続く。ラッカ攻略作戦・第3段階では、新たに東部から展開し3方向でラッカに迫ることが宣言された。(SDF映像)

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ISとの戦闘を進めるのは容易ではない。展開する地域にはたくさんの農村があり、住民がいる。まず住民の避難先を確保して安全路を開いて防衛しながら誘導し、被害を最小限にしなければならない。ISは住民を「人間の楯」とするため移動を阻んでいる。写真は戦闘から逃げてくる住民。(SDF映像)

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避難誘導保護については、子どもや高齢者もいるうえ、戦闘が続くあいだ住民の食料や避難場所の確保も必要だ。農家には生計のためのヒツジ・牛などたくさんの家畜もいるので置いたまま村を去ることもできない。地元部族との調整も不可欠である。ISに協力させられていた部族をどう取り込むかが作戦に大きく影響する。ラッカ攻略作戦の声明で毎回、部族について感謝を表明しているのはこうした背景がある。また、ISを地域から駆逐しても、いたるとことに設置された仕掛け爆弾を処理しなければならない。写真は戦闘地域から脱出してきた住民に食料を配るSDF部隊。(SDF映像)

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IS地域から逃れ、着用を強いられていたヒジャブを脱ぎ捨てる少女も。(SDF映像)

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戦闘を避け、IS地域から脱出してきた子ども。(SDF映像)

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ラッカ攻略へ向けては、上空から有志連合軍の空爆と、地上のSDF部隊が連携しながら進撃している。写真左は米軍のA-10攻撃機と思われる。(SDF映像)

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IS系メディア・アマーク通信が、「ラッカでの米軍による空爆被害」として公開した、破壊された橋の映像。空爆で住民を殺戮し、インフラも破壊していると伝えている。空爆ではIS部隊の移動を阻むため橋梁なども標的にされる。空爆被害に一般住民が巻き込まれているのは事実で、「ラッカ解放作戦」には、こうした戦争の現実がある。(アマーク通信映像)

◆IS・イラク・シリア・クルド情勢の
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【IS動画・日本語訳】歌から読み解くシリア・イラクでの戦争(22) 元ラップ歌手アブ・タルハ~過激主義に苦悩するドイツ

◆歌から読み解く戦争 ◆IS関連

◆過激主義対策を強化するドイツ当局
ドイツからシリア入りした戦闘員問題や、国内各地であいついぐ襲撃事件をうけて、当局は過激主義につながる団体の取締りを強めてきた。集会でISの旗を掲げるのを禁止したり危険人物からのパスポート没収などの措置があげられる。それでもドイツではこの1年で、IS関連の事件が繰り返される結果となった。

【動画・日本語訳】 アブ・タルハ・アル・アルマニ(ドイツ語)一部意訳・転載禁止

歌っているのはドイツ出身の元ラップ歌手でIS戦闘員となったアブ・タルハ・アル・アルマニ(本名デニス・クスペルト)。これまでにも記事を書いたが、彼もイスラム国(IS)のプロパガンダで大きな役割を担った人物だ。ドイツでイスラムに改宗し、過激組織ミラトゥ・イブラヒムで活動後、シリアに入り、他の武装組織を経て、当時の「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」に参加した。聴いてわかるように、彼はナシード歌手としては、歌がかなり下手である。以前、記事に書いた「いざ、ジハードへ」はナシードと彼が得意なラップを融合させ、悪い意味で「発展」を遂げたと言えるかもしれない。この映像が公開されたのは2014年4月頃。IS公式映像ではなくて、ミラトゥ・イブラヒム系メディアから出されたもの。ドイツ語で合唱しているが、全員ドイツ出身者ならけっこう集まっているようだ。

過激主義団体の活動禁止命令も出されている。2012年にはミラトゥ・イブラヒムが活動禁止となり、昨年11月には、イスラム団体「真の宗教」の拠点10州200か所を一斉捜索し、活動禁止を命じた。「真の宗教」はドイツ各地の街頭でコーラン無料配布する活動で知られるが、一方でシリアへの戦闘員を勧誘したとして以前から問題となってきた。

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国防総省は2015年10月、アブ・タルハがラッカ近郊での空爆で死亡と発表したが、IS側は沈黙し、その後も撮影日は不明なものの彼が登場する映像も公開された。昨年夏、「死亡写真」も出回り、モスルの病院で死亡とされたが、今年1月末にはシリア・ホムスで生存説も出るなど生死は不明。写真右が昨年SNS上に出回った「死亡写真」。

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ミラトゥ・イブラヒムは2011年、ゾーリンゲンを中心に結成。翌年5月にはドイツ当局から活動禁止命令が出たが、この組織や関係者からシリアに渡り、IS入りした者がかなりいる。右がアブ・タルハ。左はオーストリア出身で同組織の幹部だったアブ・オサマ・アル・ガリブ(本名ムハンマド・マハムード)。彼もISに加わり、2015年8月、シリア・パルミラで政府軍兵士を銃殺する映像に登場している。

「真の宗教」の広報物には過去に日本人青年も登場している。どんな宗教であれ、信仰に目覚め、団体に入って活動することは別に問題ない。ただ、それが宗教の名の下に過激主義を志向する組織やカルトなら話は違ってくる。

ISに日本人の戦闘員や協力者がいるかどうか、国内の「窓口」にメディアの関心が寄せられてきたが、いつか日本国外で、それもイスラム圏でないヨーロッパで過激主義組織に「オルグ」される例も出てくるかもしれない。

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ドイツやイギリスなどの街頭でコーラン無料配布運動「LIES!(読め!)」を続けてきた「真の宗教」。左がリーダーのイブラヒム・アブ・ナギ。右は昨年11月、「真の宗教」に対する活動禁止を発表するデメジエール連邦内務相。(左・YouTube/右・連邦内務省映像より)

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昨年11月、ドイツ各地の「真の宗教」の活動拠点への一斉家宅捜索。写真は警察によるベルリンでの家宅捜索で押収されるパソコン。(ARD映像より)

内戦に陥ったシリアが強力な磁場となって、世界各地の過激主義者を引き寄せた。そしてその支配地域から戦闘員が各国の仲間に決起を呼びかけ、さらには自身が自国に戻って攻撃を企てようとしている。

治安当局による取り締まり、国内で過激主義を生まない土壌作り、ISの犠牲となっている難民の受け入れ、そしてイラクのクルド地域政府への軍事支援など、ドイツは様々な形でISや過激主義問題と向き合っている。

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ISの登場によってドイツのイスラム過激主義者(サラフィスト)が生まれたわけではない。シリア内戦前から過激組織は拡大しつつあったし、同時に右派市民やネオナチ系団体によるモスク建設反対などの反イスラム運動も起こっていた。両派の衝突を象徴する事件のひとつが、2012年、ゾーリンゲンでの事件。ムハンマドを侮辱する肖像を掲げた右派のデモに、過激サラフィストらが対峙。衝突を阻止しようとした機動隊に過激主義者がナイフで襲いかかるなどし、多数の逮捕者が出た。ネオナチはドイツのイスラム教徒増加への不安を煽り、他方、イスラム過激団体は移民の不安や怒りに付け入り、非和解的な宗教対立のようにしようとした。ただしサラフィストが深刻な問題となっているのは事実だが、多くのイスラム移民は過激思想と関係のない普通の市民であり、一部の事例を全体化して見るべきではない。(写真・左DAPA/右ドイチェヴェレより引用)

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ドイツは警察の取り締まりだけでなく、過激主義を生まない取り組みも進めてきた。これは連邦移民・難民局(BAMF)が製作したパンフ。イスラムの信仰と、過激主義とを混同させないようにし、きちんと見極めることの重要さや過激思想に傾倒した青年らを救った実例をあげて解説している。移民や難民が過激主義に感化されるのを防ぐため、家族や友人らが変化に気付いたらすぐに相談できる専門機関やケアワーカー制度についても案内し、多言語で配布されている。

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ドイツはイラククルディスタンペシュメルガ部隊に軍事支援を行なうなどしてきた。写真はドイツに招かれたクルド兵に、連邦軍兵士が対戦車誘導ミサイル・ミランの発射訓練をしている様子。(2014年・ドイツ連邦軍映像)

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ISの台頭でシリアから多数の難民が発生し、またヨーロッパ各地でISによる襲撃事件があいつぐなか、ドイツはイラククルディスタン地域に連邦軍部隊を派遣。ISと戦うペシュメルガ部隊を現地で軍事訓練し、また多額の武器をクルディスタン政府に供与した。写真はアルビルでペシュメルガを訓練するドイツ連邦軍兵士。(2016年・ドイツ連邦軍映像)

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◆IS・イラク・シリア・クルド情勢の
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【IS動画・日本語訳】歌から読み解くシリア・イラクでの戦争(21) ドイツ人戦闘員ジルビオ(ドイツ語)

◆歌から読み解く戦争 ◆IS関連

◆多数のドイツ出身者がIS戦闘員に
映像が公開されたのは2014年5月。バグダディがイスラム国(IS)を宣言する直前、まだイラク・シリア・イスラム国(ISIS)の頃だ。ムジャ・ツイート(ジハード戦士のツイート)として戦闘員のメッセージや支配地域の様子などを伝える映像短信シリーズの第1弾に登場したのが、ドイツ人戦闘員、ジルビオ・コブリッツだった。この当時27歳。

【動画・日本語訳】 ドイツ人戦闘員ジルビオ(2014)(ドイツ語)一部意訳・転載禁止

この映像が出た翌月には大都市モスルを制圧し、さらにバグダディがカリフを名乗って「国家」を宣言するなど、ISがもっとも高揚していた時期である。ジルビオに続こうと、シリア入りしたり、渡航を計画した者も少なくないはずだ。IS映像やSNSを通じて、彼らがシリアで「活躍」する姿が伝えられ、それがさらにドイツ国内にいる若者の一部を過激主義に感化させた。

わずか1分のシンプルな映像だが、ドイツですでに知られていたジルビオがシリア入りしたのち、ISの公式映像に登場したことは過激主義支持の若者たちにインパクトを与えた。

シリア内戦に加わったドイツ人は、IS以外も含めて700人前後といわれる。ジルビオのような、いわゆる「金髪・青い目」のドイツ人や、イスラム系移民のドイツ国籍保持者などだ。

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ジルビオは2012年にシリア入りしたとされる。過去にはメルケル首相暗殺予告をし、2014年8月にはドイツにあるアメリカの核関連貯蔵施設を攻撃せよ、などとメッセージを発している。

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ジルビオは、IS内では組織名アブ・アッザム・アル・アルマニを名乗っていた。「アルマニ」とはドイツ人やドイツ出身者を指す。

ドイツのイスラム過激主義者は、一般に過激サラフィストやサラフィ・ジハーディストと呼ばれ、当局は国内に7500人前後のサラフィストがいると見ている。デモでは警官をナイフで襲撃したり、イラク出身のヤズディ教徒グループやネオナチ集団と衝突する暴力事件も起こしてきた。

シリアへのおもな入国ルートだったトルコの国境警備が厳しくなったいま、ISは支配地域への「移住」ではなく、それぞれの国で十字軍と戦え、と呼びかけている。そして昨年は実際にヨーロッパ各地で、ISやその支持者による襲撃事件もあいついだ。

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左は過去にドイツにいた頃、テレビ局の映像に映っていたジルビオ。右は2014年8月、ノルトライン・ヴェストファーレン州の治安対策会議で、過激スラム主義について州内務大臣名で出された報告文書。ジルビオ・コブリッツについても詳細に触れられている。ドイツにいた頃はイスラム過激組織ミラトゥ・イブラヒムに関わり、同州のエッセンやゾーリンゲンで活動するなど当局にはすでに監視されていた人物で、家宅捜索も受けている。その後、消息を絶ったジルビオを治安当局は指名手配。

外国からISに参加した彼らは、目の前で起きている「イスラム革命」「カリフ制再興」に心を躍らせたかもしれない。そしてジハード戦士として自分もそれに参加したことに気分も高揚しただろう。

だが彼らの「理想社会実現」のために、多数の地元住民が犠牲となった。ISに組織的に拉致された数千人のヤズディ教徒の女性・子どもが奴隷とされ、幼い女児までレイプされた。

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2014年10月、ベルリンでの治安機関のテロ対策会議で上映されるジルビオの映像。(シュテルン誌より)

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2012年5月、ゾーリンゲンでの右派系市民やネオナチ団体による反イスラムデモ(左)に、サラフィストグループ(右)が対峙。サラフィスト側と機動隊が衝突し、多数の逮捕者を出した。右端はジルビオと思われる。この数ヵ月後には、シリア入りしたのではないか。(YouTubeより)

イラク人、シリア人の地元戦闘員には米軍の占領やイラクシーア派政府やシリア・アサド政権への復讐心や、わずかでも給料が出るからと家族を養うためにISに入隊した者も多い。

他方、外国人戦闘員のなかにはムスリム同胞への義侠心に駆られた者もいるだろうが、切り落とした人間の首を手にした写真を嬉しがってSNSに投稿したり、いまでも拉致女性を戦闘員どうしで転売している現実を前にすると、彼らの掲げる「ジハード」とは何だったのかという気持ちになる。

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IS映像にはドイツからの戦闘員が多数登場。写真はいずれも組織内部での名前で、すでに死亡した者もいる。

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◆IS・イラク・シリア・クルド情勢の
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【シリア民主軍SDF声明全文】イスラム国(IS)拠点に迫る~ラッカ解放作戦・第2段階の成果を強調

◆各国・各組織声明文 ◆クルド関連 ◆IS関連 ◆IS以外の武装組織

◆「ユーフラテスの憤怒作戦」ラッカに28キロ地点まで展開
イスラム国(IS)と戦闘を続けるシリア民主軍(SDF)は1月16日、IS「首都」ラッカ攻略のための「ユーフラテスの憤怒作戦」の第2段階の進展状況に関する声明を発表した。SDFはクルド組織・人民防衛隊(YPG)とその女性部門YPJや、アラブ人、トルクメン人、キリスト教徒の武装組織諸派から編成され、合同部隊としてISと対峙してきた。昨年11月に始まった作戦以降、ラッカ西部・北部からISの要衝を制圧。国際有志連合軍の空爆支援などを受けながらISの本拠ラッカに迫りつつある。以下は声明全文。(一部意訳)

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1月16日、前線地帯で声明を発表するSDF、「ユーフラテスの憤怒作戦」司令室指揮官ら。中央の背の高い男性はSDFタラル・セロ司令官。左の女性はジハン・シェイク・エヘメド作戦司令室広報官。その左がロジュダ・フラットYPJ作戦部隊司令。SDF・YPG合同部隊は、昨年11月6日に開始したユーフラテスの憤怒作戦以降、ラッカ西部、北部の要衝を攻め落としながら進撃を続けてきた。(SDF写真)

シリア民主軍(SDF)声明(2017/01/16)

【ユーフラテスの憤怒作戦・作戦司令室声明】

ラッカ県の住民の要請に応え、ラッカ解放作戦の第2段階が2016年12月10日開始された。作戦は現在も継続されている。シリア民主軍(SDF)のための軍事評議会による共同合意のもと、本作戦は、この地域一帯におけるダアシュ(IS)の脅威を排除する目的で主導されてきた。

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SDFは1月上旬には、西部の最前線からラッカまで28キロの地点に進軍したと発表。ISも自爆攻撃などで激しく応戦し攻防戦が続く。(SDF写真)

ユーフラテスの憤怒作戦・第2段階においては以下のことが達成された。

197の村落を含む2480平方キロの地域、多数の農地、戦略的丘陵部、ジャアバル城が解放された。これにより、ラッカ解放作戦の開始からあわせてのべ3200平方キロの地域が解放されたこととなる。この地域内には236の村落、農地、丘陵が含まれる。ラッカ市は西部・北部から包囲されたこととなる。

ダアシュ(IS)のテロリスト、260名以上を殺害し、戦闘現場において115遺体を回収し、18名を拘束した。また多数にのぼる武器、弾薬、軍用車輌、砲撃関連部品を鹵獲。爆弾車輌40台を無力化し、うち多くが標的到達前に撃破された。

わが軍によってラッカ西部の近郊地域の数千の民間人が解放され、村落からダアシュ(IS)の脅威が排除され、安全が確保されたのち、住民の多くが家々に戻ることとなった。SDFはこれら住民に対し、支援物資の配布を継続している。

ラッカ解放作戦の開始以来、地元の(ラッカの)西部地域の有志が2500人以上がSDFに参加した。これら地元戦闘員は、国際有志連合の支援のもと訓練を受け、武装を進めてきた。アラブ人、クルド人同胞とともに肩を並べて戦ったイギリス、カナダ、アメリカからの有志3名を含む、わが方の戦闘員42名が戦死した。

ユーフラテスの憤怒作戦司令部として、最前線地域でわが軍を支えたラッカの地方部の大いなる住民に感謝を表明する。いかなる代償を払おうとも、わが住民を防衛することを約束するとあらためてここに明示する。

我々はラッカ市民に対し、この好機を捉え、各自の地域での評議会の結成、各勢力からなるシリア民主軍に参加する地元行政機構の設立など、ラッカ全体の解放のため、それぞれが組織すべく動くよう呼びかける。また、前線でわが軍を支援する国際有志連合とその軍事専門家たちに感謝を表明する。

解放されたラッカ近郊部の住民のための治安、医療、住民支援機関の分野で支援をしてくれたコバニ自治行政委員会にも深く感謝する。わが軍は、ラッカ解放作戦の開始以降、多大なる成果を達成した。

我々はラッカを解放し、シリアのすべての地からテロの脅威を取り除くため、テロリスト・ダアシュ(IS)に対する戦いを継続する。

シリア民主軍(SDF) 総司令部
「ユーフラテスの憤怒」作戦室
2017年1月16日

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SDF部隊の進攻を受け、IS側は1月6日、ジャアバル城から退却。城は12世紀頃に建てられたとされ、アサド湖に面している。2014年、この地域に勢力を広げたISが制圧していた。ここからラッカ中心部へは直線距離で約45キロ。西部のSDF最前線からはラッカまで28キロに近づいた。(SDF写真)

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SDFはラッカ出身者などからなる進撃部隊の組織化を進めている。写真は軍事教練を経て、あらたに部隊に加わった新規戦闘員。(SDF写真)

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ISとの前線に展開するSDFの部隊。(SDF写真)

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SDFに協力を表明した地元部族。地方では部族の力は大きく、ISも部族を統制することを通じて広大な地域で支配を固めることができた。部族長たちにとっては、家族や部族領民を守るために、力のある者に従うしかない現実がある。ただSDF側は、非協力的な部族長に締め付けを強くすることはあっても、ISのように処刑したりはしない。情勢が動けば地元部族が一気に転向する可能性があり、戦況を左右することになる。(SDF写真)

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YPGには外国人義勇兵も参加し、ISとの戦闘やマンビジでのトルコ軍の空爆などで死亡している。今回の声明で触れられた戦闘員はカナダ人ナザレノ・アントニオ・タッソネディ(左)、イギリス人ライアン・ロック(右)。それぞれラッカ北部と西部での前線で死亡。YPGは左翼的性格が強いこともあり、西側諸国からの外国人義勇兵には左翼系運動の元活動家も多い。YPGは中央統制や規律が厳格で、思想性も求められるため、ISと戦いたいだけの安易な考えで志願しても排除されるといわれる。写真はYPGが公開した「戦死公報」。(YPG写真)

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先月23日、ISは戦報として、イギリス人ライアン戦闘員の死体写真を公開。「ジハード戦士に踏みしだかれる十字軍の死体」と説明がつけられている。写真の一部をぼかしています。(IS写真)

◆IS・イラク・シリア・クルド情勢の
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〔トルコ〕イズミール裁判所爆破攻撃、クルディスタン自由の鷹(TAK)が声明(全文)

◆各国・各組織声明文 ◆クルド関連

◆オジャランPKK指導者の写真・スローガン、TAK声明から消える 
1月5日、トルコ・イズミールの裁判所付近で自動車爆弾が爆発、容疑者と警官とが銃撃戦となり、容疑者2名を含む4名が死亡した。この事件について、11日、クルド武装組織「クルディスタン自由のタカ」(TAK)が攻撃を認める声明を出した。以下、声明全文(一部意訳)。

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事件は1月5日、トルコ西部イズミールで起きた。裁判所の入口付近に不審車が近づこうとし、警察が阻止。容疑者は車から出て警官と銃撃戦となり、車体を爆破。容疑者2名は現場で射殺されたが、別の1名は逃走したと地元メディアは伝えている。警官1名、裁判所関係者1名と容疑者2名の計4人が死亡、7名が負傷した。容疑者の遺留品からはAK-47自動小銃やRPG-7ロケット砲が見つかっており、周到に準備した攻撃だったことが伺える。(地元メディア写真)

クルディスタン自由の鷹(TAK)声明文

報道機関ならびに社会世論へ

2017年1月5日、イズミール裁判所前において、我々、クルディスタン自由の鷹(TAK)は、英雄的行動を遂行した。この行動は、烈士チェクダル報復隊によって勝ち取られたものである。

「最も平和で安全な観光と商業の地」であったイズミール都市部が攻撃され、トルコ共和国植民地主義が、我々の作戦行動によって破壊と敗北をたたきつけられるなか、ファシストAKP政権は心理的特殊戦争をもって、そのダメージを徹底して覆い隠さんとしている。

わが作戦行動によって生じた多数の死者とその結果を、ファシスト機構とそのメディア機関が必死になってが隠蔽しようとしていることは、大衆とわが人民にとっては周知のことである。わが同志、ゼルデシュトとピルドアンの両戦士は、クルディスタンにおいてなされているわが人民への虐殺攻撃に対する満身の憤激のもと、いかなる容赦も見せず、敵-ファシスト植民地主義者-への車輌爆破攻撃戦闘を英雄的に敢行し、烈士となった。

戦車、砲弾、ヘリや戦闘機で我々の町々を爆撃し、家々を戦車でひき潰し、クルド人民を家から追い立て冬空の下に引きずり出し、子どもや老人たちを問わず、抵抗する者を問答無用で処刑し、数週間にもわたって遺体を路上に放置し、装甲車で引きずり、負傷者にガソリンをかけて焼殺するような者たちにとって、クルディスタンの勇敢なる息子の同志たる我々はどこであろうと悪夢となり続けるだろう。

我々の前には、植民地主義者のいかなる機関も正当性などない。わが人民を拷問し、権利を剥奪し、屈辱を強いるトルコ共和国のすべてのファシスト機関・組織は、必ずやその代償として、我々の攻撃にさらされるだろう。

イズミールの街頭に散ったゼルデシュト、ピルドアン両同志の武器は、TAKの自己犠牲決起戦士が引き継ぎ、さらなる報復戦闘として炸裂することを知るがいい!

TAK万歳!
ゼルデシュト、ピルドアン両同志万歳!
烈士が死することはない!(訳注:戦闘で死んだ同志の魂はいつまでも消えることはない)
クルディスタン自由の鷹(TAK)
2017年1月11日

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写真は裁判所付近でTAK容疑者の銃撃戦で殉職したフェトヒ・セキン警察官。「自ら犠牲となってテロを阻止しようとした英雄」としてトルコ・メディアは大きく伝えた。右はイズミール警察による葬儀。幼い娘が棺の前で泣き崩れる姿も報じられた。

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トルコ政府は、TAKをクルディスタン労働者党(PKK)の別同部隊と見なしている。TAKはPKKについて、「クルド人民に対してなされるファシストの戦争に対してPKKは穏健すぎる」としている。PKK側は、TAKの過激路線について明確に批判しない。またTAKの自爆事件などで死亡したメンバーの多くが過去にPKKに関与するなどしている。写真はイズミールでの事件を伝えるトルコ紙。

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TAKは、1月11日、ウェブ上で声明を公表し、攻撃を認めた。声明文にある「烈士チェクダル報復隊」とは、昨年12月17日、カイセリでトルコ軍兵士13名が犠牲となった自爆攻撃で死亡した戦闘員チェクダル・ヘバットから付けられている。今回の声明ではイズミール裁判所襲撃で死亡した2名のメンバーについて詳細を記述。写真左、ゼルデシュト・リュステム・エルダル(30歳)・本名ムスタファ・チョバン(カフラマンマラシュ県出身)と写真右、ピルドアン・アララト(26歳)・本名エネス・ユルドゥルム(アール県出身)だとしている。トルコ政府・エルドアン政権を「ファシスト植民地主義者」と規定する捉え方は、PKKと共通している。イズミールでの事件後、エルドアン大統領は、「卑劣な攻撃は治安部隊の決意、国民の団結をさらに強めるだけであり、テロに屈することはない」とする声明を出した。

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これまでTAKは声明の最後にはPKKのオジャラン指導者を称えるスローガン「ビジ・セロク・アポ」=トルコ語ではヤシャスン・バシュカン・アポ(オジャラン指導者万歳)を入れてきた。TAKは、PKKとの組織的関係はない、としながらも、「クルド人民全体の領導者」という位置づけがあると見られ、オジャラン釈放を掲げてきた。ところが、昨年12月17日のカイセリでのトルコ軍兵士を乗せたバスへの自爆攻撃(兵士ら14名死亡)での声明以降、この言葉が使われなくなっているほか、12月10日のイスタンブール・スタジアム攻撃の声明で、公表時にあったオジャラン指導者万歳の文言のみが消えている。またサイト上にあったオジャランの写真もなくなっている。推測だが、オジャランを支持しなくなったのではなく、PKKと一体とみなされないようにする意図が働いているではないか。一連の自爆事件では多数の民間人が死傷し、無差別攻撃を批判するクルド人も多い。またTAK関連容疑で摘発もあいついでいて、こうした状況が影響したのではないかと思われる。ただ、武装闘争は今後も継続すると宣言するなど、各地で攻撃が続くことが懸念される。

[動画] YouTube上では、銃激戦の映像が投稿されている。中央の青いバンの後ろから容疑者が発砲していると見られる。警官が倒れ込むようすが写っている。(YouTubeより)

◆IS・イラク・シリア・クルド情勢の
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【動画・日本語】トルコ・エルドアン大統領 新年メッセージ2017「統一、結束、同胞愛を確固として保とう」

◆各国・各組織声明文 ◆IS関連 ◆クルド関連

◆クーデター未遂、IS、クルド問題に直面した1年
過去に何度もクーデターが起き、つねに軍部と政府内部の権力闘争が続いてきたトルコだが、いまの時代に兵士が国の主要機関を制圧し、国民を殺戮して政権を掌握してもどこの国が反乱政権を承認するだろう、と思う人も多かったのではないだろうか。クーデター決起は現実に起こり、国会が砲撃され、空港や街頭に戦車が展開し、国営テレビ局を兵士が制圧した。

【動画・日本語訳】エルドアン大統領新年メッセージ2017(8分39秒)一部意訳・転載禁止
メッセージ内の【自分たちのために善いことを、あなたがたは嫌うかもしれぬ。また自分のために悪いことを好むかもしれぬ】の引用は、コーランの一節(牝牛章:216節)と思われる。アッラーという言葉も何度か出てくる。世俗主義が国是だったトルコだが、エルドアンの登場でイスラムと政治の距離も変わりつつある。エルドアンイスタンブール市長時代に、イスラム詩を朗読して罪に問われ、収監されている。

反乱派将校は、決起すれば軍全体が自分たちの側についてくれると読んでいただろうし、アメリカやヨーロッパなど大国が承認してくれる手はずになっていると確信させる根拠のようなものがあったのではないか、またはそう吹き込んだ者がいるのではないかとも感じる。「クーデターの兆しはすでにあった」というような、いまとなってみれば「あと出し分析」はいくらでもできるだろうが、7・15事件前なら、大きな政変ぐらいはあっても、国会と大統領府が軍に爆撃される事態が起きる可能性は低い、とされただろう。

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アンカラでは国会や警察署、大統領府などが砲撃や爆撃を受け、イスタンブールではボスポラス大橋、ファティフ・スルタン・メフメ大橋やアタチュルク空港に反乱派の戦車が展開。(「大統領府発行:7・15クーデター策謀と国民の勝利」より)

クーデター失敗後、実際の決起に加わっていなかった地方の将校らが軒並み逮捕されたのは、まるで事前に拘束内定リストでもあったかのごとくだ。そして、エルドアンが強権を振るって政府批判勢力を封じ込めていった動きを見ると、「自作自演」というような陰謀論まで飛び出すのもうなずける。反乱失敗の分析もいくつか出ているが、もしエルドアンが7月15日に殺害されていたら、クーデターのゆくえも違ったかもしれない。

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アンカラの国会建物は爆撃を受け、一部が破壊された。(「大統領府発行:7・15クーデター策謀と国民の勝利」より)

シリア情勢だっていまの状況を予見できた専門家はいるだろうか。「アラブの春」のなかで広がった民主化要求運動がシリアでは内戦に発展し、国家分裂をもたらした。第2次世界大戦以降、最大の難民を生み出し、過激組織イスラム国(IS)が登場し、そこで訓練を受けた戦闘員がヨーロッパ各地で無差別殺戮を引き起した。そんな21世紀の時代を世界は目の当たりにしている。

もうどんなことも起きるという前提で物事を見たほうがいいかもしれないし、「常識的」な分析や予測とかもあてにならないとも感じる。そう、トランプだって、ほんとうに大統領になってしまうと半年前にどれだけの人が言い当てただろう。

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エルドアン大統領は、「国民は街頭に出て抗議の意志を示してほしい」と電話越しのメッセージで国民に呼びかけ、反乱派が制圧していないテレビ各局がこれを放送した。(「大統領府発行:7・15クーデター策謀と国民の勝利」より)

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アンカライスタンブールでは反乱派を阻止しようと市民が街頭に繰り出した。反乱派部隊の発砲や衝突などで300名近い犠牲者がでた。(「大統領府発行:7・15クーデター策謀と国民の勝利」より)

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クーデター計画が失敗に終わり、次々と拘束された反乱派。中央は首謀者のひとりとされるアクン・オズトゥルク元空軍総司令官。エルドアン政権が世俗派やギュレン派を徹底排除してきたなかで、どのように軍の一部がクーデター計画を秘密裏に準備し、反乱決起へといたったのか、未解明な部分は多い。トルコ政府は「ギュレン派によるテロ」とするが、米国在住のフェトフッラー・ギュレン師側は関与を否定している。反乱に加わった末端の兵士は、ギュレン派という意識をどこまで抱いていたのだろうか。

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クーデター失敗後、エルドアン大統領はこれまで以上に大統領権限を強化する動きを見せている。政府・軍内部を「清浄化」も開始。世俗派、ギュレン派、クルド問題、イスラム国(IS)、そして隣国シリアへの軍事越境など、トルコは複雑な状況にある。(「大統領府発行:7・15クーデター策謀と国民の勝利」より)

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トルコは、シリアのスンニ派武装組織を後押しし、「ユーフラテスの盾作戦」としてシリア北部に越境。ジャラブロスからアル・バブに展開している。写真はトルコ軍と交戦するIS部隊。アジア系戦闘員もいるようだ。(IS写真)

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トルコ軍・シリア・スンニ派武装組織の合同部隊はアル・バブ攻略を目指す。ISは自爆突撃などで応戦し、激しい戦闘が続く。写真は部隊陣地にIS自爆車両が突撃したようす。ISドローンで空撮している。(IS映像)

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トルコがシリアに地上軍を送り越境介入したのは、IS壊滅よりも、クルド組織、人民防衛隊(YPG)がトルコ国境線一帯を制圧するのを阻止する狙いが大きい。トルコはクルドの動きを封じるためにISと交戦する状況となったといえる。写真は、昨年12月末にISが公開したトルコ兵2名の焼殺映像。鎖につないで、焼殺する凄惨なものだ。ISのトルコ人戦闘員がトルコ語で、エルドアン政権を「十字軍に荷担する背教者」などと非難している。(IS映像)

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他方、クルド問題では、クルディスタン労働者党(PKK)がエルドアン政権に対し「全面戦争」を宣言、南東部を中心に軍事攻撃を展開し、また、PKKの別同部隊と当局が見なすクルディスタン自由の鷹(TAK)がトルコ都市部で爆弾闘争を激化させ、市民の犠牲もあいついでいる。トルコ政府は、「分離主義テロ組織」と規定し、掃討作戦を続けている。(PKK公表写真より)

◆IS・イラク・シリア・クルド情勢の
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【動画・日本語訳】ロシア・プーチン大統領2017新年メッセージ

◆各国・各組織声明文 ◆IS関連

◆勝てる気がしないよ、ウラジミール
昨年末、来日したプーチン大統領。日本・ロシアの双方にそれぞれ思惑はあるし、安倍首相が交渉の目指す先を領土問題進展とするのか、平和条約締結にするのかをとってもこの会談の評価は分かれるだろう。

【動画・日本語訳】プーチン大統領 新年メッセージ2017(ロシア国歌つき) 
(8分19秒)一部意訳・転載禁止

領土についてなら、戦争や天変地異やロシア経済破綻でもない限り、将来、2島は返還はあっても4島全部は難しいだろうなと、日本人はきっとみんな思ってる。もし4島が日本領土になったとして、こんどはそこで生まれ育ったロシア人はどうするのか、までどれほど考えているだろう。

かつて声高に北方領土返還を叫んでいた右翼でさえ、4島全部が戻るなんて思ってないのでは。4島をあわせると竹島の何十倍もの面積があるはずなのだが、ネトウヨは韓国に対して見せる必死さをロシアに向けないし、「プーチンさんかっこいい」的な印象まであったりする。力とイメージで勝利している「おそロシアプーチンである。

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「ウラジミール」とファーストネームで呼んで親密さをアピールした安倍首相。プーチンの側からはシンゾーとはあまり言ってもらえなかったようだし、安倍首相の2歳年上であるプーチンを「君」と何度も呼んだのも、相手にはどう受け取られたか…。(ロシア大統領府写真)

他方、日本の市民運動は、アメリカがイラク攻撃で一般市民を殺害したら大きな声をあげたのに、シリアでロシア軍が空爆して多数の住民が犠牲となっても、アメリカに対するほどの声も上がらないし、大規模なプーチン糾弾デモも起きない。 

領土の価値や人間の命の重さも、政治の都合やイメージや主義主張のもとに変わってしまうという不条理。そんな思いを抱きながら、このプーチン大統領の新年メッセージと、最後に流れるロシア国歌を聴いた。

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以前、NHKの番組制作でロシア取材したときに訪れた小学校の壁に貼ってあったプーチンとロシア国歌。小学生も悪いことができない感がハンパない。(撮影・坂本)

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シリア・アレッポに展開したロシア軍部隊。(ロシア国防省公表写真)

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アレッポでは、反体制諸派と政府軍の激しい戦いが続いてきた。クルド・人民防衛隊(YPG)の地区を除いて、武装各派は一応、アレッポから退去し、昨年12月、アサド政権が「奪還」を宣言。シリア政府軍とともにロシア軍部隊も市内で活動。(ロシア国防省写真)

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戦闘で破壊しつくされたアレッポを走るロシア軍。(ロシア国防省写真)

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アレッポでは治安任務や地雷・不発弾の撤去などに任務にもあたる。(ロシア国防省写真)

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住民に手厚く接する兵士の姿を伝えるロシア軍公表の写真。(ロシア国防省写真)

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かつて美しさを誇ったアレッポには瓦礫が広がる。命を落としたり、難民となって国外に脱出したりと、内戦は住民にも町にも大きな惨禍をもたらした。(ロシア国防省写真)

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イスラム国(IS)や、その他の武装諸派に対する空爆作戦はいまも続けている。ロシアの空爆は、敵の軍事拠点があると判断すれば、近くに住民が多数いても、周辺ごと爆撃することも厭わないことが多い。国際社会も責任を問わないなか、誤爆や住民犠牲はあいついでいる。(ロシア国防省映像)

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ISメディアは、ロシア軍の空爆被害について、住民が殺されていると繰り返し伝え、「ロシアも攻撃対象とせよ」などと呼びかけている。(IS系アマーク通信映像)

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劣勢にあるといわれるISだが、昨年12月には一度シリア政府軍に奪還されたホムス・タドムル(パルミラ)で攻勢をかけ、再び制圧した。ISメディアは制圧後のロシア軍基地の映像を伝えている。背後にファフルディーン城がそびえる。(IS系アマーク通信映像)

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ロシア軍部隊がいた基地。昨年3月、シリア政府軍・ロシア軍部隊はISをパルミラから駆逐したが、再度、奪い返される結果となった。(IS系アマーク通信映像)

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制圧した基地から大量の武器・弾薬を奪うIS戦闘員。でも、プーチン怒らせたら怖いと思う。(IS系アマーク通信映像)

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