イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

イスラム国(IS)・イラク・シリア・クルド情勢

連載4【シリア・クルド】ロジャヴァ・国際義勇部隊登場の背景(写真34枚)トルコ左翼「赤スカーフ戦士」アイシェの死

◆ISと戦いで戦死、「革命烈士」となったアイシェ
武装組織イスラム国(IS)とシリアで戦ってきたクルド・人民防衛隊(YPG)には、トルコ左翼組織各派も共闘。マルクス・レーニン主義共産党(MLKP)もそのひとつだ。戦いが続くなか、死者も増え始めた。左翼各派は戦死者を「革命烈士」として称え、さらなる結集をアピールする。トルコの公園開発抗議運動のヒロインから、武装ゲリラに、そして革命戦士としてシリア入りし、ISとの前線ラッカで戦死した女性、アイシェ(デスタン)とは。(たぶん連載は全部で7回ぐらいになります)
第1回】【第2回第3回】【第4回】【第5回】【第6回】【第7回】

【動画】【シリアで戦死したMLKPのアイシェ】(一部意訳・転載禁止)

トルコ武装左翼組織、マルクス・レーニン主義共産党(MLKP)の戦闘員として、イラク北部山岳地帯からシリアのロジャヴァに入ったアイシェ・デニズ・カラジャギル(組織内部名デスタン)。ロジャヴァとはシリア・クルド地域を指す。映像最後の言葉「虐殺の無念」はスルチ爆弾事件を意味し、以下の記事で解説。こののち2017年5月、アイシェはISとの前線、ラッカで戦死。24歳だった。(ETHA通信映像)

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【シリアで戦死したMLKPのアイシェ】 アイシェの戦いの始まりについて振り返ってみたい。2013年、トルコ・イスタンブールのタクシム広場一帯の再開発反対行動に端を発したゲジ公園抗議運動は、エルドアン政権批判の大規模デモとなり、環境保護派や左翼各派も加わった。労組がストライキを呼びかけるなどして拡大し、機動隊との衝突で死者まで出る事態に発展。抗議運動は全国的な広がりを見せた。(2013年・K24映像より)

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【シリアで戦死したMLKPのアイシェ】 このとき、ゲジ公園抗議闘争に連帯し、トルコ南部アンタルヤで街頭行動に参加したのが、赤スカーフの女性、アイシェ・デニズ・カラジャギル(20歳・当時)だった。当時は、左翼政党「抑圧されし者の社会党(ESP)」で活動。ESPは合法政党だがMLKP系。(2013年・MLKP系組織公表写真より)

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【シリアで戦死したMLKPのアイシェ】 2013年10月、抗議運動をしていたアイシェは、仲間らとともに逮捕される。赤いスカーフをしていたことが「テロ組織宣伝罪」などに問われ、「テロ組織構成員、公務執行妨害」など複合罪で起訴されれば最大で 103年の服役刑が課される可能性があった。(MLKP系組織公表写真より)

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【シリアで戦死したMLKPのアイシェ】 2014年2月、支援者らは赤スカーフ事件を重刑弾圧として救援行動を呼びかけるなどした。トルコでは長期服役の判決が出ても、刑期は短縮されるケースがあるので、実際に「103年」とはならないだろうが、活動家を重い刑罰で起訴することで運動を委縮させる効果は十分にあった。右は、赤スカーフ事件被告への連帯集会の呼びかけ。(MLKP系組織公表写真より)

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【シリアで戦死したMLKPのアイシェ】 2014年2月、アイシェは4か月間の拘留ののち、裁判を前にいったん保釈される。アイシェを含む被告ら5人の裁判手続きが進められ、検察は長期服役を課す求刑へ向けて動く。写真中央の左から2番目がアイシェ。(エヴレンセル紙写真より)

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【シリアで戦死したMLKPのアイシェ】 長期投獄に直面したアイシェを、メディアは「赤スカーフの少女」として報じた。画像は保釈後のアイシェを、CNNトルコが生放送でインタビューした映像。首に赤いスカーフが見える。アイシェの言動や裁判の行方に注目が集まっていたなか、2014年2月頃、彼女は突然、消息を絶つ。(2014年・CNNトルコ映像より)

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【シリアで戦死したMLKPのアイシェ】 行方が分からなくなっていたアイシェが4か月後に姿を現したのは、イラク北部山岳地帯カンディルのPKK軍事キャンプ。彼女は戦闘服をまとっていた。左はアイシェとPKK最高幹部ムラット・カラユランが並んだ写真。トルコ政府が「テロ組織」とみなすPKKエリアに入り、最重要手配人物のPKK最高幹部とともにいることを、メディは大きく報じた。(PKK系メディア写真より)

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【シリアで戦死したMLKPのアイシェ】 写真は2014年6月、PKK系メディアが公開した映像から。アイシェは約3年近く、PKKエリアでゲリラ部隊と行動をともにする。この時のアイシェの組織内部名はデスタン・ユルック。(2014年・PKK系メディア映像より)

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【シリアで戦死したMLKPのアイシェ】 アイシェが入ったのはイラク北部のPKKエリアだが、共闘するMLKPもここに部隊拠点が割り当てられている。トルコで保釈中のアイシェが、単独で密かにイラク北部に渡航してPKKキャンプに入れるものでもなく、組織がルートを手配したとみられる。(MLKP公表写真より)

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【シリアで戦死したMLKPのアイシェ】 イラク北部の軍事拠点で訓練を受けるアイシェ。かつて彼女はトルコではMLKP系合法部門の政党で活動していた。PKKと共闘関係にあるMLKPが少数ながら戦闘員も送り込んでいたことが、受け入れにつながったようだ。(MLKP公表写真より)

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【2015年・トルコ・スルチ爆弾事件】 2015年7月、トルコ南東部の町スルチで自爆事件が起きる。スルチと国境を接するコバニへの連帯行動で地元文化センターに集まった支援者集会が狙われ、死者30人以上を出す惨事となった。自爆した容疑者はアドゥヤマン出身のIS系の男と報じられるも不明な点が多い。事件の半年前にこのセンターを取材したことがあるが、地元民以外にはまず知られていない場所。他所の町から来た容疑者が多数の支援者が集まる日を明確に狙うなど、組織的関与を疑う声も出た。また、単独で自爆装置を準備したとも考えにくい。写真は爆発の瞬間で、横断幕の背後で自爆が起きた。(2015年・SGDF公表写真より)

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【2015年・トルコ・スルチ爆弾事件】 スルチ爆弾事件の犠牲者の多くがコバニ支援に集まった社会主義青年協会連盟(SGDF)のメンバーだった。同組織はMLKP系の合法政党、「抑圧されし者の社会党(ESP)」の青年部門。事件を受け、MLKPなどトルコ武装左翼は、ISとの対決姿勢を強め、事件の背後でトルコ情報機関が暗躍などとしてエルドアン政権批判も展開。これらの背景も、トルコ武装左翼がシリア北部でのISとの戦いにさらに深くコミットしていく一因となった。画像はMLKPが事件を非難したポスター。(左は犠牲者・右は自爆直後で多数の遺体がある)

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【シリアで戦死・MLKP・アイシェ】 アイシェはMLKPの戦闘員としてロジャヴァ(シリア北部のクルド地域)に向かい、ISと戦う戦列に加わる。スルチ自爆事件(2015年)が起きたのが7月(トルコ語でテンムズ)だったことから、組織内部名デスタン・ヨルックからデスタン・テンムズと名乗った。(MLKP公表写真より)

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【シリアで戦死・MLKP・アイシェ】 シリア戦線入りは本人の意志もあっただろうが、MLKPの党組織としての意向も関係していると思われる。前述のスルチ自爆事件でMLKPに近い青年組織関係者が多く犠牲となったこともあり、MLKPにとってISとの戦いが政治性を増すと同時に、個々の戦闘員の意識にも大きく影響していたとみられる。(MLKP公表写真より)

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【シリアで戦死・MLKP・アイシェ】 クルド・YPGが主導するシリア民主軍(SDF)が、ISの拠点都市ラッカを攻略する「ユーフラテスの憤怒作戦」を宣言したのが2016年11月。これにはトルコ武装左翼各派も参加。国際社会で無差別テロを繰り返していたISの「首都」ラッカの攻略戦に各派の意気込みは強く、「ISとの戦いを革命闘争へ」とするプロパガンダも増加した。アイシェのシリア入りの時期は不明だが、2017年とみられる。写真はドラグノフ狙撃銃を担ぐアイシェ。(MLKP公表写真より)

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【シリアで戦死・MLKP・アイシェ】 2017年5月、アイシェはラッカの戦線で戦死。BMP-1装甲戦闘車の前で笑顔を見せている。シリア北部のクルド勢力は、どうしても外国人を必要とするほど地元戦闘員が不足しているわけでもない。そこにトルコ武装左翼が共闘する形で要員を送り込むのは、政治的意図や思惑もある。それを思うとき、彼女の死の意味を考えさせられる。(MLKP公表写真より)

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【シリアで戦死・MLKP・アイシェ】 写真はアイシェの棺。アイシェの遺体はコバニに運ばれ、他組織の戦死者とともに追悼葬送集会が開かれた。棺にはMLKPの赤い党旗がかけられた。24歳、早すぎる死だった。(2017年・MLKP公表写真より)

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【シリアで戦死・MLKP・アイシェ】 葬列では、トルコからシリア入りした両親(中央の2人)が棺を抱えた。母も赤いスカーフを巻いている。遺体はコバニに埋葬。両親はシリアからの帰途、イスタンブールの空港で拘束され、「テロ組織プロパガンダ」の容疑で取り調べを受けている。(2017年・クルド系メディア写真より)

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【シリアで戦死・MLKP・アイシェ】 アイシェとそのほかの戦死者の合同追悼葬送集会で、「追悼礼」を捧げるクルド・女性防衛隊(YPJ)らの戦闘員。追悼礼はスラーヴァ・シェヒダンと呼ばれ、捧げ銃の姿勢から体を斜め前に傾斜させ、戦死者に敬意を表する。アイシェを悼み、赤いスカーフを巻いている。(2017年・クルド系メディア写真より)

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【シリア・ロジャヴァ・MLKP】 シリア北部のMLKP女性部門、共産主義女性機構(KKÖ)の部隊。うしろにアイシェ追悼のポスターが見える。党組織は、メンバーが戦死すると革命烈士として称える。アイシェもまた、「烈士」のひとりとなった。(2018年・MLKP公表写真より)

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【シリアで戦死・MLKP・アイシェ】 その後、シリア・コバニの烈士追悼墓地に完成したアイシェの墓。まわりの墓もすべて戦死者だ。トルコ政府の弾圧、彼女の「革命」への思い、ISの台頭、党組織の思惑。アイシェの戦いの背景には、さまざまな要素が重なり合っている。(2018年・ANF通信写真より)

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【MLKP】 マルクス・レーニン主義共産党(MLKP)は、トルコ共産党マルクス・レーニン主義-運動派(TKP/ML-Hareketi)とトルコ共産主義労働者運動(TKiH)が合流し、1994年結党。トルコでは非合法党。マルクスレーニンスターリンに加え、かつてアルバニア労働党を率いたエンベル・ホッジャのホッジャ主義に立脚。MLKP公表写真より)

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【MLKP】 MLKPはトルコの都市部や山岳部で武装闘争を展開。党武装部門は「貧民・被抑圧者武装隊(FESK)」。2004年のイスタンブールNATOサミットに関連したバス爆弾事件では乗客らが犠牲となっている。シリア内戦では早い段階からクルド・YPGに共闘して部隊を送り、徐々に増員、シリア北部で拠点づくりの動きをしている。トルコ政府は「テロ組織」に指定。(MLKP公表写真より)

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【トルコ国内・ESP・SGDF】 トルコではMLKPは非合法党だが、関係組織として合法政党「抑圧されし者の社会党」(ESP)、その青年部門に社会主義青年協会連盟(SGDF)がある。写真は今年のメーデー・デモ。左の青い旗がESP、手前の赤い星がSGDF。アイシェはトルコではESPで活動し、イラク北部に渡ったのち、シリア・ラッカでISとの戦いの前線へ。(2019年・SGDF公表写真より)

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【トルコ国内・SGDF】 これは合法組織の社会主義青年協会連盟(SGDF)のデモ。ゲバラである。ここの青年らがMLKPのリクルート枠のようになったりしている側面も。2015年、スルチでの自爆事件の犠牲者の多くがこのSGDFメンバーだった。(2019年・SGDF公表写真より)

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【トルコ国内・MLKP】 一方、非合法のMLKPはトルコで「テロ組織」として強力に取り締まられている。だが、ときおり瞬間的に街頭に登場することも。赤い覆面やMLKP横断幕も「テロ組織宣伝」の罪になりうるが、現場で警察の動きを警戒しながら姿を現したりする。赤い忍者っぽく見えるのは、着衣で身元を特定されないための革命的コスチュームで、靴もわからないように、靴の上から靴下をすっぽりかぶせて履いたりする。(2015年・MLKP系メディア写真より)

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【トルコ国内・MLKP】 左翼のデモや街頭で現われる武装要員はミリスと呼ばれる。写真はトルコ国内。MLKPの赤覆面のミリスがショットガンや拳銃を手にし、シリア北部で戦死した仲間を追悼する横断幕を掲げている。(2016年・MLKP系メディア写真より)

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【トルコ国内・MLKP】 写真はトルコ・イスタンブールのガジ地区で銃で武装して登場したMLKPのミリス。この地区は労働者とアレヴィ教徒が多い。(アレヴィについては第1回参照)。武器・爆弾を所持してるので、警察の家宅捜索でも特殊部隊が突入したりする。(2016年・MLKP系メディア写真より)

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【トルコ国内・MLKP】 このガジ地区はMLKPだけでなく、他の武装左翼諸派も拠点にしている。ミリスが武装して地区に登場するのは、警察権力からの防衛のほか、他セクトへの威力誇示やプロパガンダの意味がある。シリアでは、国際社会の脅威だったISとの戦いの前線に立ち、戦死者を出しているMLKPだが、トルコ国内での武装闘争では市民も巻き込まれてきた。そうした面も相対的に見ておくべきだろう。(2016年・MLKP系メディア写真より)

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【トルコ国内・MLKP】 今年5月、党大会に際し声明を発するイスタンブールのMLKPミリス。銃や火炎瓶を手にしている。横断幕は「第6回党大会に栄光あれ」。声明では「党の戦列を打ち固め、労働者、被抑圧人民の闘争を高揚させ、(エルドアン政権の)公正発展党AKPを一掃せよ」などとしている。(2019年・MLKP公表写真より)

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【トルコ国内・MLKP】 これはトルコ武装左翼各派が路上でよくやる爆弾横断幕(ボンバル・パンカルト)。スローガン横断幕の下に爆発物を置いて、プロパガンダをおこなう。これを警察署などの前とかでなく、労働者地区の路地や商店街に置いたりするので、「労働者人民の支持」が得られるかどうかは微妙。写真はMLKPの爆弾横断幕。(2015年・MLKP公表写真より)

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【トルコ国内・MLKPほか左翼】 ロジャヴァ(シリア・クルド地域)での戦いに連動し、トルコ国内ではMLKPを含む武装左翼各派が地下連合組織を結成し、連続放火を繰り返している。軍事関連産業の工場やエルドアン政権に協力する企業を「反革命機関」などと規定し、今年6月からの2か月間だけでも20件以上の放火を起こしている。(2019年・MLKP系メディア写真より)

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【MLKP】 MLKPの「革命烈士」となったアイシェ(デスタン)。そして、その戦いに続け、と党組織がさらなる結集を呼びかける。写真のスローガンは「蜂起から革命へ - デスタン精神で勝利を!」。シリア北部で拠点化を狙うトルコ左翼に呼応して、国内の武装左翼が活動を活発化させることをトルコ政府は警戒している。

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【シリアで戦死・MLKP・アイシェ】 写真に残るアイシェの顔はどれも笑顔でいっぱいだ。抵抗運動のヒロインがイラク北部で左翼ゲリラに、そして内戦下のシリア内戦に向かい、ISとの前線で戦死。まるで映画のようだが、これはいま起きている現実の戦争のなかの悲しいひとつの物語である。彼女と同様に戦闘現場に加わる者たちにも、そして彼ら、彼女らが銃を向けて戦う相手にも、またそれぞれの物語があり、たくさんの命が失われてきた。(MLKP系SNS写真より) 

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連載5へ(つづく)
第1回】【第2回第3回】【第4回】【第5回】【第6回】【第7回】

連載3【シリア・クルド】ロジャヴァ・国際義勇部隊登場の背景(写真26枚)~クルドの闘争に殉じたドイツ人たち、20年の時間軸

◆PKKのアンドレア、YPGのケヴィン
シリアで武装組織イスラム国(IS)と戦うクルド・人民防衛隊(YPG)には多くの欧米人も志願している。各国から多数の義勇戦闘員が加わり、また犠牲もあいついだ。ドイツ人青年ケヴィンは22歳で戦死。彼を結ぶ20年の時間軸について。
第1回】【第2回【第3回】【第4回】【第5回】【第6回】【第7回】

【動画】【YPG・ドイツ人・ケヴィン】(2015年)

ドイツ人でYPGに参加、3年間戦ったのち、22歳で戦死した青年、ケヴィン・ヨヒム(組織内部名ディスソズ・バハール)。ケヴィンは、それまで知らなかったクルド語を現地で仲間と暮らすなかで覚えたという。非常に流暢で、PKK独特の政治表現まで使いこなしている。ロジャヴァとはクルド語で「西」を意味し、西クルディスタン、すなわちシリア北部のクルド地域を指す。(クルド・ANHA通信映像より)

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【YPG・ドイツ人・ケヴィン】 現在の欧米からの志願戦闘員の多くが、IS台頭以降にYPGを知り、志願したが、ケヴィンの場合は、オジャラン思想に感化されてから戦闘員となり、言葉も習得した点で他と異なっている。写真はドイツにいた頃のケヴィン。(支援者のSNS写真より)

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【YPG・ドイツ人・ケヴィン】 ケヴィンはドイツ南部カールスルーエ出身。10代の頃から左翼活動をしていて、クルディスタン労働者党(PKK)系のクルド移民らの集会などに出入りしていた。ドイツのPKK系のクルド集会の動員バスと思われる。ドイツ政府はPKKを「テロ組織」に指定し、国内での活動を禁止しているが、PKKは別団体を複数作り、ドイツのクルド移民コミュニティーの組織化を図ってきた。左翼系ドイツ人シンパもいる一方で、PKKのオジャラン指導者の個人崇拝に近い運動スタイルや過激な武装闘争を批判する声もある。(支援者のSNS写真より)

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【YPG・ドイツ人・ケヴィン】 映像でケヴィンは、「民主連合主義に希望を感じた」と語る。民主連合主義(デモクラティック・コンフェデラリズム)とは、トルコで死刑判決を受け収監中のアブドラ・オジャランPKK指導者が獄中で執筆した著作。かつてマルクス主義者だったオジャランは、のちに思想家ブクチンのリバタリアニズム思想などの影響を受け、多様な社会共同体による民主自治連合を提唱。この思想がロジャヴァ革命の指針とされ、行政・社会機構が構築されつつある。一方で、オジャランへの絶対忠誠やPKKの軍事主体の中央集権構造の実態と矛盾しているという指摘も出ている。

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【YPG・ドイツ人・ケヴィン】 ケヴィンがドイツを出国したのが19歳頃。左はPKK戦闘服、右はYPGの戦闘服姿のケヴィン。彼のクルド名のディルソズは、クルド語で「忠実」という意味。シリア入りの経路は不明だが、2012年に参加したと報じられているので、まずPKKの軍事キャンプに入り、その後、YPGの戦線に移ったのではないか。(支援者のSNS写真より)

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【YPG・ドイツ人・ケヴィン】 2015年7月、ケヴィンはISとの戦いで戦死。YPGに参加し、戦死したドイツ人としてはMLKPのイヴァーナ・ホフマンに続いて2人めとなった。(YPG公表写真より)

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【YPG・ドイツ人・ケヴィン】 ケヴィンが戦死した場所は、シリア北部テルアブヤッド近郊スルックの村落とある。YPGは戦闘員が戦死すると、写真とともに氏名、出身地、両親の名などの情報が公表し、戦死者は「烈士」として扱われる。これで仲間や親族は死を知ることになり、いわゆる「戦死公報」にあたる。ケヴィンは戦死時、22歳。(YPG公表画像より)

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【YPG・ドイツ人・ケヴィン】 ドイツでのケヴィンの葬儀。参列者が運ぶ棺(左)には赤黄緑のロジャヴァ旗がかけられている。(支援者のSNS写真より)

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【YPG・ドイツ人・ケヴィン】 葬儀ではケヴィンの追悼集会も開かれ、親族のほか、支援者、クルド系移民ら数百人が集まった。写真右は母親。(支援者のSNS写真より)

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【YPG・ドイツ人・ケヴィン】 PKK・YPGを「テロ組織」と規定するトルコの治安当局は、YPGに流入するドイツほか各国からの外国人戦闘員を徹底してマークしてきた。これはトルコ紙が掲載したケヴィンの写真。トルコ・メディアは「ドイツ政府の情報機関が7人の工作要員をPKKに派遣、軍事キャンプにいたところをトルコ軍機の空爆、ケヴィン死亡」と報じている。ISとの戦闘で死亡、としたYPG発表とは異なる記事になっている。(2015年・トルコ、タクヴィム紙)

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【YPG・ドイツ人・ケヴィン】 トルコ紙がYPGの外国人戦闘員を「汚なき7人」と見出しをつけて取り上げた記事、右端がケヴィン。トルコ・メディアがセンセーショナルな見出しで報じるような、ドイツ情報機関が当時19歳の左翼活動家ケヴィンをPKKで工作活動させるために送り込むというのは現実性がないと思うが、ドイツ人があいついでYPG入りしているのは確かである。ドイツ政府はIS問題に加え、自国民が次々とシリアに向かい、YPG入りすることに頭を悩ませてきた。(2015年・トルコ、イェニ・シャファク紙)

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【PKK・ドイツ人・アンドレア】 ここで20年ほど時間を遡ってみたい。YPGの実質的な「母体」となったPKKにも、これまで複数のドイツ人ゲリラが加わってきた。そのひとり、ミュンヘン出身のアンドレア・ヴォルフは1996年にPKKゲリラとなった。2年後、トルコ南東部ヴァンで、トルコ軍との戦闘で死亡(33歳)。(ANF通信写真より)

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【PKK・ドイツ人・アンドレア】 アンドレアは、1980年頃から左翼系アウトノーメ運動に身を投じ、銀行放火容疑で逮捕。釈放後は、ドイツ赤軍派RAF)による刑務所爆破事件に関与したとして捜査対象となり、地下に潜伏、その後、密かにクルディスタンに向かった。写真はドイツで左翼系デモに参加していた頃。(追悼記録映像より)

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【PKK・ドイツ人・アンドレア】 当時、ドイツ左翼運動は、暗殺、誘拐、爆弾闘争を繰り返したドイツ赤軍派の「暗い時代」を引きずる閉塞感、ベルリンの壁崩壊の余波、アウトノーメ運動の模索があった。またトルコからの移民・難民のクルド人が、高揚するクルディスタンでのゲリラ闘争に呼応し、ドイツ各地で抗議活動を繰り広げていた時期でもある。これがアンドレアの「時代」だった。写真はドイツにいた頃のアンドレア。(VIKO映像より)

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【PKK・ドイツ人・アンドレア】 写真左がPKKゲリラの頃のアンドレアで、組織内部でのクルド名はロナヒ。右横はおそらくハンブルク出身のエヴァ・ユーンケ(クルドカニ)と思われる。(違ってたらすみません) エヴァは1997年、トルコ軍に拘束され、刑務所で服役後、ドイツに帰国。(VIKO記録映像より)

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【ドイツ・PKK】 1990年代前半、トルコでPKKの闘争が高揚するなか、PKKはヨーロッパ各地でクルド移民・難民らの大衆行動を呼びかけた。最もクルド人の多いドイツでは道路封鎖デモをするなどして機動隊と衝突、大量の逮捕者が出た。ドイツは1993年、国内のPKK組織の活動を禁止し、翌年、クルド新年祭ネウロズ集会に中止命令。これに抗議してクルド人が次々と焼身決起した。写真は自らガソリンをかぶって火をつけ、ドイツ機動隊に突っ込むクルド人男性。(当時の報道映像より)

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【ドイツ・PKK】 1994年、マンハイムで同じくドイツ政府に抗議し、2人のクルド女性、ロナヒ(左)とベリヴァン(右)が焼身決起して死亡。アンドレアの組織内部名ロナヒは写真左の女性ロナヒに由来する。

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【PKK・ドイツ人・アンドレア】 1998年、アンドレアはトルコ・ヴァンでトルコ軍との戦闘で死亡。2013年になって、その場所にアンドレア(ロナヒ)の名を冠したゲリラ追悼墓碑が地元支持者らによって建てられている。このときはトルコ政府とPKKが停戦した時期で、本来禁止のPKK系モニュメントを支持者らが独自に建てる例があいついだ。2年後、停戦は失敗し、再び全面対決。停戦破棄から4か月後、このロナヒ追悼墓碑は、何者かが設置した複数の爆弾によって爆破破壊された。(イェニ・オズギュル・ポリティカ紙写真より)

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【PKK・ドイツ人・アンドレア】 PKKゲリラのドイツ人女性、アンドレアの死から20年。クルド人の闘争はシリア内戦から始まったわけではない。それまでに連綿と続いてきた戦いが背景としてある。いま、シリア・YPGに合流している外国人戦闘員の存在は、これらPKKから続く闘争と「烈士たち」の延長線上にあるともいえる。左は追悼記録のPKK時代のアンドレア。右は追悼ポスター。

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【PKK・ドイツ人】 アンドレアの死後も、複数のドイツ人がPKKゲリラに参加している。写真はいずれもすでに死亡したPKKのドイツ人ゲリラの一部。トルコ政府は、ドイツがIS関係者を取り締まる一方で、同様に「テロ組織」に指定しているはずのPKKへの治安対策は非積極的として批判している。(PKK系メディア公表写真より)

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【PKK・ドイツ人・ヤコブ 昨年6月、トルコ南東部のイラク国境付近でのトルコ軍との戦闘で死亡したドイツ人、ハンブルク出身のヤコブ・リーマー(戦死時・23歳)。サッカーと音楽が好きだった少年は、のちにゲバラに憧れ、19歳でPKKゲリラに。トルコ・メディアは「ヤコブはPKKが騙して拉致し、洗脳」などとしている。ハンブルクではPKK系デモや集会に参加していたようなので、自身の意志で志願したとみられるが、親は同意していないだろうし、まだ10代の少年なら、たとえ本人が希望してもPKKは止めるなりすべきとは思う。右のゲリラ姿の写真を見ると複雑な気持ちになる。(左:ヤコブ追悼映像・右:PKK公表写真より)

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【PKK・ドイツ人・ヤコブ】 映像に登場したドイツ人ゲリラのなかでヤコブが一番クルド語が上手かった。かつてアンドレアがPKK映像に登場した際は、トルコ語で話していた。トルコの同化政策で、当時はクルド人でさえクルド語の政治用語を知らず、初期のPKKはトルコ語がメインだった。その後、徐々にクルド語比率が増える。PKKのドイツ人ゲリラ、そしてYPGのケヴィンも流暢にクルド語を話していたのは、時間の経過と変化を感じさせる。写真はヤコブ・リーマー。(PKK系メディア映像より)

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【PKK・ドイツ人・ミヒャエル】 ポツダム出身のミヒャエル・パンザー。「ドイツで左翼運動にかかわるなかでオジャラン思想に出会い、クルディスタン革命闘争への加わることを決意」とクルド語で話す。YPGの外国人戦闘員にはクルド語をできない者が多数いるのに比べ、PKKのドイツ人ゲリラはわずかしかいないが、左翼活動歴があって思想性や組織忠誠度も強固で、クルド語も高いレベルで習得している。ミヒャエルは昨年12月、トルコ軍の空爆で死亡(戦死時・30歳)。(ANF通信映像より)

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【YPG・ドイツ人・ケヴィン】 ドイツでクルド女性2人が焼身決起した前年、ケヴィンは生まれている。その彼は、シリア内戦でクルド組織YPGに加わり、22歳で戦死。ドイツ人ケヴィンもまたアンドレアと同じく、「クルディスタン解放闘争に殉じた烈士」とされた。右はケヴィンの墓。「民主連合主義は僕の新たな希望となった」と冒頭の動画で彼が語った言葉が刻まれている。(支援者のSNS写真より)

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【YPG・ドイツ人・ケヴィン】 ISの台頭、ISに加わる数百ものドイツ国籍者、イラク、シリアからの大量の難民、ネオナチだけでなく一般市民にも渦巻く外国人排斥の風潮、それと対峙する左翼運動、国内でもあいつぐISの襲撃事件。これらの背景のなかから、YPGの戦いに合流してくるドイツ人たちが登場した。(ANHA通信写真より)

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【YPG・ドイツ人・ケヴィン】 2017年の段階でドイツ当局は、200人以上のドイツ国籍者がイラク・シリアに入り、YPGなどのクルド勢力に参加、と報告。現在はのべ300人に達したもいわれる。さらにYPGで任務を終えた130名以上がシリアからドイツに戻っていて、今後、戦闘経験のある彼らがドイツ国内でYPGの窓口となったり、左翼運動で支援活動を拡大させる可能性も。ドイツ、トルコの治安当局は動向を注視している。(ANHA通信写真より)

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【YPG・ドイツ人・ケヴィン】 ドイツでケヴィン追悼の横断幕を掲げる支援者ら。「怒りと哀悼を抵抗闘争に! ケヴィンは我らの戦いのなかに生き続ける」とある。ドイツ内務省の報告では、YPGに加わって戦死したドイツ人は、昨年の時点で21名。ISとの戦闘だけでなく、トルコ軍の空爆での死者も出ている。(支援者のSNS写真より)

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【PKK・YPG】 PKKやYPGは、闘争に連帯を表明した外国人を、「クルドの友」と見ただろうし、自分たちの戦いの共鳴者がいるのだ、と積極的にアピールもした。地元戦闘員が不足しているわけでもないなか、シリアで数百人規模で外国人を受け入たのには、それなりの政治的思惑もあるだろう。アンドレアの死から約20年。今日につながる時間軸のなかで、ケヴィンらドイツ人たちがクルドの戦いに続き、殉じている。写真はケヴィン。(支援者のSNS写真より)
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連載2【シリア・クルド】国際義勇部隊登場の背景(写真20枚)~シリア入りしたクルド同胞とトルコ左翼

◆シリア・コバニをめぐるISとクルド攻防戦のなかで
武装組織イスラム国(IS)が2014年を境に勢力を拡大し、欧米でIS関連テロが頻発するようになると、シリアでISと戦うクルド・人民防衛隊(YPG)に国際社会の注目が集まった。YPGに合流したのが、ISとの戦うために志願したシリア人以外の戦闘員だ。トルコのクルド人がYPGのクルド同胞支援で駆けつけたほか、トルコ左翼組織、のちには欧米諸国からの志願者があいつぐ。ISには各国から外国人戦闘員が加わったが、ここではクルド・YPG勢力側の「外国人戦闘員」について連載で考察。
【第1回】【第2回】【第3】【第4回】【第5回】【第6回】【第7回】

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【シリア・IS】 写真はコバニに侵攻するIS戦闘員。2014年9月、ISはコバニへの総攻撃を開始、十万を超える住民がトルコ国境を越えて逃れた事態となった。クルド・YPGは町にとどまり、必至の抵抗を続けるも、ISの圧倒的な装備や狙撃、自爆突撃の前に苦戦。コバニは完全に包囲された。(2014年・IS系アマーク通信映像)

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【YPG・YPJ】 コバニがISに陥落する寸前にまでなったなか、その防衛戦にトルコのクルド人がYPGに志願。写真はコバニでISとの前線にいたトルコからのクルド人戦闘員。トルコで主要なクルド方言クルマンジはシリア・クルド地域とほぼ同じであり、YPGは「故郷をともにするクルド人同胞」と位置付けているので、外国人という表現がふさわしいかどうかは別にして、トルコから少なからぬ数の応援クルド人がYPG支援のためにシリアに入った。(2014年12月・コバニ・撮影:坂本)

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【YPG・YPJ】 写真右端の女性はトルコ・ディヤルバクル近郊ビスミル出身のホウィンダ。この日、食事当番だった彼女が作った前線メシを一緒に食べる。「クルド同胞の町をISから守り抜くために来た。命は惜しくない」と話した。この10日後、ISとの戦闘で戦死。24歳だった。(2014年12月・コバニ・撮影:坂本)

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【YPG・YPJ】 ホウィンダ(本名ギュルスム)が戦死した際にYPGの女性部門YPJが公表した写真。ほかに氏名、出身地、戦死日、場所も死亡時に発表される。ホウィンダはクルド語で「血を捧げる」という意味でもある。PKKのオジャラン指導者がトルコ・ウルファ出身で、ウルファに国境を接するコバニを防衛することは政治的意味もあった。トルコ出身でも、クルド同胞の場合は、YPG・YPJの戦列で地元シリアのクルド人とともに戦っている。(YPJ公表写真より)

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【YPG・YPJ】 戦死したホウィンダの遺体はトルコに運ばれ、故郷の村で埋葬された。写真は当時、地元メディアが報じたホウィンダの故郷ビスミルでの葬儀で、棺を運ぶ親族や支持者ら。棺はクルディスタン労働者党(PKK)系組織KCKの旗、緑赤黄のロジャヴァ(シリア・クルド地域)旗に包まれている。右にはオジャラン指導者の旗も。トルコでは「テロ組織宣伝物」として禁止されている旗である。(地元メディア写真より)

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【シリア北部・TKP/ML】 ここからはトルコからの武装左翼について。シリア・コバニ攻防戦では、クルド人YPG志願者に加え、トルコ武装左翼組織も義勇戦闘員を送りはじめた。写真はコバニでYPG指揮下で戦うトルコ左翼組織。志願した外国人義勇戦闘員は「エンタルナショナル(=インターナショナル)」、国際主義者と総称される。(2014年・TKP/ML公表写真)

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【シリア北部・TKP/ML】 2014年当時、コバニでのトルコ武装左翼組織の主体はTKP/ML(トルコ共産党マルクス・レーニン主義派)とMLKP(マルクス・レーニン主義共産党)。写真はコバニのTKP/MLの武装部門・トルコ労農解放軍(TiKKO)戦闘員。(2014年・TKP/ML公表写真)

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【シリア北部・TKP/ML】 コバニのTKP/ML・TiKKOの戦闘員。横断幕は「党と革命ー 戦死烈士たちは死なず」(=殉死した同志たちの精神・魂は生き続ける、という意味)。ISとの戦いと並行して、政治メッセージを込めたプロパガンダ発信が次第に増える。(2015年・TKP/ML公表写真)

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【シリア北部・TKP/ML】 これもTKP/ML。トルコ武装左翼がYPGと合流した系統は大きく2つあって、ひとつはPKKのイラク北部拠点にいたトルコ左翼部隊がシリア北部に派遣した要員、もうひとつは、各派が志願を募り、トルコ国境を密かに越境してきた新たな戦闘員ら。(2015年・TKP/ML公表写真)

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【シリア北部・TKP/ML】 コバニの左のTKP/ML。写真左の壁の肖像ポスターはTKP/MLの創設者イブラヒム・カイパッカヤで、マルクスレーニンスターリン毛沢東主義に立脚した党建設を目指した。1973年にトゥンジェリでトルコ治安部隊に拘束され、ディヤルバクルの刑務所で死亡。TKP/MLはいまもカイパッカヤ思想を党領導原則としている。(2015年・TKP/ML公表写真)

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【シリア北部・TKP/ML】 写真はTKP/ML戦闘員。「カイパッカヤはコバニで生き、戦っている」とある。YPGは2015年1月下旬、「ISの主要部隊をコバニから撤退させた」として防衛戦の勝利を宣言。ISのコバニ包囲と前線での戦闘は続くが、町の中心部への侵攻は阻止した。(2015年・TKP/ML公表写真)

【動画】コバニ戦・IS拠点への空爆

米軍がIS掃討のシリア空爆を開始したのは2014年9月で、ISと戦うクルド組織・YPGに空爆支援。YPGが地上でISの拠点陣地の位置情報を有志連合司令部に伝え、米軍などの戦闘機や攻撃型ドロ-ンがピンポイントで爆撃し目標破壊。その支援なくしてはISと戦い抜けなかった。トルコ武装左翼は「米帝国主義打倒」とするが、結果的にその「米帝」の軍事支援を受けてISと戦うという構図に。(2014年12月下旬映像・撮影:坂本)

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【シリア北部・米軍の武器投下】 ISの包囲下のコバニで武器・弾薬が尽きかけたYPGに米軍機が支援弾薬コンテナを上空からパラシュートで投下。一部は風に流され、誤ってISエリアに。これはその一部をISが公開したもので、手榴弾が映っている。米軍からの支援はIS掃討戦が拡大するなか、増加していく。YPG指揮下で戦うトルコ左翼にとっては、初期の段階ですでにこの「矛盾」が起きていた。(2014年・IS系アマーク通信写真)

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【トルコ・シリア国境】 トルコ・シリア国境の町でシリア入りの準備をしていたトルコ左翼組織の青年らと会って取材したときの写真。 TKP/MLとMLKPのメンバーたちは、いずれも「ISとの戦いは革命闘争の一部」「さらに義勇戦闘員を送り込む」と話していた。(2014年・トルコ・撮影:坂本)

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【シリア北部・MLKP】 これは別のトルコ左翼組織、MLKP(マルクス・レーニン主義共産党)。MLKPはマルクスレーニンスターリンに加え、かつてのアルバニア労働党指導者エンベル・ホッジャのホッジャ主義に立脚。日本ではスターリン主義は否定的に受け止められるが、トルコの武装左翼にはスターリン主義を明確に堅持する組織がけっこうある。写真右のM16はおそらくISがイラク軍から奪ってシリアの戦線で使っていたたものを、奪いとったと思われる。 (MLKP公表写真)

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【シリア北部・MLKP】 MLKPの戦闘員。トルコ武装左翼各派がYPGと共闘した背景として、トルコと対峙するクルド組織・YPGに合流する形で、各派ともISやエルドアン政権との戦いを「目に見える」形で武装闘争として示せる思惑もあったようだ。また拠点建設とプロパガンダにおいても、意味は大きかったと見られる。(MLKP公表写真)

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【シリア北部・MLKP】 トルコ語で「ロジャヴァ(シリア・クルド地域)での革命勝利のため、MLKPの戦列に加わり、革命を防衛せよ!」とある。トルコ左翼各派とも、シリア内戦での戦いを革命闘争と位置付けていた。

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【シリア北部・MLKP】 シリアでのISとの戦闘が続くなか、トルコ左翼にも戦死者が出始める。初期の戦死のひとりが、ISとの攻防戦のなか、コバニ南部の前線で2014年12月に戦死したMLKPのサルヤ・オズギュル。(2014年・MLKP公表写真)

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【シリア北部・MLKP】 サルヤ・オズギュル(本名スィベル・ブルット)は1986年、トルコ・トゥンジェリ出身で、28歳で戦死。遺体は運ぶことができず、のちに遺髪のみシリアから故郷のトウンジェリに運ばれ、MLKP党旗がかけられた棺に入れられ埋葬された。(2014年12月いずれもMLKP公表写真)

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【シリア北部・MLKP】 トルコ武装左翼各派は、戦闘員が戦死すると「革命英雄烈士」と称える。そして「遺志を継ぎ、革命戦争へ」とさらなる志願者の呼びかけがなされる。戦死したMLKPのサルヤ・オズギュルを「殉死烈士」と称えている。(2017年・ANF通信写真)

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【シリア北部・MLKP】 2014年にシリア・コバニに入ったMLKPの初期部隊は、革命詩に音楽をのせた映像クリップをネットで発信するなどしていた。MLKPもTKP/ML同様に、映像やネット発信でプロパガンダを拡大させていく。(2014年・MLKP公表映像より)

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【シリア北部・コバニ】 IS包囲下のコバニを取材した際の写真。当時はTKP/ML・TiKKOやMLKPらトルコ左翼は十数人ほどしかいなかったが、町のいたるところでスローガンばかり目立った。これら過度なプロパガンダ行為は、このあと外国人戦闘員が結成した国際自由大隊(IFB)の左翼諸派にも共通し、一部組織の処分問題にもつながった。これについては、のちに触れたい。コバニ防衛後、市内のトルコ左翼スローガンは、YPG司令官が消すように指示を出した。(2014年12月・コバニ・撮影:坂本) 第3回へ >>

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IS機関紙ナバア・ヘッドライン【12】(2019年5~8月)180~197号

◆IS機関紙ナバア(2019年1~4月)163~178号
イスラム国(IS)機関紙 アン・ナバアのヘッドライン
◆ISの週刊発行プロパガンダ紙であり、いずれもIS大本営発表(IS動向の検証資料として掲載しています。残酷画像は一部ぼかし処理しています)
※印はメディア報道情報などをもとにした注釈 Research + Analysis

一覧】【】【】【】【】【】【】【】【1011【12】

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IS機関紙ナバア(180号)◆ホムスでシリア政府軍殺害◆エジプト軍攻撃◆チェチェンでカディロフ派チェチェン兵殺害◆ニジェール・ディファで国境なき医師団スタッフ襲撃(※ISは「十字軍支援スパイ機関」と表現)◆バグダディ映像要旨(※2019年4月30日、バグダディは5年ぶりに公式映像に登場)◆6日間「戦果」計73作戦243名以上殺傷◆2019/05/02

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IS機関紙ナバア(181号)◆リビア・セブハで民兵軍事区域に侵攻戦、捕囚200人解放◆ラッカでPKK(YPG・SDFを指す)5名を消音銃で暗殺◆アフガン軍・十字軍に攻撃戦◆ナイジェリア軍兵士10名殺害◆コンゴ軍兵士多数殺傷◆6日間「戦果」計57作戦168名以上殺傷◆2019/05/09

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IS機関紙ナバア(182号)◆リビア・フェザン連続戦闘◆ニジェール刑務所襲撃◆カシミール・ショピアンでインド軍殺傷◆パキスタン・クエッタで警官とタリバン殺害◆ソマリア兵殺害◆6日間「戦果」計78作戦291名以上殺傷◆※今回からインド県(州)・パキスタン県なる表記登場◆2019/05/16

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IS機関紙ナバア(183号)◆シナイ半島・エジプト軍に連続攻撃◆シリア・マンビジで治安本部自爆攻撃、シャダーディで十字軍に自爆攻撃◆パキスタンで警官2名殺害◆イラク・シリア農畑焼討ち戦(※畑焼き討ちはシリア・イラクで拡大し、農作物以外に高価な農機具も消失するなど農家に甚大な被害が出ている。農民のほとんどがイスラム教徒だが、ISは「背教徒の協力者」などと決めつけ、無差別放火戦術をさらに拡大させている)◆ジプト・ギザ爆発はニュース言及のみ◆6日間「戦果」計84作戦299名以上殺傷◆2019/05/24

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IS機関紙ナバア(184号)◆シリア・デリゾールでPKK(=YPG・SDF)41名、ラッカ15名殺傷◆アフガン軍ら19名殺傷◆アンバルでイラク軍・民兵45名殺傷◆チャド・カメルーン連合軍攻撃◆コンゴで国連軍兵士多数殺害◆6日間「戦果」計96作戦280名以上殺傷◆2019/05/31

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IS機関紙ナバア(185号)◆シナイ、エルアリシュで士官含むエジプト軍・警察15名殺傷、クーガー装甲車ほか軍用車両破壊◆中央アフリカ・IS部隊がコンゴ、ベニで政府軍・国連軍攻撃、武器多数鹵獲、モザンビーク、モシンボアでも軍を襲撃シリア・デリゾール南東アブ・ハマムでPKK(YPG・SDFを指す)に連続爆破戦38名殺傷◆ラッカで自爆攻撃30名殺傷◆アフガニスタン・カブールで政府軍に自爆突撃3作戦◆クナルでタリバン排撃戦◆ラマダン月「戦果」3日間で計61攻撃332名殺傷◆2019/06/07

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IS機関紙ナバア(186号)◆ホムスのスフナにIS部隊再展開、シリア政府軍14名殺害 ※2015 年にISがスフナ制圧した関連記事  ◆ラッカで治安部隊地区司令官殺害◆タジキスタン刑務所での囚人決起はIS兵士◆ナイジェリア・マイドゥグリとニジェール・ディファで両軍部隊攻撃◆ディアラでイラク軍・シーア派バドル民兵(スパイ含む)7名殺傷◆タラファルとシンジャルで農作物焼き討ち戦◆6日間「戦果」66作戦、200名以上殺傷◆ラマダン月1か月総計371攻撃1457名以上殺傷◆2019/06/14

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IS機関紙ナバア(187号)◆IS西アフリカ、ナイジェリア・ボルノで軍拠点襲撃◆マリ・メナカでフランス軍ヘリ撃墜◆ニジェール・ニアメで米軍車両をIED爆破攻撃◆リビアでハフタル派民兵攻撃◆アフガン・ジャララバードで政府派民兵攻撃、クナルでタリバン殲滅戦◆シリア・カミシュリでPKK(YPG・SDFを指す)治安情報機関に車両爆弾◆各地で畑焼き討ち戦◆6日間「戦果」計61 作戦285名以上殺傷◆2019/06/21

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IS機関紙ナバア(188号)◆アフガニスタン・クナルでタリバン殲滅戦、ナンガハルで警察・民兵に爆破戦◆シナイ、エルアリシュでエジプト警察20名殺傷ほか空港防護壁工事労働者殺害◆シナイのジハードの展望◆チャド湖近郊でアフリカ連合軍に自爆攻撃◆コンゴ北東ベニでコンゴ軍拠点攻撃9名殺害◆チェチェン・グロズヌイでカディロフ邸ゲートで警備隊銃撃殺傷◆バグダッドで殉教自爆攻撃40名殺傷◆ソマリアモガディシュとボサソで警官暗殺◆フィリピン・スール・ホロ島で軍部隊と交戦、パテイクルでは政府スパイ処断◆シリア・ハイル(デリゾール)でPKK(YPG・SDFを指す)要員10名殺傷◆6日間「戦果」総計60 作戦285名以上殺傷◆2019/06/28

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IS機関紙ナバア(189号)◆ニジェール西部のマリ国境付近の軍基地に連続自爆突撃含む大規模戦、60名殺傷、米仏軍の空爆はねのけ勝利◆アフガニスタン・カブールで治安部隊に爆破戦、ナンガハルではタリバン殲滅◆シナイ、エルアリシュ、ラファなどでエジプト軍に爆破戦、スパイ3名処断◆チュニジア治安部隊に自爆攻撃3作戦◆フィリピン・スール・ホロ島で「対テロ」部隊キャンプに2戦士が自爆攻撃、100名殺傷◆コンゴ・ベニで今後軍駐屯地攻撃◆アゼルバイジャンの戦士らがバグダディ師への忠誠表明◆イエメン・キファでアルカイダ6名殲滅◆パキスタン・ペシャワルのタリバン幹部暗殺◆レバノントリポリレバノン軍・治安部隊をIS兵士が銃撃したのち自爆◆ハイル(デリゾール)ハジンでPKK(YPG・SDFを指す)部隊指揮官含む10名殺傷◆6日間「戦果」総計66 作戦454名以上殺傷◆2019/07/04

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IS機関紙ナバア(190号)◆アフガニスタン・ナンガハルで政府民兵拠点焼き討ちほかタリバン殲滅戦◆イラク・ディアラでシーア派民兵・部族民兵攻撃、21名殺傷◆デリゾールでPKK(YPG・SDFを指す)銃撃と爆破攻撃、計24名殺傷◆中央アフリカモザンビーク・ナンガデで軍部隊に連続攻撃◆西アフリカ、ナイジェリア・ボルノで軍部隊攻撃、計25名殺害◆ソマリア・ボサソで警官2名暗殺◆バグダッド北方で部族民兵待ち伏せ戦、20名殺傷◆図:シナイ・エルアリシュでのエジプト軍との戦闘◆バグダッド北で部族民兵待ち伏せ戦、20名殺傷◆ジハード戦士列伝・アブ・アーセム・スーダニ◆6日間「戦果」総計67 作戦250名以上殺傷◆2019/07/11

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IS機関紙ナバア(191号)◆ハイル(デリゾール)でPKK(SDF・YPGを指す)・十字軍同盟多数殺傷、郊外の司令拠点に自爆戦◆論説:イランやスンニ派背教勢力と結託するハマス批判◆バラカ(ハサカ)・カミシュリでキリスト教武装集団ら集まる教会に爆弾攻撃◆アフガニスタン政府派部族民兵らに自爆戦、62名殺傷、ナンガハルでタリバン殲滅戦、拠点制圧◆ソマリア、ボサソとモガデシュで警官殺害◆イエメン・ベイダでアルカイダ3名殲滅◆コンゴ、ベニで軍部隊襲撃13名殺害◆ディアラでイラク軍・シーア民兵に爆破戦、対テロ情報機関の准将負傷◆シナイ、エジプト軍スパイ4名処断◆6日間「戦果」総計58作戦401名以上殺傷◆2019/07/18

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IS機関紙ナバア(192号)◆アフガニスタン各地でタリバン拠点奇襲・殲滅戦、カブールで警察攻撃、ナンガハルで政府派民兵拠点焼き討ち◆パキスタン・クエッタでもタリバン殲滅◆シナイ、ラファでエジプト軍ブルドーザーほか車両破壊、シェイク・ズワイドで自爆攻撃◆シリア・ハサカでバイク爆弾などの連続爆破戦、PKK(SDF・YPGを指す)ら9名殺傷、デリゾールでも各地で攻撃、31名殺傷◆バングラデシュダッカで警察検問所に爆破攻撃2作戦◆イラク・ディアラでシーア民兵・部族民兵らに爆破戦◆ディアラでの半年間の狙撃戦統計・82作戦・殺害39・負傷43◆ナイジェリア、ヨベとボルノで軍部隊攻撃、ニジェールでは軍関係者殺害◆6日間「戦果」総計61作戦196名以上殺傷◆2019/07/25

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IS機関紙ナバア(193号)◆シリア・デリゾールでPKK(SDF・YPGを指す)にIED爆破戦・銃撃で連続攻撃、幹部級含む31名殺傷、ハサカでは21名殺傷◆ダラアでシリア政府軍に自爆攻撃18名殺傷◆アフガニスタン東部トラボラでタリバン殲滅戦、拠点攻撃35名殺傷◆イラクキルクークで石油施設警備の警察部隊に爆破戦◆ナイジェリア北東ボルノで軍部隊に連続攻撃50名殺傷・武器多数鹵獲◆モザンビークで軍関係者4名殺傷、コンゴ・ベニでも軍部隊攻撃◆イエメン・キファでアルカイダ要員2名殲滅◆ミンダナオでフィリピン軍攻撃27名殺傷◆6日間「戦果」計62作戦241名以上殺傷◆2019/08/01

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IS機関紙ナバア(194号)◆アフガニスタン・クナルやナンガハルなど各地でタリバン、政府軍、警官、政府派民兵ら計120名殺傷◆イラク・ディアラで軍・シーア民兵32名殺傷◆バグダッドで爆破戦、シーア派・背教徒40名以上殺傷◆バグダッド北方で警官・部族民兵攻撃、計40名以上殺傷◆ハサカで連続攻撃、バイク爆弾などでPKK(SDF・YPGを指す)幹部含む多数殺傷◆デリゾールでは7名殺傷◆ラッカでは行政役人含むPKK要員6名殺害、家屋を爆破◆ホムスでシリア政府軍車列待ち伏せ戦、5名殺害、武器多数鹵獲◆ソマリア・ボサソでプントランド元閣僚を標的、警護要員殺害◆パキスタン・クエッタで軍に対し爆破戦闘2作戦◆イエメン・アデンでUAEが支援する治安部隊(SBF)襲撃(※この翌日にはアルカイダ系組織も同様にSBF部隊を襲撃)◆モザンビーク、カボ・デルガードでキリスト教徒村落の家屋焼き討ち◆6日間「戦果」計96作戦411名以上殺傷◆2019/08/08

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IS機関紙ナバア(195号)◆シリア・デリゾールでPKK(SDF・YPGを指す)要員41名殺傷、車両7台破壊、連続爆破戦で地元評議員標的、ハサカではPKK要員10名殺傷◆イラクシルカートでパトロール中の米兵攻撃、米軍軍曹殺害ほか他負傷◆ハサカでPKK要員10名殺傷、車両5台破壊、部隊指揮官を負傷◆西アフリカ・ナイジェリア・ボルノで軍部隊攻撃20名殺傷、車両多数鹵獲◆アフガンで警察・タリバン・政府派民兵殲滅戦、腐敗撲滅委員会要員標的、治安機関負傷◆イエメンでアルカイダ要員爆殺、アデンではイエメン軍軍曹暗殺◆ファルージャイラク警察潜入要員3名爆破処断◆モザンビーク。カーボ・デルガードでモザンビーク十字軍焼き討ち◆フィリピンで連続2爆破戦闘◆ソマリア・ボサソ・パトロール隊に爆破戦、モガデシュでは警察殺害◆6日間「戦果」計66作戦213名以上殺傷◆2019/08/16

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IS機関紙ナバア(196号)◆アフガン・カブールでシーア派と警察にカリフ国兵士アブ・アシム・パキスタニが自爆攻撃、約400名殺傷(※2019年8月17日、カブールの結婚式場で自爆攻撃、63名が死亡、182人が負傷。シーア派ハザラ人の結婚披露宴を狙ったとみられるが、スンニ派の参列者もいた)◆フィリピン・ミンダナオとスール・パティクルで警察・群・民兵ら計16名殺害◆シリア・デリゾールでPKK(SDF・YPGを指す)に連続攻撃、14名殺傷、カミシュリで爆弾攻撃6名殺害◆バグダッドで警察部隊に連続爆破戦、約40 名殺傷◆チャドで軍部隊に迫撃弾◆6日間「戦果」計45作戦530名以上殺傷◆2019/08/23

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IS機関紙ナバア(197号)◆イエメンでアルカイダに大規模戦、拠点攻撃15名殲滅◆アフガニスタン、ナンガハル、ジャララバードで警察、政府民兵7名殺害◆イラク・ディアラで警察18名殺傷◆シリア・タブカでPKK(SDF・YPGを指す)に連続作戦、13名殺傷◆シナイでエジプト軍中佐殺害、軍用車両複数破壊◆ニジェールとナイジェリア軍に連続攻撃、兵士殺害◆チャド湖エリアでチャド軍に砲撃◆イエメン県バイダ管区アミール(司令官)インタビュー「ハーディー政権派と結託するアルカイダ殲滅を」◆6日間「戦果」計47作戦166名以上殺傷◆2019/08/30

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連載1【シリア・クルド】国際義勇部隊登場の背景(写真24枚)シリア内戦「以前」の状況~PKKとトルコ武装左翼諸派・TKP/MLほか各派

◆シリア内戦「以前」におけるPKKとトルコ武装左翼
シリアでクルド・人民防衛隊(YPG)とシリア民主軍(SDF)が展開してきたイスラム国(IS)との戦い。そこにはシリア国外から左翼系の義勇戦闘員も参加している。2015年には国際部隊が結成され、トルコ武装左翼各派、のちには欧米からも左翼系の志願者が増加。ISとの戦いの一方、その戦いがこれら左翼組織のプロパガンダともなっている。第1回は、トルコ武装左翼がロジャヴァでの戦いに合流する以前の「前段状況」と、PKKについてあわせて見ていきたい。
【第1回】【第2回】【第3】【第4回】【第5回】【第6回】【第7回】

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【トルコでの前段状況】トルコの非合法武装左翼組織は、都市部や山岳部で爆弾闘争や治安機関襲撃を続けてきた。写真は山岳地帯の拠点で活動するTKP/ML(トルコ共産党マルクス・レーニン主義派)の武装部隊・トルコ労農解放軍(TiKKO)。基本イデオロギーマルクスレーニンスターリン、そして毛沢東主義。(TKP/ML公表写真)

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【トルコでの前段状況】 図はISが勢力を急拡大した2014 年10月時点。トルコ武装左翼ゲリラはトルコ南東部トゥンジェリのムンズール峡谷などが拠点。クルディスタン労働者党(PKK)はトルコ・イラク国境一帯の山岳地帯を中心に活動。トルコ国内に支配地域はなく、ゲリラ的な出没という形。PKKは35年以上にわたりトルコ軍や治安機関を狙った攻撃や爆弾闘争を繰り返してきた。ただし山奥で数十人で行動するトルコ武装左翼と、南東部全域でトルコ軍と対峙するPKKゲリラは規模が違う。2012年からシリア内戦が激化すると、トルコ左翼組織の一部がシリア北部に向かい、YPGに合流。2014年8月にISがイラク北西部シンジャルを襲撃した際は、撤退したクルドペシュメルガ部隊がいたこの地域に入り、ISと対峙した。

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【トルコでの前段状況】写真はTKP/MLのTiKKO。トルコ・トゥンジェリ(クルド地名・デルスィム)が左翼拠点になった理由として、この地方の住民の多くがスンニ派よりリベラルかつ歴史的に抑圧されてきたアレヴィ教徒であること、そしてクルド民族ザザ人の住民が多く、過去にクルド蜂起が起きた土壌があったことなどが挙げられる。(TKP/ML公表写真)

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これもTiKKO。日本だと左翼セクトオルグされるのは大学などであるが、トルコは親族や地域のつながりで組織に加わる例も多い。また家族がアレヴィ教徒やザザ・クルドなど、血縁・地縁が強いのもトルコ左翼の特徴。(TKP/ML公表写真)

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【トルコでの前段状況】トルコトゥンジェリ・エルジンジャン一帯の山岳地帯を拠点にするPKKやトルコ武装左翼組織。ときおり山間部で独自に「検問」を設置し、車両をチェック。敵とみなした車両やトラックに放火したり、路肩爆弾でトルコ軍・警察を狙うことも。(2015年・地元メディア写真)

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【トルコでの前段状況】こちらはMLKP(マルクス・レーニン主義共産党武装左翼組織はトルコ南東部トゥンジェリ渓谷一帯を潜伏地としたほか、一部組織はPKKに部分共闘する形で合流。写真はPKKのクルド式戦闘服を着ているが、MLKP戦闘員ら。赤スカーフが特徴。(MLKP公表写真)

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【トルコでの前段状況】イスタンブールでアレヴィ教徒の礼拝を取材した際のもの。アレヴィはシーア派の流れをくむが、礼拝が高揚するとセマと呼ばれる舞踏を囲み信徒が陶酔状態になりスーフィズム要素も。信徒は自身がシーア派の一派という認識はほとんどない。トルコ武装左翼すべてがアレヴィというわけではないものの、重要なファクターのひとつ。左翼組織幹部層にはアレヴィやクルド・ザザが多く、家族や地域性も大きく影響している。スンニ派原理主義者からはアレヴィは「邪教」と敵視され、1993 年にはスィヴァスで35人が焼殺される事件も起きた。(イスタンブール:撮影・坂本)

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【トルコでの前段状況】トゥンジェリのムンズール渓谷とその近郊では、トルコ軍や治安部隊がPKKや武装左翼に対する掃討作戦を進める。(2016年・トルコ軍公表写真)

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【トルコでの前段状況】武装ゲリラは奥深い峡谷地帯の洞窟などに分散して潜伏しているので、摘発や掃討も容易ではない。中央に小さく映っているのがトルコ軍部隊。(2016年・トルコ軍公表写真)

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【トルコでの前段状況】トルコ軍がPKKの潜伏拠点一帯で洞窟を捜索する様子。洞窟や塹壕に潜み、仕掛け爆弾などでトルコ兵の犠牲もあいつぐ。身を隠しながら移動できる険しい渓谷があった地理的要因もトンジェリが拠点のひとつとなった理由。(2016年・トルコ軍公表写真)

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【トルコでの前段状況】写真はトルコ憲兵隊(ジャンダルマ)がトゥンジェリでTKP/MLのゲリラを殺害し、押収した武器類。TKP/MLやMLKPなど武装左翼各派の攻撃では、治安機関だけでなく民間人も巻き込まれ、犠牲となってきた。トルコ政府は「テロ組織」と規定している。(2016年トルコ・ジャンダルマ公表写真)

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【トルコでの前段状況】左がTKP/ML(トルコ共産党マルクス・レーニン主義派)、右はその武装部門、トルコ労農解放軍(TiKKO=ティッコと発音)。歯車が労働者、麦穂が農民を象徴し、中央にカラシニコフ銃。自分の取材経験としては、それぞれのメンバー個人は革命への情熱に燃える人たちだったが、組織としては左翼的なガチガチさが貫かれていた。イスタンブールの労働者地区で小学校前で政府批判のスローガンとともに爆弾が置かれているのを見たときは、さすがに彼らの「闘争」が理解できなかった。なおトルコ共産党(TKP)は合法党で、このTKP/ML派とは別。

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【トルコでの前段状況】TKP/MLは毛沢東主義を指針とし、「農村から都市を包囲する」としてトルコの山岳地帯を拠点に治安部隊を襲撃するパルチザン戦を展開。写真は治安部隊との衝突で死亡したTKP/ML戦闘員の葬儀。たいてい警察は阻止しようとするが、これだけの親族や支援者らが集まる。左の建物はイスラム教のモスクではなく、アリの肖像やスローガンもあるアレヴィ教の礼拝集会施設ジェメヴィ。戦死した戦闘員の家族もアレヴィ教徒とみられる。(2016年5月・TKP/ML公表写真)

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【トルコでの前段状況】これは別の武装左翼組織、MKP(毛沢東主義共産党)。毛沢東主義のTKP/MLからはいくつも小セクトが分派。TKP(ML)=※ML派のカッコとスラッシュが違う。TKP(ML)のアナトリア委員会グループが中心にMKPに。党としてのMKPのもとに、農村部門・人民解放軍(HKO)と都市部門・パルチザン人民隊(PHG)がある。武装経験があったこれら組織がシリアに戦闘部隊を送りこんでいった。日本の過激派セクト各派を一般人は区別できないように、トルコ左翼諸派も複雑。(MKP公表写真)

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【PKK初期・ベッカー高原トルコではクルド民族運動も続いてきた。クルディスタン労働者党(PKK)はおもにトルコで武装闘争を展開。PKKは、1978年に結成後、レバノン北部ベッカー高原に軍事キャンプを建設。1980年のトルコ軍事クーデターで社会運動が徹底弾圧されるなか、国外で武装化を図った。写真はベッカー高原にあったPKKのマハスム・コルクマズ軍事キャンプ。レバノンベッカー高原では、パレスチナ組織各派が軍事キャンプを設営、かつてPFLP(パレスチナ解放人民戦線)系のキャンプには日本赤軍もいた。なお日本赤軍とPKKとは無関係。(PKK公表写真より)

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【PKK初期・ベッカー高原PKKにとっては、ゲリラ根拠地をトルコでの武装闘争への出撃拠点にする方針があった。レバノンベッカー高原に場所を提供し、PKKに庇護を与えたシリア・アサド政権にとっては、PKKの武装闘争がトルコに対する政治カードになるとの思惑もあった。写真は1990年代のベッカー高原のPKK軍事キャンプ。中央がPKK指導者アブドラ・オジャラン(トルコ・ウルファ出身)。99年にケニアでトルコ当局に拘束されたのち、死刑判決を受け、現在も収監中。(PKK公表写真より)

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【PKK初期】PKK建党初期の1982年、シリアで開かれたPKK第2回党大会。マルクス・エンゲルスレーニンの肖像に「鎌と槌」の赤い星が当時の思想性を反映。上のスローガンは「(クルディスタンの)独立とプロレタリア・インターナショナル万歳」。ただし70年代の世界各地の民族解放闘争と同様、クルド政党各派も少なからず社会主義志向があった。PKKが他党派と違ったのは、自爆攻撃すらいとわないゲリラ闘争の過激さである。(PKK公表写真より)

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【PKK初期】PKKのオジャラン議長。中央の旗が当時の「PKK党旗」。左はPKKの大衆組織、クルディスタン民族解放戦線(ERNK)、右は軍事組織、クルディスタン人民解放軍(ARGK)。ソ連崩壊後、党旗の「鎌と槌」はなくし、さらに議長逮捕後は、名称変更など路線が揺れた。ARGKは改編され、旗は現在のPKK武装部門、人民防衛軍(HPG)が継承。ERNK旗は実質的に現在のPKK党旗になっている。シリア・YPGの三角形の黄色に赤い星の旗もこの系譜にあたるといえる。のちベッカー高原のキャンプは閉鎖。(PKK公表写真より)

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【PKK・イラク北部】かつてクルド人はトルコで民族存在を否定され、言語を奪われる同化政策にさらされた。経済的に立ち遅れてきた南東部のクルド地域の1970年代の状況のなかでPKKが闘争を開始し、80~90年代に高揚、「トルコとの全面戦争」を掲げた。トルコ軍はPKK掃討に非協力的なクルド農村を破壊、軍とゲリラの衝突のはざまで大量の流出民が発生する事態にまでになった。山岳部の拠点に潜伏し、ときおり治安部隊を襲撃していたトルコ武装左翼とは、この点が違う。(PKK公表写真より)

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【PKK・イラク北部】シリア・レバノン情勢の政治環境の変化のなか、オジャラン指導者は90年代末までアサド政権からシリア国内で庇護を与えられたものの、軍事キャンプはベッカーからからイラク北部カンディルに。ここを出撃拠点として、トルコで武装闘争を続けた。PKKにはクルディスタンを分断するトルコ、シリア、イラク、イランからのクルド人がいる。(イラク北部カンディル

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【PKK・イラク北部】シリア内戦前にPKKゲリラ・キャンプを取材した映像。「シリア出身者は手を挙げて」と訊くと、かなりいたので驚いた。PKKは「もともとクルディスタンは自分たちの地であり、その民族解放闘争において、分断する国家の国籍や出自など関係ない」とする立場。だがシリアに関しては、PKKが実質的な母体となったYPGは「地元シリア人が主体となってシリア・クルド地域(ロジャヴァ)での戦いを主導」と強くアピール。PKKは「YPGとは別組織」とするが、トルコ当局は「両者一体のテロ組織」と規定。PKKはトルコのほか、米国・EU各国がテロ組織に指定している。

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【PKK・イラク北部】シリア内戦前にもシリアのPKKの地下基盤はあったが、アサド政権と緊張関係にあり、活動は制限されていた。内戦が始まると、イラク北部のPKK軍事キャンプ・カンディルからシリア出身の古参のゲリラ司令官らがシリア北部のクルド地域に散って、一気に戦闘機構を整えた。これがYPGの「源流」となっていく。ISとの激戦を戦い抜けたのも、PKKでの戦闘経験、軍事能力、士気の高さがあったことも大きな理由である。シリア内戦における北部クルド地域での武装化には、こうした背景があった。(イラク北部カンディル

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シリア国境を警備するトルコ軍装甲車。トルコはシリア北部がPKKやトルコ武装左翼の出撃地になることを警戒、またトルコ国内のクルド民族運動に与える政治的影響への懸念もあり、PKK・YPGに対する軍事行動を起こし、封じ込めを図ってきた。国境を越えた難民の流入に加え、ISやYPG、トルコ左翼志願者など武装各派の戦闘員らの越境移動を警戒し常時パトロールしていた。(2014年・撮影:坂本)

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この連載は複数回に分けて、シリアのクルド系組織YPGに参加する外国人やトルコ武装左翼について考察する。革命の「大義」を掲げる彼らの戦いにゲバラ的な憧れを抱く日本の読者がいるかもしれないが、実際の現場では、組織忠誠、各国情報機関の追跡、スパイ、一部住民からの反感、戦死率の高さなど「革命ロマン」だけでは語れない戦争の現実がある。シリア入りを目指したり、YPGに参加した外国人も周辺国で拘束される例があいついでいる。写真は2016年、トルコでYPG構成員として拘束されたチェコ人容疑者2名。一部ぼかし。(2016年11月・トルコ治安当局公表写真) 第2回へ >>

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【第1回】【第2回】【第3】【第4回】【第5回】【第6回】【第7回】

【イラク・クルド自治区】トルコ領事館員殺害事件・治安当局が容疑者拘束、「PKK関与」を証言(写真20枚)

◆トルコ外交官銃撃とPKKをとりまく情勢
7月17日、イラククルド自治区のアルビルでトルコ領事館員らが殺害される事件が起きた。白昼のレストランでの複数の男らによる銃撃。3日後、地元治安当局はトルコ国籍3名を含む容疑者グループを逮捕。治安当局が公開した映像では、主犯格の容疑者が「PKK拠点で銃の訓練を受けた」と証言。一方、PKKは関与を否定。PKKとトルコをとりまく情勢のなかで起きた事件の背景とは。

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7月17日、イラククルド自治区アルビルのレストランで客を装った男らが駐アルビル・トルコ領事館員オスマン・キョセを射殺。手前の容疑者が隣席に乗り出し、至近距離から頭に銃を突きつけ発砲したとみられる。また別方向からさらに2人が駆け寄って銃撃を加えている。

動画のロードに時間がかかる場合があります
【動画】アルビル・レストランでのトルコ外交官殺害(2019年7月17日)
店内のカメラには容疑者3人(赤矢印)が連携して殺害する様子が映る。映像は2つのカメラから別角度で銃撃が映っている。領事館員に同行していたとみられる地元イラク人ら2人も死亡。(治安当局公表映像)

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銃撃後、容疑者らはレストランから車で逃走。防犯カメラにはサイレンサー付きと思われる銃を手にしたまま、車に乗り込む姿が映る。(治安当局公表映像)

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イラククルド治安当局アサイシ・対テロ部局は翌日には容疑者らの一部を特定し緊急配備。ひとりはトルコ南東部ディヤルバクル出身のマズルム・ダア(27)。アルビル中心部のレストランで白昼堂々と外交官を暗殺した事件。治安当局アサイシはクルディスタン労働者党(PKK)の犯行とみて捜査。(治安当局公表写真)

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事件から3日後の7月20日、治安当局アサイシは容疑者らを逮捕。トルコ・メディアは「主犯格でトルコ出身のマズルム・ダアの妹は、トルコ・ディヤルバクルの人民民主主義党(HDP)選出の国会議員デルスィム・ダア」と大きく報道。(トルコ・メディア写真)

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逮捕されたマズルム・ダア容疑者(27)。PKKが高揚していた90年代半ばの生まれで、この当時、トルコ南東部でマズルムと名付けた親は、かなりのPKK支持者であるはず。1982年にディヤルバクル刑務所で自決したPKK英雄烈士マズルム・ドアンからとった名と思われる。また妹の国会議員デルスィムはトゥンジェリのクルド地名。あとの兄弟2人はPKKゲリラで、ひとりは戦死している。(治安当局公表写真)

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殺害されたオスマン・キョセ領事館員(39)。遺体はアルビルからトルコに移送され、殉職者として葬儀が営まれた。(トルコ・メディア写真)

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葬儀にはアカル国防大臣も参列。トルコ・メディアは「PKK分離主義テロ組織の犯行」と報じた。(トルコ・SHOW・TV映像)

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事件後、PKKの司令官バホ-ズ・エルダルは親PKK系テレビで「殺害されたのは外交官でなくトルコ情報機関MiT要員。PKKは事件とは無関係である。おそらくクルドの愛国的青年の独自の行動であるだろうが、その行動自体は歓迎する」などと主張。犯行への関与は否定しつつ、殺害は支持というスタンスをとった。PKKはこれまでにも「クルディスタン自由の鷹(TAK)」による無差別爆弾事件などで、「自分たちは関与していないが支持する」として、同様の「使い分け」をした過去も。(SterkTV映像)

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トルコ軍はPKKへの掃討作戦でイラククルド地域に越境してPKK拠点攻撃を続ける。PKK側に多大な犠牲が出ているなか、アルビルでの外交官銃撃事件は起きた。写真はイラク北部ハクルクでのPKK掃討作戦を展開するトルコ軍部隊。(トルコ軍公表写真)

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PKKはトルコ軍との戦いを「クルディスタンを侵略するトルコに対するクルド人民の民族解放闘争であり、民族自衛の戦争」などと位置付けている。一方、トルコは、「PKKテロリストによるトルコ国家分離主義破壊活動」として、PKK掃討作戦を続ける。双方の衝突で、多数の民間人が巻き込まれ、犠牲となってきた。写真はイラク北部のカンディル山脈を拠点にするPKKゲリラ部隊。(PKK公表写真)

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7月26日、イラククルド治安当局アサイシは容疑者らの映像を公開。逮捕された6人のうち、写真上段の3人がトルコ出身。(治安当局公表映像)

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映像では容疑者らが次々登場。主犯格とされるマズルム・ダアは、「今年4月にカンディルに行き、銃の訓練を受けた」と証言。カンディルイラク北部のイラン・トルコ国境近くの山岳地帯にあるPKK中枢拠点。弟がPKKゲリラというマズルムが、事件の全容を積極的にカメラの前で話すのが不可解な点でもある。(治安当局公表映像)

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容疑者らはPKKとの関与を証言。事実とすればPKKの指示があったのは明確となる。アルビルはどこでも治安当局アサイシの監視の目が光り、とくにISとPKK関係は対テロ部局の重点警戒対象となっている。そんななかで白昼のレストランで領事館員殺害という犯行だけに、PKKの直接指示以外にも、PKK組織内部勢力の別のパワーバランスが働いた可能性もありうる。(治安当局公表映像)

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事件が起きたアルビルのレストラン。逃走車数台、運転者、隠れ家を提供した地元アルビルの協力者が複数関係していることからも単独犯行とは考えにくい。カンディルはPKK最高幹部ら含むゲリラ部隊の軍事キャンプがある。(右:クルド・メディア写真)

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トルコ領事館員殺害は、別のタイミングも重なった。有志連合でIS掃討作戦を調整してきたジェフリー米特使が7月22日、トルコを訪問し、アカル国防大臣と会談する直前に事件は起きた。アカル大臣は「トルコ南部がPKKのテロ回廊となるのを阻止する」と強調。PKKと関係のあるシリア・クルド組織・人民防衛隊(YPG)がIS掃討作戦で米軍と連携しながら、多大な犠牲を払ってIS壊滅作戦を展開し、国際的な存在感を高めたなかで、PKKがトルコ外交官を殺害に関与したことは、結果的にトルコを利することにつながる。事件の背景は不明だ。(写真はトルコ国防省公表映像)

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さらに重なったもうひとつのタイミングが、ジェフリー米特使がアンカラを訪問していた同じ7月22日、マッケンジー米中央軍司令官(海兵隊大将・写真左)がサウジ訪問後に電撃でシリア北部に入り、シリア民主軍(SDF)マズルム・エブディ(シャヒン・ジロ)総司令官(写真右)と会談したこと。昨年末、トランプは思い付き的にシリアからの米軍撤退を表明し、マティス国防長官(当時)が抗議して辞任するなど混乱が起きたが、のちにイラン情勢が緊迫。アサド政権を支援しシリア政府と関係を強めるイランに対し、米軍のクルド地域駐留はアメリカにとって有効で、トランプ政権は米軍のシリアでの一部残留へと方針を転換。(写真はSDF公表映像)

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マズルム・エブディは本名シャヒン・フェルハッド・アブディでシリア・アフリン出身。PKKゲリラ時代はシャヒン・ジロとして知られ、トルコは重要手配指定している。オジャランPKK指導者の背後で泳いでいるのが若き頃マズルム・エブディとされ、トルコ・メディアはこの写真を繰り返し使った。アメリカは現在もPKKを「テロ組織」に指定しているが、彼の過去の情報や、その関連組織SDFについてもすべてわかったうえで、IS壊滅作戦を優先させ、SDFへの軍事支援をしてきた。

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ISとの激戦を経て、PKK系のSDF・YPGはシリア北部で国際的な政治的地位を獲得しつつある。YPG・SDFは「マズルム・エブディはこれまでクルド人のために闘ってきたシリア生まれのシリア人。民主的自治地域建設を目指し、クルド人、アラブ人含む宗派・民族を超えて地域住民の防衛に尽力し、世界の脅威だったISと最前線で戦い抜き、米軍・有志連合や国際社会と連携している」としている。写真はマズルム・エブディ(中央)がシリア民主軍(SDF)司令官として初めてカメラの前に登場した際のもの。シリア北部ケレチョホでトルコ軍が空爆した現場で、米軍現地司令官(左端)に被害状況を説明している。(VOA映像より)

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他方、トルコにとってはPKK系のSDF・YPGがシリア北部一帯での統治を固め、国際社会に承認されるのを何としてでも阻止したい。2018年にはシリアの反体制派に加え、ジハード系組織まで動員してYPGエリアだったアフリンに侵攻。その他の地域でも軍事作戦の可能性を警告している。トルコとPKKの双方とも熾烈な戦いと駆け引きが続く。アルビルでのトルコ領事館員殺害事件は、シリア・イラク・トルコの政治情勢も含めた一連の流れのなかで起きた事態といえる。(写真はトルコ軍の支援を受けアフリンに侵攻したシリア反体制派・第3軍団映像より)

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「IS以後」のシリア北部でクルド勢力が米軍・有志連合との協調を模索するなかで、イラククルド自治区でトルコ外交官がPKKが関与したとみられる人物に殺害されたことは、結果的にはPKKとYPGには大きなマイナス要因となる。写真は、マズルム・エブディSDF司令官とマッケンジー米中央軍司令官。会談では、トルコが強く求めるシリア北部での緩衝地帯設定について、諸条件が話し合われたとみられる。(写真はSDF公表映像)

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PKKをめぐる相関図。トルコはすべてPKKと一体のものとみなしている。PKKは他のクルド組織に比べ、組織運動の面で機動力が高く、意志も強い。一歩先んじて行動に移し、さまざまな機関を立ち上げる。シリア内戦では、この迅速さと強靭さが早い段階でのYPG編成につながり、ヌスラ戦線やISと戦いぬいた。一方で「左翼革命党派気質」に由来するガチガチさ、冷徹な側面も併せ持つ。外交官を殺害して、トルコがPKK掃討作戦を止めるわけもなく、むしろそれを最大限に利用し、軍事、政治攻勢を強めるだろう。今回の事件は、そうしたPKK気質も象徴するものとなった。

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30年以上におよぶPKKとトルコ軍との衝突で犠牲者は4万人以上におよぶ。双方でさらなる流血の報復へと発展すれば、民間人も巻き込んだ犠牲者がさらに出ることになる。(写真は以前、PKKのゲリラ・キャンプを取材した際に撮影)

【シリア】クルド・人民防衛隊(YPG)戦闘服から見る内戦(3)写真19枚 (全3回)

◆ISとの戦いのなかで
世界各地で無差別市民殺傷事件を引き起こしたイスラム国(IS)。各国がIS対策を進めるなか、シリアの最前線で戦ってきたクルド・人民防衛隊(YPG)。IS掃討作戦では、米軍は規模を限定しつつもYPGに武器や物資を支援した。そのなかには戦闘服も含まれる。IS掃討戦で存在感を高めたクルド勢力だが、YPGとシリア民主軍(SDF)のこれまでの戦死者は約1万におよび、大きな犠牲も払ってきた。シリア・クルド勢力の戦闘服から見る内戦、第3回。
全3回 第1回第2回第3回

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昨年取材した写真。パターンと形状の違う戦闘服で並んでもらって撮った。中央と左がポケット斜めタイプで、MARPATタイプとマルチカムタイプ迷彩。デジタルパターンでも中央と右とでは微妙に違う。右の色合いはAOR2っぽい。いずれも斜めポケットタイプが新型でアメリカの支援物資ということだった。(2018年10月撮影)

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2014年末のコバニのYPG部隊。当時の戦闘服や武器が足らなかった頃と比べると、いまでは米軍がIS掃討戦でクルド勢力を支援するようになるなど、政治状況も大きく変わった。ただしIS壊滅させたのち、アメリカがシリア・クルドとの政治関係をどうするのかは不明。「国なき民・クルド」は、大国からの「裏切り」を繰り返し経験してきた歴史がある。(撮影:坂本)

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ISが急速に台頭したなか、欧米でYPG・YPJが政治的な注目を浴びる。2105年2月、YPJナスリン・アブドラ司令官は、フランス大統領官邸エリゼ宮に招かれ、戦闘服でオランド大統領(当時)と会見。この年の11月、ISによるパリ連続襲撃事件が発生、フランス軍がIS掃討戦をさらに強化。有志連合としてIS拠点空爆のほか、シリア・クルド地域にも地上部隊を派兵する。一方、トルコは対峙してきたクルド勢力の影響力拡大に危機感を募らせ、IS掃討と地域保全の名目でのちにシリア北部に軍事侵攻する事態に。(2015年2月・フランス大統領府写真)

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整列するYPG・YPJの戦闘員。(撮影:坂本)

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いろいろ写真を紹介したなかで、最強のレア写真ならこれ。YPJ女子さんの靴下撮らしてもらった。ウサギさんなどのキャラで、顔部分に唇が縫い込んでプチ立体仕様デザイン。YPJ全員ではないものの、シリアでは流行ってるらしい。こんな小さな足の女性も銃を持って熾烈なIS掃討作戦で戦っている。(撮影:坂本)

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これはマンビジの前線で見かけたペンギンさん。

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「レア写真やで」で終わらせないよう、気になったので、市場に行って同じ靴下探してみた。シリア製の靴下だった。日本円換算で約90円。とりあえず数種類購入。(撮影:坂本)

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どうぶつ靴下の下にはシリア製の謎キティちゃんも。(撮影:坂本)

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YPG戦闘員は運動靴。PKK共通が多い。トルコMEKAP(メカップ)社の茶色シューズが有名で「PKK制式靴」とまでいわれるほど。トルコ南東部ではこの靴を所持してて拘束された例も。トルコ政府はMEKAP社に圧力をかけ押収などしてきた。写真左YPG・写真右PKK。(撮影:坂本)

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靴下撮影に協力してくれたYPJ女子さん。

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「女子の靴下かわいい」でない、戦争の現実も伝えておきたい。2015年のIS映像でシリア・ハカサの戦闘。ISが殺害したYPG・YPJ戦闘員の死体を積み上げている。YPJ女性戦闘員と思われる。いま我々と同じ時代を生きる彼ら・彼女らが、戦いの只中にあり、今日も命を落とし、また同時に誰かを殺している(写真一部ぼかし)

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シリア・コバニにある「戦死烈士追悼墓地」。ここだけでも毎週のように戦死者が運ばれてきて、家族がときおりやってきて死んだ息子や娘を偲ぶ。そして彼らが殺す敵にも同じように家族がいる。いまも続く戦争の現実。(撮影:坂本)

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シリアでは多くの住民が戦火にさらされ、故郷を追われた。誰もが否応なく銃をとって戦場で戦っている。YPJ女性戦闘員セルヒルダン(本名エルミン・19歳)はこの写真を撮った3週間後、ISとの戦闘で戦死。コバニの村出身で故郷守りたいとの思いからYPJに入隊。透き通るような緑の瞳だった。(2014年12月・撮影:坂本)

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クルド・YPGが実質主導したシリア民主軍(SDF)は、シリアのIS掃討作戦で大きな役割を果たした。3月にIS最終拠点バグーズはSDFに制圧されたが、スリーパーセルや潜伏要員が爆弾事件や暗殺を繰り返している。こうした状況に合わせ、特殊部隊・地域防衛など任務や地域の役割ごとに部隊再編が進められている。(2018年3月・SDF映像)

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中央の星条旗記章をつけているのはシリア駐留米軍。軍事教練を終えたSDF部隊の編成式などを視察するなどしている。IS掃討戦で政治的影響力を確立しようとするクルド勢力。大国に裏切られてきた国なき民・クルドは、国連にも頼ることはできない。国際社会での存在意義や政治的地位を獲得するためには、多数の戦死者という多大な犠牲を自ら払うしかなかったのが、クルド民族の悲劇でもある。(2018年3月・SDF映像)

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戦闘服も部隊の任務によって異なっている。この砂漠迷彩の戦闘服は、自主防衛隊(HXP・デファイ・アルダアタ)で、おもに地域・地区の防衛を担う。クルド人、アラブ人地域のそれぞれで編成が進む。内戦で経済が破綻したなか、給料がもらえる防衛組織は町や村の若者にとっては収入源の確保につながる。貧困が過激主義組織台頭の一因ともなってきた側面があるので、生活の安定は、治安維持にとっても重要である。(2018年3月・SDF映像)

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地域安定を最優先にして即席で兵員を養成すると、兵士の規律や風紀の乱れなど問題も起きる。SDFは憲兵隊(インズバット・アスケリ)を編成。部隊内部の規律監視にほか、問題行動を起こした兵士への住民の苦情を受付するなどしている。戦闘服は砂漠デジタル迷彩。戦闘服は砂漠デジタル迷彩に赤いベレー。(2018年4月・SDF映像)

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3月末、IS拠点バグーズを制圧し、ラッカで戦勝パレードをするYPG・SDF。ハンヴィ(左)もIAGガーディアン装甲車(右)もアメリカからの支援。とくに右のIAG装甲車は、IS壊滅を公約にしたトランプが大統領就任直後に供与されたことから「トランプからの贈り物」と呼ばれる。(2018年3月・SDF映像)

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SDFが公開したデリゾールでの軍事教練隊開設式。トランプ大統領は、IS壊滅が迫った昨年末、シリアから米軍撤退を表明し、これがマティス国防長官辞任のきっかけともなったと報じられた。その後、イラン情勢もからんでトランプ大統領は一部の米軍部隊駐留継続に方針転換。アサド大統領やイラク政府と関係を強めてきたイランの中東での影響力伸張を、シリア北部に米軍が駐留基盤を維持することでくさびを打ち込む形で牽制することもできる。YPG・SDFの支援関係は、米国・イラン・ロシアなどの国際関係に影響されるものとなっている。(2018年4月・SDF映像)

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【シリア】クルド・人民防衛隊(YPG)戦闘服から見る内戦(2)写真14枚 (全3回) 

◆YPGほか対テロ部隊(YAT)
クルド・人民防衛隊(YPG)指揮下の対テロ特殊部隊(YAT)は、ISとの最前線でもっとも果敢に戦ってきた部隊だ。IS掃討作戦で派遣された米軍特殊部隊から軍事訓練を受けてきた精鋭である。その戦闘服は黒ベースの迷彩。シリア・クルド勢力の戦闘服から見る内戦、第2回。
全3回 第1回第2回第3回

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クルド・YPGの精鋭組織には対テロ特殊部隊(YAT=イェクニエン・アンティ・テロル)があってIS掃討や敵対勢力の摘発・制圧が任務。対IS戦の一環として一部部隊は米軍特殊部隊の軍事訓練受けてきた。戦闘服は黒一色と思っていたが、じつは黒ベース迷彩。(YAT映像)

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対テロ特殊部隊(YAT)戦闘服の黒ベース迷彩を見せてもらう。生地はイラン製で縫製はシリア内とのことだった。生地がイラン製なだけでイラン政府が支援してるわけではない。(撮影:坂本)

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2014年にコバニに侵攻したISとの攻防戦を総指揮したYPG司令官マハムード・ベルホェダンと4年ぶりに再会。昨年、トルコ軍・シリア反体制派連合がアフリン侵攻した際にはYPGアフリン管区総司令官。現在は対テロ特殊部隊(YAT)の指揮官。YATの黒ベースの迷彩。(撮影:坂本) 2014年のインタビューはこちら>>

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YPG指揮下のYATのほかに、最近はシリア民主軍(SDF)指揮下でも特殊部隊編成が進められている。これは先月、ユーフラテス地域管区「コマンド部隊」(ヘゼン・コマンドズ)120名が4か月の軍事教練後に宣誓式と演武をしたときの映像から。同様の黒ベース迷彩服。(SDF映像)

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 YPG/YPJ以外には、警察部門(アサイシ)の対テロ特殊部隊(HAT)がある。これはアフリンの女性隊員の写真と思われる。(SNS写真より)

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YPGの女性部門、女性防衛隊(YPJ)の徽章(パッチ)撮らしてもらった。徽章(記章)はクルド語でニシャン。アラビア語は何というか知らないが、たぶんタスヒーフル・アスケリーユ(軍章)か、わからない。(撮影:坂本)

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クルド労働者党(PKK)オジャラン指導者。文字は「指導者なくして我らの人生なく」。オジャラン指導者はトルコで死刑判決受け収監中。欧米諸国も「PKK=テロ組織」指定するも、米国主導の有志連合はPKKが実質的母体のYPGにIS掃討戦で軍事支援という国際政治の実際。今後は「オジャラン肖像記章」は自制していくということだった。アメリカとの関係も考慮していると思われる。(撮影:坂本)

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これはYPG・YPJ忠誠式(ソンド)。軍事教練修了しての服務宣誓。銃とオジャラン指導者の書籍の前に手を置いて命を懸けて故郷と人民のために戦うことを誓う。(YPG映像)

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YPG・YPJはいわゆる一般正規軍のような細分化された階級呼称はないものの、司令官(クルド語=フェルマンダール)と総司令(フェルマンダーレ・ギシティ)とか部隊長や班長はある。将来的には階級が整備されるかもしれないという話も聞いた。画像は整列・点呼イチティマのようす。PKK式を踏襲した、同じ整列・点呼の号令だった。(YPG映像)

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2015年6月、ISはいったん退却していたコバニを再び攻撃。このとき、YPG戦闘服や、当時IS掃討戦で共闘していた自由シリア軍の戦闘服で偽装したIS戦闘員、約80人がひそかに町や村に侵入。3連続自爆攻撃や襲撃で住民200人以上が犠牲となった。これらの事件が背景となり、YPGは一般商店での戦闘服の流通を制限。(2015年:ANHA通信映像)

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YPGは戦闘服がISに偽装されるのを防ぐため一般市場にはむやみに流通させないようになった。徽章(パッチ)は売ってるところあるものの「お土産・資料」などの目的でも所持してると対立地域でスパイとみなされる危険も。外国人だと、シリア周辺国でも容疑かけられ逮捕、拘束の可能性もある。(撮影:坂本)

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以前作った図ですが参考になると思います(図をクリックすると拡大)。シリア民主軍(SDF)に参加・共闘する武装諸派。合計の兵力規模は5万~6万人前後。多様な組織の連合体であるが、実質的にはYPG主導。赤い枠で囲んだ部分は、主観ながら、PKKの影響度が強い組織。シリアのキリスト教系組織はシリア正教やアッシリア人組織。このほかSDFには各国の左翼義勇兵らが参加する国際自由大隊(IFB)なども参加。

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店の棚の上にあったステンレス水筒「フッ素コート」の日本語文字がYPGと並んでてかなりシュール。検索したら象印っぽいけが、じつは酷似ラベル使ってるアジアの別メーカーらしい。(撮影:坂本)

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ところで、シリア内戦各派コスプレ写真とかは、やめたといたほうがいい。トルコはYPGを「テロ組織」規定。さらにISは日本人を含む市民を多数殺害するなど、各国情報機関は「最重要警戒の国際テロ組織」として監視対象になっている。ISコスプレをSNSで世界に発信すると誤認されたり、支持者とみなされて「ネタ」で済まなくなることも。日本の公安当局もテロ対策で警戒してるので、ISコスプレマニアは潜在的支持層とみなされて、身元特定とかぐらいはされる可能性あるかも。なのでキュートンぐらいが無難。  第3回へ >>

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【シリア】クルド・人民防衛隊(YPG)戦闘服から見る内戦(1)写真23枚 (全3回) 

◆YPG戦闘服の変遷
シリアが内戦となり、各派の武装化が進むなかで、戦闘服も変遷をたどってきた。クルド人主体の武装組織・人民防衛隊(YPG)は、米海兵隊のデジタル迷彩MARPAT模様で知られるが、イスラム国(IS)掃討戦の過程で米軍が戦闘服支援し、マルチカム迷彩も登場。YPG戦闘服の初期から、現在に至るまでの変遷から政治関係も垣間見える。
全3回  第1回第2回第3回

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シリアのクルド人主体の武装組織・人民防衛隊(YPG)。半分近くが女性戦闘員で、女性防衛隊(YPJ)を構成する。(撮影:坂本)

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YPGが公開した戦闘服縫製工場。場所はシリア北東の油田の町ルメイラン。(YPG映像)

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以前、YPG司令部で聞いたら迷彩布の生地ロール原価は1メートルあたり200円前後。シリアではだいたいこの値段なので、地域差はあれど、IS戦闘服の生地価格もほぼ同じと思われる。(YPG映像)

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縫製はかりしっかりしていて丈夫。(YPGJ映像)

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シリアが内戦になると、ロジャヴァ(シリア・クルド地域)防衛部隊として、人民防衛隊(YPG)とその女性組織(YPJ)が編成される。当初は地域によっては戦闘服も行きわたらず、かき集めたジーンズや緑セーターだった。補給網が閉ざされた戦線では、こうした戦闘服で自由シリア軍、ヌスラ戦線、そしてその後のISと戦っていた時期があった。

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ルメイランの戦闘服縫製工場。戦闘服は、クルド語で「ジレ・シェルヴァン」と呼ばれる。縫製工場では量産化が進み、各戦線の部隊に供給されるように。(YPGJ映像)

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2014年9月、ISはコバニに総攻撃をかけ、町を包囲。YPG側は、徹底抗戦したが、ISの猛攻で犠牲者が続出し、戦闘員が不足。地元シリアのクルド人のほか、トルコのクルド人がトルコ国境をひそかに越えて、コバニに入った。戦闘服が足らず、一部の部隊ではトルコ軍が使う迷彩生地などを持ってくるなどありあわせの材料で戦闘服にしていた。(撮影:2014年)

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2014年、コバニの前線で戦うYPG戦闘員。ISが一斉射撃で銃弾を撃ち込んできた。戦闘服はカミシュロのある東部のジャジーラ地域から運ばれてきていたが、その中間のテルアブヤッド一帯はISが支配し、補給網は寸断されていた。(撮影:坂本)

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昨年、シリアで撮ったYPG戦闘服。デジタル迷彩パターンは米海兵隊MARPATタイプ。でも戦闘服の肩章ループ部分のあたりとかは米海兵隊とは異なっている。(2018年取材時に撮影)

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MARPATタイプ迷彩。縫製はけっこうしっかりしていて、夏用は背中裏生地がメッシュだった。

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戦闘員たちによると、メッシュのほうが通気性がよくて快適と言っていた。

f:id:ronahi:20190627202336j:plain「5.11」のロゴがあった。「5.11」関連のグッズはシリアでもイラクでも出まわっていた。だが本物の5.11製かどうかは不明。(撮影:坂本)

f:id:ronahi:20190627202354j:plainこれは上衣だが、74251で5.11サイト検索すると、タクティカルパンツシリーズの型番だった…。

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YPGの現行戦闘服の全体像。胸ポケット形状がまっすぐ。(撮影:坂本)

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こちらは新型タイプで胸ポケット形状が斜め。「これはシリア製じゃなくアメリカ製」とみんなが言っていた。アメリカがYPG戦闘服を支援しているかは明らかではないが、IS掃討作戦の一環で支援してる可能性はあると思われる。(撮影:坂本)

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新型タイプの襟首部分タグのサイズ表記はインチ。シリアは日本と同じセンチ表記なので、もしアメリカ製ならYPG戦闘服の一部をアメリカで作って支援ということに。(撮影:坂本)

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ズボン(パンツ)の太もも部分のポケット。ちゃんとしたBDUっぽい細かい仕様になっていた。(撮影:坂本)

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YPGの一部で最近採用されだした新型戦闘服マルチカム。「アメリカ製やで」と戦闘員は言っていた。これも襟首タグはインチ表記なのでアメリカの支援物資の可能性。かなり米軍の戦闘服っぽく見えるものの、肩章ループあったりと微妙に違う。胸ポケット形状は斜め。(撮影:坂本)

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マルチカムのもうちょいアップしたやつ。襟部分のタグはインチ表記。

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どのタイプのマルチカムをベースにしてるかはわからないが、こんな感じ。

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YPG戦闘服のMARPATタイプとマルチカムタイプ比べてみた。YPGは「アメリカの支援」と言っていたが、アメリカからのYPG武器支援は、トルコの強力な反対もあって、小型火器(一部中型)に限定されていて、武器以外の「戦闘服供与」はありうる。(撮影:坂本)

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国防総省会計のシリア民主軍(SDF)等への武器供与リスト。実質的にはYPGも含まれる。2017年AK47=1万丁から昨年度は2万5千丁に。戦闘服の記載はないが、昨年度だけでもPKM(X1500)、SVD狙撃銃(X95)など武器支援は増加。赤枠の「国防総省は武器流用を監視」は、米国が支援するシリア反体制派が武器転用する可能性を意識したもので、そのもっとも大きな問題が、トルコがYPGと一体とみなすクルディスタン労働者党(PKK)への流用とトルコ側の反発を意識したもの。 第2回へ >>

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トランプ大統領就任以降シリア民主軍支援は拡大。ただし対戦車誘導ミサイルなどトルコ軍の脅威となる武器は制限。写真右は米国供与の装甲車。左は有志連合でIS掃討作戦調整してきたマクガーク米特使。シリア撤退発表のトランプに抗議し辞任。トランプは「知らない人」とバッサリ。マクガーク特使が、シリアでのIS掃討戦における一連のYPG支援とその調整を進めてきた。
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全3回  第1回第2回第3回

IS機関紙ナバア・ヘッドライン【11】(2019年1~4月)163~179号

◆IS機関紙ナバア(2019年1~4月)163~178号
イスラム国(IS)機関紙 アン・ナバアのヘッドライン
◆ISの週刊発行プロパガンダ紙であり、いずれもIS大本営発表(IS動向の検証資料として掲載しています。残酷画像は一部ぼかし処理しています)
※印はメディア報道情報などをもとにした注釈 Research + Analysis

一覧】【】【】【】【】【】【】【】【10【11】12

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IS機関紙ナバア(163号)◆ナイジェリア軍要員を各所で襲撃140名殺害◆アフガンでタリバンら殺害◆シリア・マンビジでPKK要員(YPG・SDFを指す)暗殺◆イラクキルクークで警察車両攻撃◆イラク・サラハディンでスパイ処断◆6日間「戦果」計72作戦 302名以上殺傷◆2019/01/03

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IS機関紙ナバア(164号)◆PKK(YPG・SDFを指す)4か月「戦果」271作戦910名以上殺傷◆シリア・デリゾール一帯で攻撃PKK30名以上殺傷◆ラッカ自爆+暗殺戦17名殺傷◆アフガンでタリバン2名殺害◆ナイジェリア軍33名殺害◆6日間「戦果」計71作戦191名以上殺傷◆2019/01/10

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IS機関紙ナバア(165号)◆シリア・マンビジ自爆攻撃・米兵ら9名殺傷◆アフガン・コレンガル渓谷統制下に◆ロシア南部チェリャビンスクのアパート崩落は「IS兵士による爆破」(※2018年12月31日、マグニトゴルスクのガス爆発でアパートが崩落、39人が死亡。ISとの関係を示す証拠は見つかっていない)◆ナイジェリア軍多数殺傷◆6日間「戦果」計74作戦200名以上殺傷◆2019/01/17

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IS機関紙ナバア(166号)◆シリア・ハサカ・シャダーディ米軍装甲車両車列に自爆突撃戦・PKK(YPG・SDFを指す)13名以上殺傷・マンビジ米兵殺害に続く連続攻撃◆ハサカPKK要員連続暗殺22名以上殺傷◆ナイジェリア軍殺傷◆6日間「戦果」計68作戦231名以上殺傷◆2019/01/24

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IS機関紙ナバア(167号)◆フィリピン・ミンダナオ・ホロ島キリスト教会に自爆殉教攻撃120名殺傷◆バグーズでPKK(YPG・SDFを指す)に自爆2攻撃◆エジプト軍殺害・車両破壊◆カフカス・スタヴロポリ地方で治安検問所攻撃◆6日間「戦果」計69作戦363名以上殺傷◆2019/01/31

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IS機関紙ナバア(168号)◆ナイジェリア軍をボルノで攻撃20名殺害・戦車破壊◆北バグダッドで暗殺+待ち伏せ攻撃、軍兵士+民兵9名殺傷◆アフガン警官に暗殺爆破攻撃3名殺害◆フィリピン・スールー州ホロ島で軍兵士23名殺傷◆6日間「戦果」計74作戦191名以上殺傷◆2019/02/07

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IS機関紙ナバア(169号)◆ナイジェリア北東部ボルノ州知事車列に待ち伏せ攻撃多数殺傷◆シリア・ラッカ評議員2名殺害◆デリゾール南東バグーズでPKK(YPG・SDFを指す)に連続自爆攻撃+対戦車誘導ミサイルで多数殺傷◆6日間「戦果」計79作戦197名以上殺傷◆2019/02/14

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IS機関紙ナバア(170号)◆エジプト・シナイ半島エルアリシュで軍兵士20名殺害◆フィリピン南部スールー州ホロ島パティクルで軍兵士2名殺害◆イエメンでアルカイダとフーシ派勢力を攻撃◆地雷解説(対人地雷・対戦車地雷・即製爆弾)◆6日間「戦果」計51作戦134名以上殺傷◆2019/02/21

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IS機関紙ナバア(171号)◆ナイジェリア・マイドゥグリ空港に連続ロケット弾攻撃◆イラク・モスルで軍情報部要員殺害◆チュニジア、スパイ処刑◆中国共産党政府の反イスラム政策を1ページにわたって批判「共産主義者の犯罪的所業を阻止せよ」◆6日間「戦果」計51作戦 140名以上殺傷◆2019/02/28

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IS機関紙ナバア(172号)◆アフガン・ナンガハル空港イングマスィ突撃、米兵含む64名殺傷◆イラク・バドル民兵暗殺◆サラハディンで軍情報部殺傷◆サハラ砂漠ジハード組織バグダディへの忠誠表明◆シリア・デリゾールとラッカでPKK(YPG・SDFを指す)殺害◆6日間「戦果」計44作戦156名以上殺傷◆2019/03/07

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IS機関紙ナバア(173号)◆アフガン・カブールでシーア派集会攻撃110名殺傷◆シリア・マンビジ自爆攻撃、米兵3名殺傷◆シリア・バグーズの空爆で死亡のアブ・アナス(本名ファビアン・クラー)追悼記、2015年パリ襲撃事件関与の人物◆6日間「戦果」計59作戦422名以上殺傷◆2019/03/14

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IS機関紙ナバア(174号)◆アブル・ハサン・アル・ムハジール声明「彼はアッラーに誠実であり、アッラーも彼に誠実であられた」◆シリア・バグーズ戦闘◆シリア・ホムスでロシア兵6名殺害◆ナイジェリア軍に自爆攻撃◆フィリピン軍50名殺傷◆6日間「戦果」計51作戦213名以上殺傷◆2019/03/21

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IS機関紙ナバア(175号)◆シリア・デリゾールとマンビジでPKK(YPG・SDFを指す)殺害◆イエメン・アルカイダ 10名殺害◆西アフリカ・サハラでのジハード◆ニジェールで米軍特殊部隊殺害、ブルキナファソのカナダ人学者殺害(※2019年1月、ブルキナファソ北部ウダランでカナダ人地質学者が拉致され、殺害された事件)◆6日間「戦果」計33作戦151名以上殺傷◆2019/03/28

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IS機関紙ナバア(176号)◆幹部含むPKK(YPG・SDFを指す)24名殺傷◆ナイジェリア軍兵舎襲撃戦・戦車破壊◆イラク・ディアラ、軍兵士・シーア民兵7名殲滅◆アフガン軍兵士・民兵・スパイ殺傷◆エジプト軍兵士殺傷・戦車破壊◆6日間「戦果」計44作戦109名以上殺傷◆2019/04/04

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IS機関紙ナバア(177号)◆シリアの虐殺戦に対する各地の連続報復戦闘◆シリア各地でPKK(YPG・SDFを指す)連続攻撃◆アンバルでイラク軍殺傷◆リビア中央部ジュフラ・フカハ攻撃◆エジプト軍攻撃22名殺傷◆シリア戦への報復作戦4日間8県80地域で92作戦362名殺傷◆2019/04/11

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IS機関紙ナバア(178号)◆パキスタンで自爆攻撃、警官ら70名殺傷◆チュニジア、スパイ処刑◆シナイ・エジプト軍攻撃戦(写真右はロシア・カフカス出身「殉教者」アブ・ムハンマド)◆フィリピン軍をホロ島パティクルなどで25名殺傷◆6日間「戦果」計85作戦395名以上殺傷◆2019/04/18

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IS機関紙ナバア(179号)◆スリランカ各地でISが連続攻撃・「十字軍を1000人以上殺傷」と表現(※2019年4月21日、スリランカコロンボほか8か所で起きた同時多発自爆攻撃事件。キリスト教会やホテルなどが狙われ、死者259人、負傷者500人を出す惨事となった。また同日、警察が容疑者アジトを捜索しようとしたところ、容疑者の妻で妊娠中の女が、自身の子ども3人を巻き込んで自爆、警官らも死亡した。ISが犯行声明)◆欧米含む各国市民標的◆実行犯の一部とみられる7人の写真掲載◆サウジ・リヤド警察施設でも攻撃戦◆いずれもイングマスィ急襲突撃戦◆6日間「戦果」計40作戦1175名以上殺傷◆2019/04/25

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